シャインマスカット、黄玉、白峰…あなたの好きなぶどうはどれ?
私のお気に入りは、もちろん「プレーナイト」です!
え?何それ?新種のぶどう?
なんて、冗談です(笑)
「プレーナイト」とは宝石です。
和名でぶどう石と呼ばれている、本当にぶどうみたいな形をした宝石なのですよ。
今回は、フルーティなイメージをもつ宝石「プレーナイト」についてのお話をお伝えしていきますね。
プレーナイト(プレナイト)とは
プレーナイト(プレナイト)は通常オイリーな黄色から緑色をした宝石です。
半透明な結晶が多く、色によってはカボションカットにするとキャッツアイ効果を見せるものもあります。
プレーナイトの性質
結晶系 | 斜方晶系 |
化学組成 | カルシウム・アルミニウム・水酸・珪塩酸 |
硬度 | 6 |
比重 | 2.87 |
屈折率 | 1.61-1.64 |
複屈折 | 0.020-0.033 |
光沢 | ガラス状 |
原石の特徴
プレーナイトは結晶状で産出されます。
しかしその結晶は、円柱状といった一般的によくある形とは少し異なるのが特徴です。
ほとんどの結晶が樽型結晶が集まったような形や、ぶどうの房のような塊として生成します。
その場合、放射状に伸びた繊維状の塊状結晶で発見されることが多いそうです。
ぶどうの房のような塊として産出されることが多いことから、「ぶどう石」という和名をもつといわれています。
色
プレーナイトはオイリーな黄色から緑色をしたものが主です。
他にも褐色、無色、白色なども発見されています。
プレーナイトの名前がもつ意味
プレーナイトのことが最初に記述されたのは1788年でした。
南アフリカの東ケープ州クラドック地方で発見されたといわれています。
当時、その辺りはオランダの植民地で、この石の存在を最初にヨーロッパに知らせたのが、初期の総督を務めたヘンドリック・フォン・プレーン大佐でした。
ヨーロッパに持ち帰られ、A.Gウェルナーによって新種の鉱物と解明されたこの石はプレーン大佐に敬意を表して、「プレーナイト」と名付けられたといわれています。
人名から名前が付けられた最初の鉱物ではないかという説もあるみたいです。
前述したとおり、結晶がブドウ状に産することから、和名では「ぶどう石」と呼ばれています。
確かにプレーナイトはマスカットのような緑色が一般的なため、房状の結晶はぶどうの房のように見えますよね。
プレーナイトの産地
プレーナイトは玄武岩質である火山岩の割れ目や、貫入火成岩や変成岩中に生成します。
主な産地は下記のとおりです。
オーストラリア
オーストラリアは、プレーナイトの主要な産出国の一つです。
ダークな緑色や緑色を帯びた褐色のものが多く産出されるといわれています。
オーストラリア北部に位置するノーザンテリトリー州の中心地ウエーブ・ヒル・ステーションは、玄武岩台地に囲まれています。
この土地ではジェムクオリティのプレーナイトが発見されることもあるそうです。
スコットランド
淡い緑色をしたものが塊状で産出されることが多いといわれています。
フランス
結晶が集まった形で産出されることが多いといわれています。
カナダ
ケベック地方のアスベスト村近くにあるジェフリー鉱山では、一般的な塊状ではなく、正方形のような断面を見せる個別の結晶が見つかったことがあるそうです。
南アフリカ
カラハリマンガン鉱床では、2000年に珍しいオレンジ色のプレーナイトが発見されたといわれています。
お手入れと保管の仕方
プレーナイトはモース硬度が6とあまり硬くないため、取り扱いには十分注意が必要です。
特にプレーナイトよりもモース硬度の高い宝石と一緒に保管すると、傷が付く恐れがあります。
保管する時には個別の箱や袋に入れた方が良いでしょう。
また、使用した後やクリーニングをした後には、汚れや水分をしっかりと拭き取ることも忘れずに。
最後に
まるでぶどうの果実のような印象のプレーナイト。
心に安らぎを与えてくれそうな優しい色合いに、ついつい惹かれてしまいます。
一般的に多く出回っているような宝石ではありませんが、目にする機会があればぜひお手に取ってみてくださいね。
カラッツ編集部 監修