蛍光性も魅力的なアフガナイト。産地や意味、名前の由来は?

これぞコレクター向けの宝石。

レアストーン好きの方ならすでにご存じの方も多いかも知れません。

え?知らない?それならなおさら知って頂きたい!

今回ご紹介するのは、一般的にはあまり知られていない『アフガナイト』という宝石です。

とても希少で高額だといわれるアフガナイト。
1968年に発見されてから、ごくわずかの間にレアストーンとしての地位を築いた宝石でもあります。

一体どんな宝石なのでしょうか?
早速その魅力に迫ってみましょう。

アフガナイトとは

アフガナイト

アフガナイトは無色~青色を呈する宝石です。

青を発色する要因は硫黄成分で、色の濃さは淡い~濃いものまでさまざまです。

硫黄成分を含まない結晶は無色から白色になります。

産出量が少ない上に宝石品質のものは稀であること、さらに特別な性質を持つことから、大変高い価値が付けられている宝石です。

アフガナイトはどんな鉱物?

アフガナイト原石

アフガナイトは『カンクリナイト(灰霞石)』という鉱物のグループに属する『フェルドスパソイド(準長石)』の一種です。

結晶は、アルカリ溶岩が噴出した際に含まれる、炭酸性の変成岩の塊の中で生成します。

一般的にソーダライト(方ソーダ石)とともに産出します。
ソーダライトはラピスラズリを構成する鉱物の一つです。

アフガナイトの色

アフガナイトは透明または青色をしていますが、青い結晶の中には内部が透明や白、淡い黄色などをしている場合があります。

アフガナイトの性質

結晶系 六方晶系
化学組成 (Na,Ca,K)8(Si,Al)12O24(SO4,Cl,CO3)3・H2O
硬度 5.5-6.0
比重 2.55-2.65
屈折率 1.523-1.529
複屈折率 0.006
光沢 ガラス状

アフガナイトの特徴

アフガナイト(ブラックライト照射時)

良質のアフガナイトは産出量が少ないため、入手が難しいといわれる、謂わゆるレアストーンです。

特筆すべきは、アフガナイトが持つ特質。

アフガナイトが希少といわれる所以となった、その特別な性質を紐解いてみましょう。

完全なへき開ともろい性質

アフガナイトは、衝撃を加えると一定方向にスパッと割れる完全な『へき開』という性質を持ちます。

さらに硬度が低く、もろい性質をしていることから、カットは極めて困難であり、そのため美しいカットが施されたルースには高い価値が付けられています。

紫外線で蛍光する

アフガナイトは、紫外線長波を当てることで蛍光色を発するという特性を持ちます。

よって、ブラックライトを照射すると、たちまち写真のような美しいピンク色~オレンジ色に蛍光するのです。

アフガナイトの名前の由来と産地


アフガナイトは1968年にアフガニスタンのバダフシャーン地方サー・エ・サン鉱山という、ラピスラズリの産地で発見されました。

このことから、産地であるアフガニスタンを由来とする『アフガナイト』という名前が付けられました。

アフガナイトの産地

アフガナイトは、最初に発見されたアフガニスタンをはじめ、以下のような場所で産出されています。

●アフガニスタン…バダフシャーン地方サー・エ・サン鉱山

●イタリア…モンテ・ソーマ、トスカーナ地方のピチグラーノ

●シベリア…バイカル湖のツルチュイ

●カナダ…ニューファンドランド州バフィン島のハーバー湖

●米国…ニューヨーク州セントローレンスのエドワード鉱山

●マラヤ…ビストラヤ鉱区

●タジキスタン…パミール高原のリャジバルダル

アフガナイトの価値

アフガナイト

1968年に発見されたアフガナイトですが、市場に多く出回り始めたのは実は2000年代に入ってからといわれています。本当に最近のことなんですね。

しかしアフガナイトの産出量自体が極めて少ない上に、完全に透明な結晶ばかりではないため、内部がクリーンな宝石品質のものが採れるのは大変稀だといわれています。

また、結晶のサイズも小さめで、カットも困難

このような理由から宝石として扱われることはあまりなく、収集用にカットされる場合が多いようです。

しかもすべてのアフガナイトの結晶が蛍光性を見せるわけではありません

よって、ただでさえ希少なアフガナイトの中で、蛍光性を見せるものにはより高い価値が付けられるという訳です。

まとめ

アフガナイト

ジュエリーに加工されることが少ないことから、その名をあまり知られていないアフガナイト。

ですが、宝石好きにはたまらないレアストーンの一つで、コレクター心をくすぐる魅力を沢山もっています。

出会えるチャンスがあったら、ぜひ注目してみてくださいね。

カラッツ編集部 監修