モルガナイトはピンクのベリル!

モルガナイト

ベリルというとエメラルドやアクアマリンが有名な鉱物ですが、ピンクカラーのベリルも存在します。

モルガナイトと呼ばれるそのピンクの宝石は、同じピンクでもラベンダーや赤紫、アプリコットやパステルピンク多彩なのも特徴です。

今回は、そんなピンクが魅力の宝石、モルガナイトの特徴や魅力をお話ししたいと思います!

モルガナイトの特徴

愛らしいピンクが魅力のモルガナイト。

鉱物名はベリル(和名:緑柱石/りょくちゅうせき)で、エメラルドやアクアマリン、レッドベリルやイエローベリルなどと同じ鉱物種です。

微量のマンガンが結晶に入るとピンクカラーを発色し、薄いオレンジ、アプリコットがのぞくピンクやパステルピンク、赤紫やラベンダーと多彩なピンクカラーを見せてくれます。

モルガナイトはもともと、ピンクベリルやローズベリルと呼ばれていました。

しかし1910年、ティファニー社がアメリカ5大財閥の1つであるモルガン財閥の創始者でありながら宝石コレクターでもあった、ジョン・ピアポント・モルガン氏に敬意を表して、モルガナイトと名付けたといわれています。

ベリルの中でも比較的大粒のものが産出しやすいことから、個性的なカットが施されることも多く、それがモルガナイトの魅力の一つにもなっています。

産地

ブラジルが主な産出国で、続いてアフガニスタン、ナミビア、ロシア、マダガスカル、アメリカなどでも産出されるといわれています。

なおモルガナイトは産地鑑別のできない石です。

価値

モルガナイトは元々内包物が少なく、透明度が高いものが産出しやすい宝石ですが、良質とされるものの中でも、透明度が高く、彩度の高い濃いめの美しいピンクカラーのものは、高く評価されます。

美しいとされるピンクの色合いは、茶色がかったりオレンジがかったものより、純粋なピンクや少し青みがかったピンクで、人気も高いですね。

最上級といわれる濃い色は比較的大きいルースであることが多いですが、宝石品質で条件のそろうものは希少だといわれています。

人工処理の有無について

透明度が高く、ピンクカラーの美しいものが評価されるモルガナイトは、主に放射線による照射処理を行いピンクカラーを調節したものが多いと聞きます。

照射処理を行うことで、ピンクの中に混じるオレンジやイエローの色が排除され、純粋なピンクが主張するように変化するそうです。

モルガナイトは処理の有無が科学的に証明できないものも多いため、鑑別書には「通常、照射処理が行われています」と記載されます。

照射処理の有無によって価値が変わることはないとされている宝石です。

選び方のポイント

モルガナイト

様々な色合いのピンクカラーが存在するモルガナイトですが、中でもピンクやローズのものに人気が集中しているように思います。

愛らしい雰囲気とファッショナブルな魅力を感じさせてくれますよね。

また比較的大粒で産出されるモルガナイトは、ユニークなカットが施されることも多いため、他の宝石にはない、個性的なカットを選ぶのもおすすめです。

モルガナイトとペツォッタイトの見分け方

モルガナイトと同じくピンクカラーをもつ、ペツォッタイト(画像右 参照)という宝石があります。

かつてはベリルの変種と考えられていましたが、2003年以降に新しい鉱物として認証されました。

ペツォッタイトはセシウムを多く含みモルガナイトよりも赤みが強いピンクのものが多い印象ですが、中にはよく似た色合いのものも存在します。

この二つの大きな違いは何か、というと、一番は透明度です。

モルガナイトは透明度が高い宝石ですが、ペツォッタイトは白っぽいインクルージョンが多く、比較的透明度の低い宝石です。

なので、モルガナイトとペツォッタイトを見分けたい時は、一つの基準としてインクルージョンの有無や透明度を確認してみると良いかもしれません。

※但し、中にはよく似たものもあり、それだけで完璧に判断できる訳ではありませんので、きちんと知りたい場合はやはり鑑別機関に依頼するようにしましょう。

最後に

モルガナイト

優しく愛らしい、ピンクカラーが魅力的なモルガナイト。

ベリル種ですからモース硬度は7.5 – 8.0あり、リングやネックレスにもピッタリで、デイリーユースにも適した宝石です。

透明度も高く大粒が手に入りやすいので、モルガナイト特有の多彩なピンクカラーを存分に味わえるのも魅力的ですね!

ピンクの宝石を探されているなら、モルガナイトも候補に入れてみるのはいかがでしょうか?

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カラッツ編集部 監修