ブルーサイトはどんな宝石?実は身近な鉱物って本当?

ブルーサイト

ブルーサイト」という名前を聞いて、最初私はブルーの鉱物を想像してしまいました。

が、実際色と名前は関係なく、様々な色合いをもちます。

宝石として出回ることは少ないとされますが、工業用に使われたりと、意外と私達の身近にある鉱物ブルーサイト。

今回はそんなブルーサイトについて、特徴名前の意味原石の形など詳しく見ていきたいと思います!

ブルーサイト(水滑石)とは?

ブルーサイト 原石

マグネシウムの水酸化鉱物であるブルーサイト。

冒頭でも触れたように、宝石としてより工業用の資源鉱物として出回ることが多いとされます。

鉱物としての基本情報

英名 Brucite(ブルーサイト)
和名 水滑石(すいかっせき)
鉱物名 ブルーサイト
分類 水酸化鉱物
結晶系 六方晶系/三方晶系
化学組成 Mg(OH)2
モース硬度 2.5
比重 2.39 – 2.40
屈折率 1.56 – 1.60
光沢 蝋状〜ガラス光沢、真珠光沢

特徴

ブルーサイトは、モース硬度が2.5と低い上に、一方向に劈開があり薄く剥がれるという特徴をもちます。

加工がしにくいため、ファセットカットが施されることは少なく、市場であまり見かけない宝石です。

滑石雲母見た目が似ており、一見見間違うこともあるようですが、性質が異なるため判別は可能です。

例えば、雲母との違いは、ブルーサイトは弾性がなく塑性変形するという特徴があることです。

また、熱すると電気を帯びる焦電気性をもち、酸に溶けやすいということも特徴の一つです。

主にホワイト。他に淡緑色グレーブルーなどを呈することがあります。

マグネシウムの一部がマンガンに置き換わると、イエローレッド発色すると考えられています。

紫外線を当てる青白く蛍光するものもあります。

産地

カナダアメリカオーストリアイングランドロシアなど広域で産出されます。

透明で美しい結晶が多く産するのは、ロシアウラル山脈アメリカペンシルベニア州だといわれています。

日本でも京都府岩手県見つかったことがあるそうです。

名前の意味

ブルーサイトは1824年アーチボルト・ブルースというアメリカの鉱物学者にちなんで名付けられたといわれています。

ブルーサイトという名前は色からではなく、人名からきていたのですね!

ブルーサイト(水滑石)の原石の形

ブルーサイト 原石2

ブルーサイトは、片岩などの変成岩低温熱水脈中大理石緑泥石片岩の中で形成されるといいます。

結晶は、板状結晶塊状葉片状繊維状が多く、まれに、粒状で産出されることもあります。

カルサイト(方解石)、アラゴナイト(霰石)、タルク(滑石)などと一緒に見つかることもあるようです。

ブルーサイトの仲間

ブルーサイトの変種にネマライト(Nemalite)という鉱物があります。

ネマライトは、細い線がいくつも重なったような繊維状木片状の結晶を作るという特徴があります。

滑石(タルク)との関係

タルク

画像:タルク

和名を水滑石というブルーサイトとよく似た名前をもつ、滑石(タルク)という鉱物があります。

しかしこの2つ、名前は似ていますが鉱物としての関係は特にないそうです。

ブルーサイトがマグネシウムの水酸化鉱物であるのに対し、滑石はマグネシウムの水酸化珪酸塩鉱物

いずれもマグネシウムを主成分とする部分は同じで、見た目も似ていますが、ブルーサイトが希塩酸に溶けるのに対し、滑石は溶けないため、区別は難しくないそうです。

資源鉱物としてのブルーサイト

ブルーサイトは、宝石としては多く出回っていませんが、産出量自体が少ない訳ではなく、工業用に利用されることは多いといいます。

例えば、医療用酸化マグネシウムの主原料としてや融点が高いという特徴を生かし陶芸の窯に使用されることもあるそうです。

実は私たちの身近にある鉱物なのですね。

ブルーサイト(水滑石)を買うなら?

ブルーサイト2

有色のブルーサイトは、色が鮮やか透明度が高いほど、価値が上がります。

前述したように、宝石品質のものが少なく脆い性質からカットが施されることも少ないため、カットが美しいもの、カラットが大きいものも高く評価されます。

しかしながら、取り扱い店舗は少なく、レアストーンの取り扱いが多いオンラインショップやミネラルショーなどで稀に見かける程度です。

カラッツSTOREでも取り扱うことがありますので、良かったらチェックしてみて下さいね。

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最後に

ブルーサイト3

いかがでしたでしょうか。

硬度が低いため宝石としての用途は難しいですが、艶やかな光沢が魅力的なブルーサイト。

もし出会うことがあったらぜひ注目してみて下さいね。

カラッツ編集部 監修

<この記事の主な参考書籍・参考サイト>
◆『宝石と鉱物の大図鑑 地球が生んだ自然の宝物』
 監修:スミソニアン協会/日本語版監修:諏訪恭一、宮脇律郎/発行:日東書院
『ネイチャーガイド・シリーズ 岩石と鉱物』
 著者:ロナルド・ルイス・ボネウィッツ 訳:伊藤伸子/発行:科学同人
◆『岩石と宝石の大図鑑』
 監修:ジェフリー・E・ポスト博士/著者:ロナルド・ルイス・ボネウィッツ 訳:青木正博/発行:誠文堂新光社
『鉱物・宝石のすべてがわかる本』
 監修:下林典正 石橋隆/発行:ナツメ社
『楽しい鉱物図鑑2』
 著者:堀秀道/発行:草思社 ほか

▽参考書籍・参考サイト一覧▽

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初めまして!ジュエリーをこよなく愛しているアラフォー主婦です。 アメリカでジュエリーの勉強・資格取得後、14年間ジュエリー小売業にて勤務しておりました。今でもジュエリーへの熱い気持ちは変わっておりません。どうぞよろしくお願いいたします。