国内外問わず、古くから高貴な色とされてきた紫色(パープル)。
濃くて深い色合いのものにはどことなくミステリアスで神秘的なイメージもあります。
青と赤が混ざり合ったような中間色であるため、肌や装いにスッと馴染んでくれ、使いやすい色合いの一つではないかと思います。
ということで、代表的な紫色の宝石10選についてご紹介していきたいと思います!
目次
紫色の宝石について
画像:アメジスト(アメシスト)
冒頭でもお話した通り、古くから紫色(パープル)は、多くの国において、高貴な位の人を現す色として用いられることが多くありました。
紫色と一口に言っても濃さによって印象がかなり変わり、濃い紫には少し神秘的で大人っぽい印象を、淡い紫には柔らかく優しい印象を受けます。
また宝石の場合、透明度や宝石の個性によっても雰囲気は異なります。
似たような色合いにバイオレットがありますが、主に赤味が強いものをパープル、青味の強いものをバイオレットと呼び、分類されています。
ここでは、赤味の強いパープルの宝石を紫色の宝石としてご紹介したいと思います。
1.アメジスト(アメシスト)
紫色の宝石と聞いて、まず最初に思い浮かべられる方が多いのがアメジスト(アメシスト)ではないでしょうか。
アメジストはクォーツ(水晶)の一種で紫色のクォーツを指し、和名は紫水晶といいます。
淡い紫から濃く深い紫まで色幅があります。
紫色が高貴な位を現す色とされていたことから、紫色のアメジストを好んで付ける王侯貴族も多かったと伝わっています。
例えば、ロシアのエカテリーナ2世やクレオパトラなどもその一人だったそうですよ。
また、キリスト教では「司教の石」と呼ばれ、司教がアメジストの指輪を身につけることも多くありました。
アメジストという名前の由来は諸説あるといいますが、お酒に酔わないという意味のギリシャ語「amethystos」に由来するという説が有名です。
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アメジストについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考ください。
2.スキャポライト
落ち着いた紫色が印象的な宝石、スキャポライト。
実はカラーレス、イエロー、グレー、ピンクなど多くの色合いをもちます。
クォーツと屈折率が近いことから、色味が似ているものがアメジストやシトリンと間違えられることもあったといいます。
有色のスキャポライトには見る角度によって異なる色に見える多色性が強いものや、ブラックライトを当てるとネオンカラーを発色する蛍光性をもつものもあります。
また、光を当てると虹色に輝くものや蓄光性をもつもの、キャッツアイ効果を示すものなど種類も豊富で色々集めて見比べても楽しい宝石です。
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スキャポライトについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考ください。
3.パープルダイヤモンド
カラーレスの宝石という印象深いダイヤモンドですが、実は多くの色合いが存在し、パープルダイヤモンドもその一つです。
パープルダイヤモンドの発色要因は定かではないようですが、結晶構造に歪みが生じた結果ではないかという見方が強いようです。
他の色味を帯びているものが多く、純粋なパープルダイヤモンドは産出量が非常に少ないといわれています。
パープルダイヤモンドは、ピンクダイヤモンドの産地としても有名なオーストラリアのアーガイル鉱山のほか、ロシアやカナダなどで見つかっています。
ブルー味が強いものはヴァイオレットダイヤモンド(バイオレットダイヤモンド)に分類され、こちらも希少性が高い色合いです。
ピンクダイヤモンドとも異なる、どこか上品な印象を覚えるダイヤモンドです。
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ファンシーカラーダイヤモンドについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考ください。
4.パープルサファイア
サファイアといえば青色のイメージが強いかもしれませんが、サファイアもまた、カラーバリエーションが豊富な宝石です。
サファイアはコランダムという鉱物の中で赤色以外を呈するものを指します。
では、赤色は、、というと、それはルビーと呼ばれます。
一般的に、ただ「サファイア」と呼ぶ場合はブルーサファイアのことを指すことが多く、それ以外の色合いのものは、前に色名を付けて呼ばれます。
パープルサファイアには、淡い紫~濃い紫まで色幅があり、青味が強いものはヴァイオレットサファイア(バイオレットサファイア)と呼ばれます。
一石の中に二色を呈するバイカラーサファイアの中にも紫色が入ったものもあり、ピンクやブルーと合わさると、夜明けや夕暮れの空を思わせるような情緒感あふれる雰囲気を醸し出し、人気が高いです。
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ファンシーカラーサファイアについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考ください。
5.パープルゾイサイト
カラーバリエーションが豊富な宝石ゾイサイト。ゾイサイトの中にも紫色のものがあります。
正直ゾイサイトと聞いてもピンとこないという方も多いかもしれませんが、タンザナイトと聞くとどうでしょうか。
12月の誕生石に追加されたことでも話題となったタンザナイトは、ブルー~バイオレットを呈するゾイサイトのことを指します。
つまり、赤味が強いとパープルゾイサイトになり、青味が強いとタンザナイトになるというわけですね!
パープルゾイサイトもタンザナイトと同じように多色性が強く、見る角度によって異なる色合いが楽しめます。
一石の中に二色が入ったバイカラーゾイサイトもあり、タンザナイトカラーとパープルが一緒に見られるものも夕暮れのような美しさがあって魅力的です。
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ゾイサイトについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考ください。
6.グレープガーネット
1月の誕生石としても知られるガーネットは、赤い宝石というイメージが強いかもしれませんが、実はカラーバリエーションが豊富な宝石です。
実はガーネットは一つの宝石を指す名前ではなく、同じ結晶構造をもつ等軸晶系鉱物のグループ名です。
大きく分けると、アルマンディン、パイロープ、スペサルティンのアルミニウム系ガーネットと、グロッシュラー、アンドラダイト、ウバロバイトのカルシウム系ガーネットの2つに分けられます。
ガーネットは複数の種類が混ざり合ってできる固溶体も存在し、同じ系列同士で混ざり合うことが多いといわれています。
固溶体ガーネットとして最も知られているものが、ロードライトガーネットです。
ロードライトガーネットは、アルミニウム系のアルマンディンガーネットとパイロープガーネットの固溶体で、ロードライトガーネットの中でパープル味が強いものをグレープガーネットと呼びます。
ブドウのように鮮やかでジューシーな色合いから人気が高く、ロードライトガーネットの中では価値高く扱われます。
ただ、グレープガーネットはコマーシャルネーム(流通名)のため、鑑別書上の宝石名はロードライトガーネットとなります。
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ロードライトガーネットについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考ください。
7.チャロアイト
ラベンダー色の地色に白色が混じったマーブル模様が美しい宝石、チャロアイト。
チャロアイトという名前は、発見地であるロシアのチャロ川に由来して名付けられたといわれています。
「チャロ」というのがロシア語で「魅惑する」という意味をもち、その意味も含んでいるのではないかという説もあるようですよ。
確かに色味といい、模様といい、どことなく魅惑的な雰囲気をもっている気がしますよね。
発見当初、別の鉱物だと思われていたそうですが、1978年に新種として認定されました。
宝石としてよりパワーストーンとして流通しているものが多い印象です。
チャロアイトについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考ください。
8.スギライト
スギライトも美しい紫色を呈する宝石です。
半透明~不透明で、色は他にピンク、ブラック、褐色、グレーなどが見つかっています。
前項のチャロアイトとどこか雰囲気が似ているものも多く、スギライトもパワーストーンとして流通しているものが多い印象です。
スギライトという名前の響き、なんとなく親しみを感じませんか?
実はスギライトは、日本人によって発見され、発見者である杉健一氏に因んで名付けられたといわれている鉱物です。
スギライトはカルセドニーやペクトライトなど他の鉱物を内包しながら形成されていくものも多く、様々な色や特徴が見られることも魅力です。
スギライトについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考ください。
9.ラベンダー翡翠
翡翠(ヒスイ)と聞くと、緑色の宝石という印象が強い方が多いかもしれませんが、実はオレンジ、レッド、イエローなど、様々な色を呈します。
その中で薄い紫~濃い紫のものをラベンダー翡翠と呼びます。
純粋な翡翠はカラーレス~ホワイトなのだそうですが、微量元素が含まれることで発色するといわれ、ラベンダー翡翠はチタンを含むことで紫色を発色すると考えられています。
翡翠の中で緑色の次に人気、価値ともに高い種類です。
主に半透明~不透明のものが多く、色が鮮やかで透明度が高い程価値が上がります。
翡翠は日本でも産出される宝石で、ラベンダー翡翠も新潟県糸魚川周辺で見つかることがあるそうです。
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翡翠(ヒスイ)について、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考ください。
10.ハックマナイト
最後にご紹介するのは、ハックマナイトです。
ハックマナイトも紫系の色合いをもつ宝石ですが、他にもカラーレス、ホワイト、ブルー、グレーなどが見つかっています。
ハックマナイトで特筆すべきは、テネブレッセンス効果という性質をもつということ。
テネブレッセンス効果とは、紫外線を当てると色が変化し、暫く色が戻らないという性質のことです。
紫外線を吸収し中に溜め込むため、このような現象が起こると考えられれており、紫外線から遠ざけ時間が経てば元に戻ります。
地色は淡い色合いのものも多いのですが、紫外線を吸収した後に鮮やかな紫色に変化するものも多く、とても魅力の多い宝石です。
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ハックマナイトについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考ください。
最後に
画像:ハックマナイト
紫色の宝石と一口に言っても、その特徴や印象はさまざまです。
色々集めて見比べてみると違いがより分かり面白いかもしれませんね。
紫色は、冷静なブルーと情熱的なレッドの中間色で心身のバランスを整える色といわれています。
昔から何となく紫色が好きだった私ですが、改めて紫色の宝石たちにどっぷり浸かってみたくなりました。
上品で落ち着いた雰囲気のある紫色の宝石は凛とした大人っぽさもある気がします。
この記事を参考に、お気に入りの宝石が見つかる方が増えたら嬉しいです♪
カラッツ編集部 監修