ダイオプサイド(ダイオプサイト)というと、深いグリーンカラーのイメージが強い宝石かと思いますが、実はホワイト、ブルー、パープルなど意外と様々な色合いが存在します。
また、ダイオプサイドは変種が多く、様々な効果を見せてくれる宝石でもあります。
今回は、そんなダイオプサイドの特徴や変種の効果なども併せてお話ししたいと思います!
ダイオプサイドの特徴

ダイオプサイドは、鉱物名も同じくダイオプサイド(和名:透輝石)です。
ダイオプサイトと呼ばれることもありますね。
過去には「シェッフェル輝石」や「白シェッフェル輝石」、「亜鉛シェッフェル輝石」とも呼ばれていたそうです。
ダイオプサイドは、硬度は5-6であるものの、2方向に完全にへき開があるため、欠けやすい特徴があります。
ガラスのような光沢があり、美しい照りが楽しめる宝石です。
名前の意味
ダイオプサイド(ダイオプサイト)の名前の由来には、ギリシャ語の透明を意味する「diopsis」から由来して名付けられたという説と、二つやダブルを意味する「di」と見た目や外観を意味する「optis」の造語から由来したといわれる2つの説があります。
どちらも色に関する由来ですが、その理由はダイオプサイドには、角柱状の形にすると見る角度によって色が違って見える「多色性」があることから由来していると考えられています。
ダイオプサイドの色
深いグリーンのイメージが強いダイオプサイドですが、ホワイトやブルー、パープルにブラウン、クリア、グレーなど、意外と多くの色が存在します。
少し珍しい色に、イエローがかったブラウンや、グリーンがかったブラウンなどもあります。
どの色もガラスのような艶やかな光沢が楽しめるのも、ダイオプサイドの特徴です。
ダイオプサイドの産地
宝石質のダイオプサイドが産出されるのは、シベリア(ロシア)、ミャンマー(旧ビルマ)、インド、イタリア、スリランカ、ブラジル、マダガスカル、南アフリカ、パキスタン など
ダイオプサイドの変種
色が豊富なダイオプサイド(ダイオプサイト)ですが、色だけでなく様々な効果を見せてくれる変種も多く存在します。
順番にご紹介していきます!
クロムダイオプサイド

クロミウムを多く含み深緑色を発色する、ダイオプサイドの亜種です。
一般的なものと比べると、鮮やかなグリーンが特徴的で、「ロシアンエメラルド」の別名も持ちます。
ツァボライトやエメラルド、グリーンアベンチュリンとも似た色合いのものが産出されます。
希少性が高い宝石ですが、近年、ロシアで大鉱床が発見されたことから、徐々に流通し始めている宝石です。
ビオラン

マンガンを含み、青みがかったパープル系の発色がみられ、別名「バイオレーン」とも呼ばれるダイオプサイド。
イタリア語ですみれを意味する「Viola(ヴィオラ)」から名付けられています。
ダイオプサイド・キャッツアイ

主にグリーン~深いグリーンの地色で、猫の目のような光の筋をみせる、「キャッツアイ効果」のあるダイオプサイド。
針状結晶体のルチルを含有しているので、透明度は低く半透明な色合いで、ペンライトなどを当てると、一条の光の筋をみせます。
キャッツアイ効果が楽しめるよう、殆どのダイオプサイド・キャッツアイはカボションカットに研磨されます。
スターダイオプサイド

暗めの濃い褐色や、ブラックの地色が多い宝石で、ペンライトなどを当てるとシルバー系の色合いで、十字型に四条の星の光を放ちます。
ルビーやサファイアなどに現れるスター効果の多くは光の筋が六条で現れますが、スターダイオプサイドで見られるそれは四条が一般的。
十字スターという言葉はダイオプサイドから生まれたのだそうです。
そしてスター効果が楽しめるよう、ダイオプサイド・キャッツアイと同じく、多くはカボションカットに研磨されます。
ダイオプサイドの中でも比較的流通量の多い宝石な気がします。
最後に
意外と豊富なカラーが楽しめる宝石、ダイオプサイド。
色だけでなく、個性的な効果も楽しめることから、ラグジュアリーなジュエリーから、カジュアルなものにまで幅広く愛されている宝石です。
個人的には、透明度が高く艶やかなクロムダイオプサイドは希少石であることから、上品なジュエリーにあしらわれていると目を奪われます。
また、スターダイオプサイドはクールな印象を受けるので、メンズ向けのジュエリーにあしらわれているとイメージに合っていて魅力的に感じることが多いです。
ハードなシルバーアクセサリーに使われることも多いですね!
様々な魅力を見せてくれるダイオプサイドの中から、好みに合ったダイオプサイドと出会えますように♪
カラッツ編集部 監修