2021年12月20日、ついに、全国宝石卸商協同組合より、63年ぶりに日本の誕生石が改訂されると発表がありましたね!
新たに10石が加わり、計29石となりました!
ご自身の誕生石と聞くと、今まで大きく意識していなかったのに何となく気になってくるという方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回新たに日本の誕生石に追加された10石について、徹底解説したいと思います!
既に知っている方も今まで聞いたこともなかったという方もぜひ参考にしてみて下さい!!
目次
2021年12月の改訂で追加された宝石とは
今回の改訂により、統一された日本の誕生石は下記のようになりました。赤文字の部分が今回新たに加わったとされる宝石です。
誕生月 | 宝石名 |
1月 | ガーネット |
2月 | アメジスト、クリソベリルキャッツアイ |
3月 | アクアマリン、珊瑚(サンゴ)、ブラッドストーン、アイオライト |
4月 | ダイヤモンド、モルガナイト |
5月 | エメラルド、翡翠(ヒスイ) |
6月 | 真珠、ムーンストーン、アレキサンドライト |
7月 | ルビー、スフェーン |
8月 | ペリドット、サードオニキス、スピネル |
9月 | サファイア、クンツァイト |
10月 | オパール、トルマリン |
11月 | トパーズ、シトリン |
12月 | ターコイズ、ラピスラズリ、タンザナイト、ジルコン |
今回改訂に至った理由として、全国宝石卸商共同組合の発表を要約すると
①国内で様々な誕生石リストが混在し、消費者の混乱を招きやすい状況になっており、業界として統一を図る必要性を感じたこと
②新型コロナウィルスで痛手を被ったジュエリー業界において、誕生石改訂により消費者の選択の幅が広がり、宝石への関心が高まれば、という願いを込めて
ということのようです。
比較的知名度が高いものからコレクター人気が強いものまでバラエティに富んでおり、個人的にはとても面白いラインナップだと思いました!
では、今回追加された新誕生石について詳しくご紹介していきましょう☆
2月の新しい誕生石 クリソベリルキャッツアイ
クリソベリルキャッツアイは、鉱物クリソベリルの変種の一つで、カボションカットに磨かれたものに上から光を当てると真ん中に猫の目のような一筋の光を現す宝石です。
この現象(光学効果)のことをキャッツアイ効果またはシャトヤンシーと呼びます。
キャッツアイ宝石は他にも多く見られ、例えばエメラルドやアクアマリン、オパール、トルマリン、トパーズなどの有名宝石の中にも数多く存在します。
数多くあるキャッツアイ宝石の中で、最も知名度が高く、人気も高いのがクリソベリルキャッツアイ。
ただのキャッツアイと表記されることもあると聞きますが、購入される場合は、念のためお店の人に確認することをオススメします。
クリソベリルキャッツアイの中で最も価値が高いとされるのはミルクアンドハニーといわれる、猫目ラインを境に半分が蜂蜜色、半分がミルクに似た乳白色のような色合いに分かれているものです。
飼い猫の目の色に似ているということで買われる方も多いと聞きますので、猫好きは注目せずにはいられない宝石なのかもしれませんね。
同じ鉱物クリソベリルにはアレキサンドライトもあり、キャッツアイ効果をもつアレキサンドライトキャッツアイも存在します。
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3月の新しい誕生石 ブラッドストーン
不透明な濃いグリーンの地に赤い斑点をもつ宝石、ブラッドストーン。
多結晶のクォーツである、ジャスパーの一種です。
ヘリオトロープと呼ばれることもありますが、これはギリシャ語で太陽を意味する「helio」と方角(回転させる)を意味する「tropos(trepein)」に由来して名付けられたといわれています。
古代より、大地と血を象徴するような、その印象的な見た目から特別視されることも多かったようで、各地に多くの逸話が残ります。
例えば、古代ギリシャではブラッドストーンには健康を維持する力があると信じられていたり、キリストの血が滴り落ちて出来上がったと信じられ、キリスト教において、神聖な石として崇められていたなど。
その他、止血剤や炎症性疾患の治療薬に用いられていたなどという記録も残ります。
和名は血石(けっせき)。
赤い斑点がないグリーンのジャスパーをプラズマ、地色がイエローやオレンジなどのものをファンシーブラッドストーン、赤い斑点が目玉のようになっているものをアイ・ストーン(天眼石)と呼ぶこともあるようです。
3月の新しい誕生石 アイオライト
和名で菫青石と呼ばれるアイオライトは、漢字のとおり、菫(スミレ)色をした宝石です。
英名のアイオライトもギリシャ語のion(スミレ色)とlithos(石)に由来しているといわれています。
見る角度によって色が変わって見える多色性が強いことで有名で、角度によってイエローやグレーなどに見えるものもあります。
モース硬度はそれ程低くないのですが、特定方向からの衝撃に弱い性質(劈開)をもつため強くぶつけたり擦ったりしないよう注意が必要です。
最近コレクターの間で人気が上昇しているアイオライトサンストーンという宝石があります。
宝石の中には、アベンチュレッセンスと呼ばれる、光を当てると中に含まれる内包物がキラキラ光るという現象を起こすものがあります。
アイオライトサンストーンはこのアベンチュレッセンスをもつアイオライトのことです。
アベンチュリンアイオライトと呼ばれることもあります。
ペンライトを当てるとキラキラ光る様が夜空に浮かぶ星のようにも流星のようにも見えて何とも美しい宝石です。
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4月の新しい誕生石 モルガナイト
鉱物ベリルの変種の一つであるモルガナイト。
ベリルは色によって名前が異なり、ピンク色のベリルのことをモルガナイトと呼びます。
ちなみに、グリーンはエメラルド、ブルーはアクアマリン、レッドはレッドベリルと呼ばれます。
モルガナイトのピンク色のヒミツは微量のマンガンが含まれることが影響していると考えられています。
オレンジ寄りのピンク、パステルピンク、ラベンダーなど色幅がありますので、お好みの色を探すのも楽しいと思います。
1910年、モルガン財閥の創始者で宝石コレクターでもあったジョン・モルガン氏に敬意を表して、ティファニー社によって名付けられたといわれています。
ピンクベリルやローズベリルと呼ばれていたこともあったそうですよ。
ベリルの中では比較的大粒のものが産出されやすく個性的なカットが施されることもあるため、カット別に集めても楽しいと思います。
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6月の新しい誕生石 アレキサンドライト
宝石の中には光源によって色が変わる変色効果をもつものも多くあります。
その代表格がアレキサンドライト。
そのため、変色効果をもつ宝石をアレキタイプ◯◯◯◯(◯にはそれぞれの宝石名が入ります)と呼ぶこともあります。
アレキサンドライトは、太陽光や蛍光灯の下ではグリーン~ブルーグリーンに、ロウソクや白熱灯の下では、パープル~レッドパープルに見えるものが多いとされます。
アレキサンドライトは鉱物クリソベリルの変種の一つで、変色効果をもつクリソベリルのことを指します。
クリソベリルの中で最も価値も人気も高いとされる種類です。
希少性が高く大粒なものが採れにくいことから、クォリティの高いものは高額になりやすいです。
しかしながら、モース硬度も靭性も高く日常的なジュエリーとしても楽しみやすい宝石ですので、いつか手に入れたいと憧れる方も多いのではないかと思います。
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7月の新しい誕生石 スフェーン
ダイヤモンドよりも高い分散率をもつスフェーン。
強い分散光(ファイア)が魅力でコレクター人気の高い宝石の一つです。
光の中でギラギラと輝く姿に思わず虜になってしまう方も多いと聞きます。
強い多色性をもつため、角度によって色が変わって見えます。
光に当てた時、ファイアと多色性が同時に見えることがあり、何ともたまらない美しさがあります。
スフェーンは、結晶が三角のくさび形をしていることから、ギリシャ語の「sphenos(くさび)」という言葉に由来して名付けられたといわれています。
チタナイト呼ばれることもありますね。
脆い性質をもちカットが難しいことからジュエリー加工されることは少なめですが、見かけることはありますので、興味のある方は探してみると良いと思います。
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8月の新しい誕生石 スピネル
スピネルは長い間サファイアやルビーなどと間違われていたという歴史をもつ宝石です。
イギリス王室が所有している王冠に埋め込まれた黒太子のルビーと呼ばれる宝石が実はレッドスピネルだったという逸話が特に有名です。
スピネルは、ダイヤモンドと同じ正八面体の結晶で産出されることも多く、このことから、ラテン語の「Spina(トゲ)」やギリシア語の「Spitha(火花)」に由来して名付けられたといわれています。
原石はコロンとしたフォルムのものも多く、コレクター人気も高いですね。
人気や価値が高い色合いはレッドやブルーですが、スピネルはカラーバリエーションが豊富な宝石で、ピンク、オレンジ、グリーン、パープル、グレー、ブラックなど様々な色合いのものが存在します。
しかしながら、イエローのスピネルは殆ど見られないそうです。
モース硬度が7.5~8と比較的高い方ですので、日常的なジュエリーとしても楽しめます。
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9月の新しい誕生石 クンツァイト
ライラックピンクの色合いが美しいクンツァイト。
鉱物スポジュメンの変種の一つで、マンガンを含有しピンク色を呈するスポジュメンをクンツァイトと呼びます。
スポジュメンには他にもグリーンのヒデナイト、イエロー系のトリフェーンなどがあります。
クンツァイトは特定方向からの衝撃に弱い劈開(へきかい)という性質を2方向にもつことから脆く、カットが比較的困難な宝石といわれています。
最近では、ジュエリーとして販売されているものも見かけるようになりましたが、身に着ける場合は、強い衝撃を与えないよう気を付けてあげて下さいね。
また、紫外線などに長時間当てると退色する恐れがあるといわれています。直射日光が当たる状態で放置したり保管したりしないよう注意して下さい。
色が濃く鮮やかなものほど価値が高く、更にパープル味が強い程評価が上がります。
大きい結晶が比較的採れやすいため、サイズが大きいものを探すことも難しくないと思います。
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12月の新しい誕生石 タンザナイト
魅惑的なブルー~バイオレットの色合いをもつ宝石、タンザナイト。
鉱物ゾイサイトの変種の一つです。
かつてゾイサイトは、宝石品質と呼ばれるような良質のものが採れず、あまり注目されていなかったといいます。
それが、ある時タンザニアで良質で美しいブルー~バイオレットを呈するものが発見されます。
それに注目した当時ティファニーの社長であったヘンリ・B・プラット氏によってタンザナイトと名付けられ大々的に販売されたことにより、一気に人気が高まったといわれています。
コマーシャルネーム(流通名)だったタンザナイトという名前も、現在では宝石名として鑑別書に記載する鑑別機関が増えています。
見る角度によって色が変わって見える強い多色性をもつことも魅力の一つで、濃いブルーとパープルが一石の中に見られるものもあります。
個人的には、原石の方がより多色性が楽しみやすいのではないかと思っています。
モース硬度が6 – 7と高い方ではないのに加え、特定方向からの衝撃に弱い劈開という性質があるため、ジュエリーとして身につける場合は特に、強くぶつけたりしないように注意が必要です。
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12月の新しい誕生石 ジルコン
人造石キュービックジルコニアと名前が似ていることから勘違いされることも多いと聞きますが、実はジルコンは地球上で最初に形成された鉱物だと考えられているれっきとした天然宝石です。
古くから採掘されていたという、長い歴史ももちます。
ダイヤモンドに似た輝きを放つことから、かつてカラーレスのジルコンがダイヤモンドの代替石に使われていたこともあるそうですが、その独特の輝きは代替石として扱われるには勿体ない程、魅力的です。
光の中でキラキラと色々な表情を見せてくれるその煌めきはいつまでも見ていられるような美しさがあります。
カラーバリエーションも豊富な宝石で、ブルー、オレンジ、レッド、ピンク、イエロー、グリーン、褐色など様々な色を呈します。
一石の中に二色を呈するバイカラージルコンも素敵ですよ。
中でも人気が高いのは、ブルージルコンです。
ブルージルコンの殆どは一般的に加熱処理が施されているといわれています。褐色系のジルコンを800℃で加熱するとブルーに変わるのだそうです。
カンボジアで産出されるものが有名ですね。
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最後に
いかがでしたでしょうか。
近年ますますオンラインショップなどが増え、昔に比べて多くの宝石を気軽に手に入れられる時代になりました。
誕生石が追加されることで、選択の幅が広がることは嬉しいことでもあります。
これをきっかけに宝石に興味をもつ方が増えたら、個人的にはとてもうれしく思います☆
カラッツ編集部 監修