アメリカとカナダの国境にある五大湖のひとつ、スペリオル湖。
その岸辺に輝く新種の鉱石を発見!というニュースが飛び込んできたのは、まだ記憶に新しい2017年夏のことでした。
その石の名は「ユーパーライト」。
人気急上昇中だと噂されています。
「ユーパーライトってどんな宝石?」「どこでどうやって発見されたの?」
そんな疑問に答えるべく、ユーパーライトの人気の秘密に迫ります!
2017年アメリカのミシガン州で発見
場所は、アメリカ合衆国、ミシガン州のアッパー半島のルース郡とチッペワ郡にまたがるスペリオル湖。
世界第2位の広さを持つスペリオル湖は、淡水湖としては最大です。
そのスペリオル湖で、宝石商・鉱物商であるエリック・リンタマキ氏が、ユーパーライトを発見したのは、2017年夏のことでした。
早朝にブラックライト(紫外線ライト)を使って蛍光性の鉱物を探していた際、ひときわ明るく輝く小石を発見。
大きさ10セント硬貨ほどのその小石は、溶岩を手にしているようにオレンジ色に輝いていたそうです。
名前の由来は?
ミシガン州北西部を形成するアッパー半島は、北にスペリオル湖、南にミシガン湖とヒューロン湖という五大湖のうちの三つに囲まれています。
アッパー半島に住む人々の愛称「ユーパーズ(Yooperes)」から取って、「ユーパーライト(Yooperlite)」と名付けられました。
数ヶ月にわたり調査した結果、新種の石だということが判明し、「蛍光性ソーダ石含有閃長岩クラスト」という学術名称が与えられました。
ユーパーライトってどんな石?
ブラックライトを当てると発光するようにオレンジ色に輝くユーパーライト。
上の2枚の画像は同じ石ですが、ブラックライトを当てると、2枚目の画像の様に輝きます。
なぜ輝くのかというと、それはこの石がソーダライトを含んでいるからです。
ソーダライトを含む石と言えば、ラピスラズリもそうですね。
ユーパーライトを詳しく調べてみると、ミシガン州の土壌には本来存在しない鉱物であることがわかりました。
約11~12億年前に大陸中央部で分離活動が起き、地溝帯が出現。
その一部が氷河期の終わりに、解けた氷河により南岸に運ばれてきた可能性が高いとされています。
長い年月を経て現代に出現したユーパーライト。壮大なドラマを感じますね。
鉱石としての特徴
学術名称は、「蛍光性ソーダ石含有閃長岩クラスト」
花崗岩(かこうがん、石材としては御影石)に似た火成岩であり、最大の特徴は、蛍光性の方ソーダ石を含有していることです。
長波長のブラックライトを当てることによって、オレンジ色の模様が発光して現れます。
その光は、ハックマイト(ソーダライトの変種)にも似た強い光を放ちます。
人気の秘密は、発光石ツアーとグッズ販売
発見者のリンタマキ氏は、ユーパーライトを探す「発光石ツアー」を企画し、人気を集めています。
ツアーのシーズンは、5月中旬から雪が降る前の10月末。
365ナノメートルの紫外線を照射できるランプを片手に、宝探しをするというツアー。とても夢がありますね!
リンタマキ氏のサイト「Yooperlites」では、発光石ツアーの企画のほか、「ツアーに参加できないけど欲しい!」という人のために、加工したユーパーライトを販売しています。
世界中から注目を集めているという発光石ツアー。これももしかしたら人気の秘密かもしれませんね!
まとめ
近年発見された新しい宝石「ユーパーライト」についてお伝えしました。
現在、世界で最も注目される鉱物とも言われています。
このユーパーライト。ブレスレットやペンダント、指輪などのジュエリーに加工するほかにインテリアとしても親しまれているそうです。
部屋を暗くして、ユーパーライトにブラックライトを照らしその輝きを楽しむ。そんな夜のリラックスタイムもいいかもしれませんね♪
カラッツ編集部 監修