アウイナイトは、正式にはアウィンという名前の宝石です。
非常に深いコバルトブルーのそれは美しい宝石。数は少ないですが、最近は一部のネットショップでジュエリーに加工されているものを見かけるようになりました。
今回は、そんなアウイナイトのちょっと意外な素顔に迫ります。
まずはアウイナイトの基本から
アウイナイトは主にドイツのアイフェル地方で産出されるといわれている非常にレアな宝石です。
2ct以上の重さのルースはまずないといわれていますし、個人的にも0.5ct以上のものは殆ど見たことがありません。
よく見かけるのは0.1ct程度の本当に小さなもので、0.2ctを超えると金額がグッと上がる印象があります。
ただし、0.1ctという小ささであっても、ネオン味が強いので、かなりの存在感があります。
その美しさからジュエリーに加工されることもありますが、ネットショップ以外の百貨店やジュエリーショップといった実店舗では私はまだ見たことがありません。
それもそのはず、アウイナイトはモース硬度が6以下と、あまり丈夫とはいえない宝石だからです。
そのため傷もつきやすく研磨することが困難で、最近の技術でどうにかカットすることができるようになったといわれている程です。
だから、ジュエリーに向いているとは正直言いにくいんですよね。ジュエリー加工するにはそれなりの技術が必要な気がします。
アウイナイトはあの宝石の仲間!?
実は、アウイナイトは有名なある宝石の仲間です。
それは何かというと、ラピスラズリ。
色味の面では、同じようなコバルトブルーなので似ているといえば似ていますよね。ただし、透明感という点で比較すると全く違います。
私はアウイナイトを紹介するときには、「ラピスラズリの上澄みのようなもの」という風に伝えています。
透明感の高い美しい結晶は、本当に“上澄み”といえるほどの量しかとれないので、かなり現実に近い例えだと自負しています。
2つの顔をもつアウイナイト
タイトルにもありますが、私はアウイナイトには2つの顔があると思っています。
1つは、トップカラーといわれる、ネオン味のある非常に深いコバルトブルーのもの。
もう1つは、トップカラーと比べると、ほんの少し黄色みを帯びたコバルトブルーです。
どちらも同じコバルトブルーではありますが、私にとってはかなり大きな違いがあります。
それは、ブラックライトを照射してみることでわかります。
ブラックライトを当てても、前者のアウイナイトは反応ありませんが、後者はなんとオレンジ色に輝くのです。

私は両方のタイプのアウイナイトを持っていますが、個人的にはトップカラーである前者よりも、ブラックライトで蛍光する後者の方が色も明るく、蛍光させる楽しみがあるので好きです。
そもそも、宝石にライトを当てて楽しむというのは、かなりマニアックな人しかやらないことだと思いますので、後者の蛍光するアウイナイトは“通好み”といってもいいかもしれませんね。
アウイナイトの指輪を付けていると、ルースショップの方々には「よく石を留められたよね」「上手くアウィンを保護したデザインだね」と感心されることがあります。それだけ、加工が難しい宝石ということなのでしょうね。
また、ジュエリーのなかでも、指輪はぶつける危険性が多いアイテムです。しっかりと保護されているデザインというのも大切な要素になります。
アウイナイトのジュエリーを購入する際には、そういった「石を大切に思うデザイン」であるかという観点からもチェックした方が良さそうです。
カラッツ編集部 監修