ダイアスポアとはどんな宝石?ズルタナイトとの違いとは?

ダイアスポア ルース

ダイアスポアは熱を加えると砕け散ったり、多色性や変色性などさまざまな性質をもつ鉱物です。

ズルタナイトという名の宝石がありますが、実はこの二つ、全く同じ鉱物だとご存知でしたでしょうか。

今回は、鉱物ダイアスポアの魅力や名前の意味、何故ズルタナイトと呼ばれるのかなど、色んな角度からダイアスポアのヒミツを探ってみたいと思います!

ダイアスポアとは?

ダイアスポア ルース

ダイアスポアはロシアのウラル山脈で発見され、1801年にフランスの鉱物学者によって命名されたといわれています。

モース硬度は6.5~7、ジュエリーとしても楽しめますが、取り扱いには注意した方が良いでしょう。

 鉱物としての基本情報

英名Diaspore
和名ダイアスポア
分類水酸化鉱物
結晶系斜方晶系
化学組成AlO(OH)
モース硬度6.5-7
比重3.3-3.5
屈折率1.68-1.75
光沢ガラス光沢

特徴

アルミニウムの水酸化鉱物であるダイアスポア。

原石はさまざまな形状で産出され、表面に多数の条線が見られます。

加熱すると水分を遊離しパチパチと弾けて砕け散ってしまう性質をもちます。

結晶は繊維状構造

見る方向によって異なる色を見せる多色性が強く、中には光源によって色が変わるカラーチェンジ効果をもつものもあります。

無色、白色、灰色、ピンク、黄色、淡紫色、淡褐色、帯緑色など。

前述したように、多色性が強いのもダイアスポアの特徴の一つです。

光を通すと、見る角度によって紫青色~アスパラガスに似た緑色~プラムのような濃い赤色と異なる色を見ることができるものもあるそうです。

光の中で色が変化する様は美しく、いつまでも飽きずに見ていられそうですね☆

産地

最も有名なのは、トルコ、他にもアメリカポーランドロシア、日本でも広く産出されるといわれ、広島県岡山県などが有名です。

ダイアスポアの原石の形

ダイアスポア 原石
原石は結晶片岩や大理石などの変成岩中に生成しますが、熱水変成岩、堆積岩、ポーキサイトの中にも含まれます。

エメリー(砂状のコランダム)やマンガナイト、スピネルを伴なって生成することもあるそうです。

結晶の形状は薄い板状細長い板状柱状針状小さな粒子状塊状など様々で、時には数cmの大きな単結晶が産出されることもあるようですが、多くは細かな結晶の集合体で産出されるといわれています。

結晶構造はアルミニウムイオンが6つの水酸イオンに囲まれた8面体が連なったものからなる、繊維状をしています。

そのため、表面には多数の細かい条線が入っています。

ダイアスポアの名前の意味

ダイアスポア ルース

特徴のところでもお話したように、ダイアスポアは高温加熱するとヒビが生じ、パチパチと音を立てて弾け散ってしまうという性質をもちます

このことから、ギリシャ語で散らばるという意味の「diaspora」から名付けられたといわれています。

カラーチェンジダイアスポア

カラーチェンジダイアスポア ルース

前述したように、ダイアスポアの中には、光源によって色が変わる変色性(カラーチェンジ効果)をもつものもあります。

自然光の下では緑色、キャンドルなどの燃焼光の下ではラズベリーに似た紫ピンク色に変わり、さらに、白熱灯の下ではかすかな赤味を帯びた色やシャンパン色へとカラーチェンジするものもあるといいます。

光源に照らすととても幻想的に色が変わりまるで別の宝石のように見える、カラーチェンジする宝石の魅力も尽きませんね。

カラーチェンジする宝石の魅力はこちらの記事も参考に☆

ズルタナイトとダイアスポアは違うの?

冒頭でお話したように、ズルタナイトとダイアスポアは同じ鉱物です。

何が違うかと言うと、ダイアスポアの中でも最高品質とされる透明なトルコ産の結晶にズルタナイトという商標を付けて販売している会社があるというのです。

つまり、ズルタナイトは商標登録されている名前のため誰でも勝手に使える訳ではなく、そのため、ダイアスポアとズルタナイトという二つの名前で流通しているということですね。

ちなみにズルタナイトの歴史を簡単に説明すると、かつて、トルコの鉱山の所有者Murat氏は、透明で高品質のダイアスポアを売り出すために特別な名前を付けたいと考えていたそうです。

そしてある時、オスマン帝国(かつてのトルコ)の皇帝「Sultan(ソルタン)」から着想を得た「Sultanite(ソルタナイト)」を思いつきます。

しかし、既に似たような名前の鉱物があったため、SをZに変えた「Zultanite(ズルタナイト)」と命名したということです。

しかし、商標登録したズルタナイトは後に所有権を求めて法的争いになり、現在は GLOBAL LICENSING N.V.が所有しているそうです。

所有権を失いズルタナイトという名を使用できなくなってしまった、Murat氏は新たな名前を考え、現在は「Csarite(ツァーライト)」として販売しているということです。

ダイアスポアの価値基準

カラーチェンジダイアスポア ルース

ダイアスポア自体はそれほど希少な鉱物ではありませんが、ズルタナイトと呼ばれているトルコ産は大きくて無色透明な宝石質として最高品質と評価されています。

「Csarite」もトルコでの産出が困難な状況になりつつあるため、今後カラットあたり約3000円~約2万円、5ct以上のサイズではカラットあたり約5万円~約10万円位になるだろうと予測されているようです。

最後に

ダイアスポア ルース

現在はズルタナイトやツァーライトの商標名で販売されることもあるダイアスポア。色々複雑な事情があることが分かりましたね。

ズルタナイトの方が宝石としての知名度は高い気がしますが、現在ではダイアスポアとして市場に出るものも多くなったように思います。

強い多色性をもち、カラーチェンジ効果をもつものもある、個性豊かなダイアスポア。

ブリリアントカットを施されると本当に美しい輝きを見せてくれるように思います。

コレクションやジュエリーとしての魅力にあふれた宝石の一つではないでしょうか。

この記事をきっかけに、興味をもって頂ける方が増えたら嬉しいです★

カラッツ編集部 監修