桃の節句とともに春が訪れ、気分も華やぐ弥生3月。
3月の誕生石にはどんな宝石があり、どんな意味が込められているのでしょうか。
ジュエリーを買う時、誕生石を意識する方は多いことと思います。
ご自身用はもちろん、大切な方へのプレゼントとしても選ばれやすいですよね。
今回は、3月の誕生石について深掘りしていきたいと思います!
▼3月以外の誕生石と誕生日石についてはこちらから
目次
3月の誕生石は何がある?
3月の誕生石というと、まず最初にアクアマリンを思い浮かべる方も多いと思います。
寒い冬から暖かい春に変わる季節特有の、明るい海や空を表わすようなブルーで人気の宝石ですね。
しかし3月の誕生石はアクアマリン以外にもありますよ。
一つは珊瑚(サンゴ)。日本近海で採れることでも知られる宝石です。
そして、2021年12月に追加されたブラッドストーンとアイオライト。
誕生石が4つもあるなんて、3月生まれの方は選ぶ楽しさがあってラッキーですね!
それぞれ異なる雰囲気の宝石なので、シーンによって使い分けても良さそうです。
3月の誕生石にはどんな意味が込められているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
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▼3月の誕生石と誕生日石一覧についてはこちらの記事で
3月の誕生石 アクアマリン
3月の誕生石の代表とも言える、アクアマリン。
名前の由来は、ラテン語の「水」(アクア aqua) と「海の」(マリーヌス marinus)が合わさったもの。「海の水」という意味です。
アクアマリンのバリエーション豊かなブルーは、季節や場所によって変わる海の色を感じさせますね。
和名は「藍柱石(らんちゅうせき)」「藍玉(らんぎょく)」など、複数あります。
▼アクアマリンについての詳しい記事はこちらから
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特徴
アクアマリンの特徴としてまず挙げられるのは、独特なブルーの色合いでしょう。
アクアマリンにはブルーからグリーンの間の色相があり、それに濃淡も加わって、様々なブルーの色合いを楽しむことができます。
例えば、カラーレスに近い薄い色合いのもの、イエローや褐色味を帯びたブルー、明るい水色、「サンタマリアアクアマリン」と呼ばれる濃く鮮やかなブルーなどです。
また、アクアマリンはインクルージョンが少なく透明なものが多いという特徴もあります。
大粒なものも取れやすいため、存在感のあるジュエリーを見つけることも可能でしょう。
歴史・言い伝え
アクアマリンは、紀元前から人々に用いられてきた長い歴史をもつ宝石です。
ポジティブなパワーがあると信じられており、アクアマリンを入れた水を飲むと病気が治るという言い伝えもあったそうですよ。
身に着けるだけで毒物を解毒したり、敵から身を守る作用もあると信じられていたのだとか。
また、アクアマリンはギリシャ神話のポセイドンや、ローマ神話のネプチューンに関係しているともいわれています。
どちらも海の神様であることから、アクアマリンが古代から海と関係した宝石と考えられていたことが窺えます。
海を鎮めるパワーもあるとされ、船乗りたちがアクアマリンにネプチューンの彫刻をして、航海のお守りにしていたそうですよ。
▼アクアマリンの歴史と言い伝えについてはこちらの記事も参考に
石言葉
アクアマリンの石言葉は「聡明」「沈着」「幸福」です。
アクアマリンはインクルージョンが少なく、澄み渡ったルースが多い特徴があります。そのクリアな輝きは、曇りのない「聡明さ」や「幸福」を感じさせるのかもしれません。
また、ブルーの色合いには、「冷静沈着な落ち着き」が表れているように感じます。青色には心拍数を下げる働きがあるといわれているそうですよ。
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▼アクアマリンについてもっと詳しく知りたくなったら
3月の誕生石 珊瑚(サンゴ)
珊瑚(サンゴ)も3月の誕生石ですよ。
宝石になる珊瑚は、暖かく浅い海に群生している珊瑚礁(造礁珊瑚)とは違う種類なのだそうです。
珊瑚礁は触手が6本の「六放(ろっぽう)サンゴ」と呼ばれる珊瑚虫が作ります。
一方、宝石珊瑚を作る珊瑚虫は触手が8本の「八放サンゴ」。深さ100メートル以上の、光が届かない複雑な海底地形で、まばらに生息するのだとか。
日本近海で採れる珊瑚は、品質が高いことで有名です。他に地中海やアフリカ、東シナ海、台湾なども宝石珊瑚の産地として知られています。
▼珊瑚についての詳しい記事はこちらから
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特徴
珊瑚の特徴としてまず挙げられるのは、有機質の宝石であるということ。
宝石の多くは地球が生み出す無機質な鉱物なのですが、珊瑚は前述の通り、珊瑚虫によって作られます。
珊瑚虫と言っても昆虫のような形ではありませんよ。イソギンチャクやクラゲの仲間なのだそう。なんだか不思議な生き物で、海の中は知らないことだらけだな、と実感しました。
珊瑚は硬度が低いため傷つきやすく、酸や熱に弱いという性質があるので、取り扱いには注意が必要です。
また、宝石珊瑚は主に「赤珊瑚」「地中海珊瑚(紅珊瑚)」「桃色珊瑚」「深海珊瑚」「白珊瑚」など、5つの種類があります。
この中で赤珊瑚に属する「血赤珊瑚」と呼ばれる濃い赤色のものが、最高級品として評価されています。
血赤珊瑚は主に日本沿岸で採取され、特に土佐湾のものは別格の美しさなのだとか。「トサ」と呼ばれ、世界中から注目されています。
歴史・言い伝え
宝石珊瑚の歴史は、紀元前2万年にさかのぼります。地中海で採れる赤い珊瑚が、装飾品や魔除け、楽器などに加工されていたと伝わります。
珊瑚はギリシャ神話にも登場します。なんと、髪の毛が蛇のメドゥーサが退治されたときに、海に流れた血が珊瑚になった、というストーリーなのだそうですよ。
また、キリストが十字架に磔になった時の血が珊瑚になった、という言い伝えもあるのだとか。やはりその色からか、宝石珊瑚には血液を連想させるエピソードが多いですね。
日本では、桃太郎などの昔話で語られるお宝や、七福神が乗る宝船の挿絵に珊瑚が描かれることが多い印象です。昔から「珊瑚は宝」と考えられていたといえるでしょう。
イギリスの王室では王女が誕生したらベッドに宝石珊瑚をお守りとして飾る習慣があったといわれています。子供や妊婦さんのお守りに珊瑚が用いられることも多いようです。
石言葉
珊瑚の石言葉は「幸福」「長寿」「知恵」です。
丸くコロンとした赤やピンクなどの珊瑚には、笑顔で紅潮した頬を思わせます。いかにも幸せが詰まっているように感じるでしょう。
宝石珊瑚はゆっくりと成長します。1cm伸びるのに50年かかる種類もあるそうですよ。まさに「長寿」を表わす宝石だと思います。
珊瑚は仏教の「七宝」やアーユルヴェーダの「ナヴァラトナ(9つの宝石)」にも数えられています。古代の人々の英知を表わす宝石と言えるのではないでしょうか。
珊瑚の石言葉はどれも素敵ですね。
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3月の誕生石 ブラッドストーン
3月の誕生石には、ブラッドストーンも定められています。
深緑の地色に、赤い模様が入っている様子は、まさに血(ブラッド)がついた石(ストーン)といった感じ。
和名はそのものずばり、血石(けっせき)です。
止血作用があると信じられたことからブラッドストーンという名前がついた、という説もあるとか。
また、ブラッドストーンはキリストが処刑された時の血液がジャスパーにしみ込んでできた、ともいわれており、「聖なる石」としてキリスト教徒から大切に扱われているそうです。
ブラッドストーンはヘリオトロープとも呼ばれています。古代ギリシャ語で「太陽に向かう」という意味なのだそうですよ。
▼ブラッドストーンについての詳しい記事はこちらから
特徴
ブラッドストーンは多結晶(潜晶質)のクォーツであるカルセドニーの一種、ジャスパーの仲間です。細かい石英の結晶が集合してできています。
グリーンのジャスパーに赤い斑点が入っているものがブラッドストーンです。
赤い斑点がないグリーンジャスパーは、「プラズマ(plasma/濃緑玉髄)」と呼ばれることもあります。
生成過程で様々な不純物が混ざることで、色や模様が変わるのだそうですよ!
ブラッドストーンの不透明なグリーンは緑泥石(クローライト)の、赤い斑点は酸化鉄(ヘマタイト)の作用によると考えられています。
歴史・言い伝え
ブラッドストーンは、古代より人々に用いられてきた宝石のひとつです。
止血剤として使われたり、粉末にして媚薬にしたり、悪魔を呼び出す力があるとされるなど、ユニークな使われ方が目立ちます。
水の中にブラッドストーンを置くと、太陽が赤くなるという言い伝えもあるそうですよ。
ブラッドストーンは、宝飾品としてよりは薬や魔除けとして使われてきた歴史があるようです。
石言葉
ブラッドストーンの石言葉は、「勇気」「献身」「勇敢」などです。
古代バビロニアでは、ブラッドストーンには敵を撃退する力があると信じられていたと伝わります。
また、ギリシャ神話にはブラッドストーンで体を擦ると敵から見えなくなる、という話もあります。
このような言い伝えや神話をもち、戦いのお守りとして使われることもあったブラッドストーンには、「勇気」や「勇敢」という言葉が当てはまるように思います。
敵から「献身的」に守ってくれるというイメージもあったのかもしれませんね。
現在ではスポーツ選手が「強くなりたい」という願いを込めて、ブラッドストーンのアクセサリーなどを身に着けることもあるそうですよ。
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3月の誕生石 アイオライト
可憐なスミレ色が美しいアイオライトも3月の誕生石に含まれます。
2021年12月にブラッドストーンとともに追加されました。
和名は菫青石(きんせいせき)です。
その色合いから「ウォーターサファイア」と呼ばれることもありますよ。
私はスリランカでサファイアを見て回ったことがあるのですが、あっさりしたブルーや青紫色のルースを見せられることがよくありました。
その時は決まって「これはウォーターサファイアと呼ばれている宝石で、サファイアよりもずっと手ごろな値段ですよ」「青の中に黄色が見えて綺麗でしょう」と勧められたものです。
▼アイオライトについての詳しい記事はこちらから
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特徴
アイオライトはコーディエライトという鉱物です。濃いブルー~バイオレットのコーディエライトを指します。
見る角度を変えると異なる色合いに見える多色性が顕著なことでも知られており、「二つの色(複数の色)が見える石」という意味の「ダイクロアイト(dichroite)」という別名もあるほど。
多色性は鉱物によって強さや見える色が異なり、2色に見えるもの(2色性)もあれば3色に見えるもの(3色性)もあります。アイオライトの場合は3色性が多いです。
また、地色の違いによって、見える色に若干の違いが見られるといいます。
例えば紫が強いものは濃淡のバイオレットや黄褐色を、青みが強いものは、カラーレス、イエロー、ブルーグレー、濃いバイオレットなどを示す傾向にあるそうです。
アイオライトの多色性も特徴的なバイオレットブルーも、生成過程で取り込まれる微量の鉄の影響と考えられています。
歴史・言い伝え
アイオライトには「バイキングが羅針盤の代わりに使っていた」という伝説があります。
太陽にかざすと色が変化するというアイオライトの性質を利用し、ブルーが強く見える方向に船を進めたのだそうですよ。
また、曇りの日に太陽の位置を確かめるためにアイオライトが使われた、ともいわれています。
アイオライトは見る向きによって透明に見えることから、海上の霧が晴れる様子に似ていると考えられ、航海のお守りに使われていた、と言う説もありますよ。
アイオライトの多色性が航海に活かされ、船乗りたちの道標になったのですね。
また、色合いや強い多色性という特徴が似ていることから、タンザナイトが発見された当初、アイオライトだと思われていたという話も伝わっています。
石言葉
アイオライトの石言葉は「自己同一性」だそうです。
自己同一性とは「自分は何者なのか」という概念のことです。「アイデンティティー」と同じような意味ですね。
アイオライトがもつ強い多色性がそのような言葉を連想させたのかもしれませんね。
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最後に
3月の誕生石は、アクアマリン、珊瑚、ブラッドストーン、アイオライトの4つが選ばれていることが分かりました。
それぞれ異なる雰囲気の宝石ですので、選ぶ楽しみがあるのではないでしょうか。
プレゼントとして選ぶ場合は、それぞれの石言葉から想いを込めて贈るのも素敵かと思います。
誕生石とともに素敵な人生を送れますように!
カラッツ編集部 監修