宝石店のみならず、天然石のお店でも売られているアメジスト。
学生時代によくお店に飾られたドーム型の大きなアメジストの結晶を見て憧れていたものです。
そんな美しい宝石、私も大好きなアメジストについてご紹介していきたいと思います!
目次
パッとわかる!アメジストってどんな石?

ルースやジュエリーでもよく目にするアメジストですが、
私の中でアメジストといえば
灰色っぽいドーム状の石の中に
キラキラと光る紫色の石が沢山くっついてる

そう、コレ、コレこそがアメジストです!
もちろん実際はそれだけではないですが、私にとっては何といってもこのイメージが強いのです。
鉱物としては石英(クォーツ)です。
水晶やシトリン、ローズクォーツなどと同じ仲間ですね。
鉱物としての基本情報
鉱物名 | 石英(クォーツ) |
和名 | 紫水晶(むらさきすいしょう) |
結晶系 | 三方晶系 |
硬度 | 7 |
比重 | 2.65 |
屈折率 | 1.54-1.55 |
産地
ブラジル・ウルグアイ・シベリア・スペインなど
日本でも産出されるそうです!
パッと簡単に説明しましたが、いかがでしょうか。
何となくアメジストのことがお分かりいただけましたか?
ココからはもっと深い話に入りますね!
2月の誕生石はアメジストのみ!?

ご存じだったでしょうか?
2月の誕生石はなんとアメジストだけなんです!
正直誕生石はどの月も複数あるものだと思い込んでいた私。。驚きました!
でも実際には一つしか選定されていない月も幾つかあり、2月もその一つということです。
アメジストの石言葉は「誠実・心の平和」です。
直線的で仲良く皆で育っていくアメジストにピッタリの石言葉のような気がします。
なぜ紫色なの?アメジストの色のヒミツ

アメジストの神秘的で美しい紫色。
どうしてあんなにキレイな紫色をしていると思いますか?
実はアメジストの発色要因は微量の鉄が影響していると考えられているそうです。
つまり、水晶の中に鉄イオンが混ざると紫色のアメジストになるという訳です。
含まれる不純物の違いによって同じ鉱物でも色が変わることは鉱物学上多いようですが、クオーツの場合少し事情が違うようです。
例えば、モリオン(黒水晶)は、自然界にある放射線の影響で色が変わるといわれていたり、ローズクォーツはマンガンや鉄に由来するものもあれば微粒のチタンの内包物が集まってピンク色に見えるものもあるといわれています。
それにシトリンもアメジストと同じ鉄イオンが発色要因といわれていますが、シトリンの色は黄色。アメジストとは違いますよね。
このようにクオーツの発色要因は単に含まれる不純物の違いだけではないようです。
ちなみにアメジストとシトリン、実は深い関係があり、それは後程詳しくお話させていただきますね!
アメジストの知ってて嬉しくなるお話
名前の意味
その昔、アメジストを身につける事でお酒に酔わないと考えられていました。
アメジストはローマ神話で酒の神バッカスが作り出したとされていて、
語源はギリシア語で”酔わない”という意味の”amethystos”からきているといわれています。
もっと広い解釈で頭の回転が速くなると考えられていたという話もあるようです。
宝石として以外のアメジストの歴史
また昔はアメジストを粉末状にしたものはとても体に良いと考えられていたようです。
世界初の薬学書「神農本草経(しんのうほんそうけい)」
にも書かれているらしく、昔の人々は鉄分が入っている事を本能で感じ取っていたのかもしれませんね。
また、世界中で古くから高貴な色として扱われることが多かった紫色。
例えば日本最初の位階制度である、冠位十二階の中で最高位の人が身につける色だったり、古代中国では皇帝のみがつけられる色だったり、キリスト教の司祭が着る服にも紫色はありますよね。
そんな高貴な色をもつアメジストもまた古くから世界中で愛されてきたように感じます。
場所や時代が変わっても色んな魅力でアメジストは、多くの人を魅了し続けてきたのかもしれませんね!
退色しちゃう?!長時間の直射日光は避けて!

アメジストは紫外線に弱く、長時間当ててしまうと退色する恐れがあるといわれています。
日常使いする程度であれば問題ないようですが、直射日光にさらしてしまう場所に飾ったり、保管したりするのは避けた方が良いと思います。
紫外線から守りつつ、末永く可愛がってあげてくださいね!
アメジストの原石の形は2種類ある!
アメジストは産出される時の形が大きく分けて2種類あるといわれています。
1つ目は、不定形の、球状(ドーム状)となっている石の中で育つタイプ。
このタイプは外殻を割ると中から沢山の輝くアメジストを見ることができます!
上の画像のようにトゲトゲでしっかり外殻にくっついている形ですね。
天然石のお店などで目にしたことがある人も意外と多いのではないでしょうか。
とっても綺麗で、いつか大きいドーム状のアメジストを手に入れるのが私の子供のころからの夢です!
おうちに置いたら、それだけで素敵空間が完成しますね!
2つ目は岩の割れ目に入り込んだ鉱脈から成長したものです。
柱状になっていて、このタイプは色が明るいものが多いそうです!

成長する方法によって色の濃淡も異なるなんて興味深いですね!
保管方法はどうすればいいの?

アメジストはモース硬度7の石です。
決して柔らかい方ではありませんが、アメジストよりも高い硬度の宝石や鋼やガラス質のものにぶつけたりすると傷がつく恐れがあります。
保管するときは個別に仕切られたものや袋に入れるなど他のものとぶつからないようにした方が良いでしょう。
気になるお手入れ方法は?

使用後は、汗や化粧品などがついている可能性もあるので、乾いた柔らかい布で優しく拭いてあげてからしまうようにしましょう。
それで落ちない汚れがもしあれば、ぬるま湯につけ、やわらかい歯ブラシのようなもので丁寧に磨いてください。
最後にしっかりと水気を拭き取るのも忘れないようにして下さいね。
アメジストは急な温度変化に弱いため、熱湯などは使わないようにしてください。
さらに、蒸気洗浄もアメジストに熱を与えてしまうことになるので避けたほうが安全です。
火元にも近づけすぎない方が良いでしょう。
アメジストとシトリンの深い関係

実はアメジストは熱を加えると色が変わりシトリンという別の宝石に変化するという特徴があります。
自然界の中でマグマの熱などを受けて紫色のアメジストが黄色のシトリンに変化するのではないかと考えられているのです。
そして、加熱後のシトリンの色の濃淡は熱が加わる前のアメジストの色に左右されるといいます。
元々どんな色のアメジストだったかと思いを馳せるのも素敵ですね。
また、天然のシトリンはとても珍しく、現在シトリンとして市場に出回っているもののほとんどはアメジストを人工的に加熱したものだといわれています。
ちなみに、太陽のような美しい色をしているシトリンは「幸福の石」とも呼ばれているそうです。
手のひらにコロンと乗せてながめていると穏やかで幸せな気分になれますよ!
アメジスト+シトリン=アメトリン?

前述したように、とても深い関係をもったアメジストとシトリンですが、中にはその二つが一つの石の中に同居していることもあるんです!
それがアメトリンです!
地下で時を同じくして育ち、一つの結晶の中に紫色と黄色が両方入っているという何とも神秘的かつ可愛らしい印象をもつ宝石です。
これは鉄イオンの状態の違いで色がそれぞれ別のものになっているわけですね。
アメジストとシトリンの名前をかけ合わせた造語だそうですが、分かりやすくて個人的には好きなネーミングです!
アメジストの変種 ファントムアメジスト

アメジストには変わった特徴をもつものも幾つかあります。その中の一つがファントムアメジストです。
これはアメジストに限らず無色のロッククリスタル(水晶)を始めとした他のクォーツにも起こる現象で、全般的にファントムクォーツと呼ばれています。
ファントムクォーツが形成される要因は2タイプあると考えられており、一つは成長過程でそのクォーツを取り巻く環境が少しずつ変わり層を形成するタイプ。
もうひとつは、環境が変わることによって成長が止まったり再開したりを繰り返し、止まっている間に不純物などが入り込みその結果層を成すタイプです。
どちらもアメジストの成長過程が伺えてとても楽しいですね!
結局どんなアメジストが価値が高いの?

正直、とても気になるお話ですよね。
アメジストの場合、透明度が高く、色の濃いものほど価値が高いとされています。
また色むらが少ないものも評価が高くなるといわれているそうです。
しかしこれはあくまでも個人的な意見なのですが、価値の高さは気になるものの、それとは関係なく自分の石はとっても可愛いものです。
それぞれの石に個性があり、縁あって自分の手元にきたと思うと価値以上の魅力も色々見えてきます。
市場価値だけにとらわれず、自分の子を末永く愛でてあげられたら良いなと思います。
最後に!

今回紹介したアメジスト、いかがだったでしょうか。
大事にお手入れをして、身につけたり飾ったりすることでアメジストに対する愛情がどんどん大きくなります。
そのうち自分のアメジストが可愛くてしょうがなくなると思います!
たくさん可愛がってあげてくださいね!
カラッツ編集部 監修