バラ色の石「インカローズ(ロードクロサイト)」の価格が高騰中な理由2つ

インカローズ

バラ色の石「インカローズ(ロードクロサイト)」の価格が高騰中な理由2つ

美しいバラ色をした宝石、インカローズ。
ロードクロサイトの別名とされていますが、実は見た目も少し違います。

インカローズとはどんな宝石?
ロードクロサイトとの違いとは?

さらに、最近価格が高騰しているって本当?

今回は、そんな希少価値が高まっている噂の宝石、インカローズとロードクロサイトについてお伝えしていきますね!

インカローズの特徴

インカローズ2

インカローズの性質

結晶系 三方晶系
化学組成 マンガンの炭酸塩
硬度 4
比重 3.60
屈折率 1.60-1.80
複屈折率 0.220
光沢 ガラス状~真珠状

ロードクロサイトとの違い

インカローズはバラの花びらのようなピンク色をしています。色の起因はマンガンによるもので、鉱物名は「ロードクロサイト」と呼ばれています。

ロードクロサイトの中でも縞状構造を持つものを特別に「インカローズ」と呼んでいるのです。

インカローズの歴史

ロードクロサイトが最初に発見されたのは、13世紀の南米アルゼンチンです。当時はインカ帝国の原住民が採掘を行っており、歴史あるこの地域の鉱山で採れるロードクロサイトを別名「インカローズ」と呼ぶようになりました。
(現在は縞模様のものだけをこう呼びます)

1813年にはルーマニアでロードクロサイトの原石が発見されます。1873年になって、書物で初めてこの石が「ロードクロサイト」と供述されました。

現在、ロードクロサイトは世界各地で産出されていますが、主要な産地はアメリカ合衆国です。※詳しくは後述します。

名前の由来

「ロードクロサイト」とは、ギリシャ語で《バラ色》という意味の言葉を由来とします。

ピンクと赤の縞状構造を見せる「インカローズ」は、南米アルゼンチンの古い鉱山で発見されたそうです。

アルゼンチンは、その昔インカ帝国が栄えた国です。そのことから、この特別なロードクロサイトは《インカ帝国のバラ》という意味の「インカローズ」と呼ばれるようになったのです。

石言葉

インカローズ(またはロードクロサイト)の石言葉は恋愛、情熱、名声、富です。

アルゼンチンの国石

インカローズを含むロードクロサイトは、アルゼンチンの国石に指定されています。

北米のコロラド州のスイートホーム鉱山では、赤みが強い大きなロードクロサイトの原石がいくつか発見されています。有名な「アルマ・キング」「アルマ・ローズ」「サーチ・ライト」など、この鉱山で発掘された原石は博物館に展示されており、コロラド州はロードクロサイトを州石に指定しています。

産地

前述したように、縞状構造を持つ「インカローズ」は、アルゼンチンの鉱山から産出されています。

縞状でない「ロードクロサイト」は、北米コロラド州のスイートホーム鉱山で高品質のものが産出されていましたが、現在は閉山しています。

他にもカナダ、メキシコ、ブラジル、ペルー、ドイツ、ルーマニア、フランス、スペイン、イギリス、北米カリフォルニア州、オレゴン州、ニュージャージー州などで産出されています。

価格が高騰している理由

インカローズ3
コロラド州のスイートホーム鉱山では、透明度が高く美しいピンク色を発色する、高品質で大きなロードクロサイトが産出されていました。
鉱山は閉山と再開を繰り返していましたが、採掘量が尽きたことからついに2004年に完全閉山されました。

コロラド産は縞模様のない「ロードクロサイト」ですが、通常は縞模様のインカローズよりも高い価値があります。
鉱山が閉鎖されたことによりさらにレアな存在になり、価格が高騰しているのです。

取り扱い上の注意

インカローズ4
インカローズ(ロードクロサイト)はモース硬度が4と大変低いため、取り扱いには注意が必要です。

他の宝石と一緒に保管したり、先端が鋭利なものに触れるとキズが付くことがあります。

紫外線や湿気にも弱く変色する恐れがあるので、保管するときは必ず湿気がなく暗い場所に、1石づつ箱に入れておきましょう。

まとめ

インカローズ5
まるでキャンディーのように鮮やかなピンク色をしたロードクロサイト。

インカローズと一般的に呼ばれていますが、実はアルゼンチン産の縞模様を呈するものだけに付けられた名前だったのですね。

独特の美しいピンク色を発色することと、最高品質のコロラド産が今は産出されないこと。これらの理由から、これからも価格の高騰が予想されています。
レア度もかなり高くなりそうですよ…!

カラッツ編集部 監修