落ち着いたパープルカラーが美しい宝石、スキャポライト。
パープルカラーの宝石というとアメシストが思い浮かぶ方も多いかと思いますが、実はスキャポライトは長らくアメシストと間違えられていた宝石です。
今回はそんなスキャポライトの特徴や、アメシストとの見分け方などをお話しします!
スキャポライトの特徴

スキャポライトの名前の由来はギリシャ語の棒を意味する「スカポス/skapos」と、石を意味するライト「リトス/lithos」からきており、和名を柱石(ちゅうせき)といいます。
日本語の発音の違いから「スカポライト」と呼ばれることもあります。
発見されてから100年程度と比較的新しい宝石で、屈折率がアメシストと近く(スキャポライト:1.550、アメシスト:1.540)、色味も似ていることから、かつてアメシストと間違われていた歴史をもっています。
チューブ状のインクルージョンのあるスキャポライトを、カボションカットに研磨するとシャトヤンシー効果を表し「スキャポライト・キャッツアイ」となります。
近頃は知名度が上がり、希少石の一つとして扱われるようになっていますが、モース硬度が6程度であることと劈開が2方向に明瞭なので、凝ったカットなどは難しい宝石です。
色
ピンク、パープル、クリアカラー、ホワイト、イエロー、褐色など
クリアカラーのスキャポライトの中には茶褐色や褐色のしま模様が入ったものがあり、暗い環境下で強い光を照射すると、レインボーカラーや玉虫色の「光彩効果」が見られるものもあります。
これを「レインボースキャポライト」といいます。
強い多色性(二色性)と蛍光性

固体によって強弱はありますが、スキャポライトには強い多色性(二色性)と蛍光性があります。
多色性とは“見る角度によって宝石の色が違って見える”現象のことで、その中でも“2色間のみの色変化がみられる”二色性がみられます。
そして、“ブラックライトを当てるとネオンカラーを発色”する蛍光性もあります。
スキャポライトの場合、鮮やかなピンクや柔らかいオレンジ、イエローのネオンカラーがみられます。
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アメシストとの違い、見分け方

かつてはアメシストと間違われていたこともあるスキャポライトですが、大きな違いは前述した「蛍光性」です。
もし、アメシストかスキャポライトかわからないけど自分で調べたいなら、ブラックライトを当ててみてください。
ピンクやオレンジ、イエローの蛍光色が見えれば、それはスキャポライトです。
アメシストにブラックライトを照射しても、変化はありません。
最後に

落ち着いたパープルやピンクカラーが美しいスキャポライト。
アメシストと間違われて不遇な扱いを受けていたこともある宝石ですが、今では知名度も上がり希少石のひとつとして扱われています。
有名なのはパープルやピンクですが、カラーレスのスキャポライトも高い人気があります。
蛍光性がマニア心をくすぐってくれるためコレクターにも人気がある印象です。
モース硬度や劈開性のことを考えるとジュエリーとしてより観賞用のルースとしての方が安心の宝石かもしれませんね!
カラッツ編集部 監修