アンダリュサイトは多色性の王様?特徴、産地、原石の形、価値基準など

アンダリュサイト ルース

見る角度によってさまざまな色を見せてくれ、多色性の王様といわれるアンダリュサイト。

その強い多色性からなる色の変化はずっと見ていても飽きない美しさがあります。

日本ではまだそれほど一般的には知られていないかもしれませんが、コレクターを中心に人気が高まっている宝石の一つではないかと思います。

今回はそんな、アンダリュサイトの特徴多色性の魅力施される処理偽物の存在価値基準などについてお話ししたいと思います!

アンダリュサイトとは

アンダリュサイト ルース2

見る角度によって異なる色が見える性質、多色性

多色性をもつ宝石は実は多いそうですが、石によって強弱があるといい、アンダリュサイトは強い多色性をもつ代表的な宝石といえます。

他にはタンザナイトアイオライトなどが強い多色性をもつことで有名ですね。

褐色系の色合いが穏やかな印象を与えますが、見る角度によって色が変わる様はずっと見ていたくなるような不思議な魅力があります。

では順番に、詳しく説明していきましょう。

鉱物としての基本情報

英名Andalusite(アンダリュサイト)
和名紅柱石 (こうちゅうせき)
分類珪酸塩鉱物
結晶系斜方晶系
化学組成Al2SiO5
モース硬度6.5 – 7.5
比重3.13 – 3.20
屈折率1.63 – 1.65
光沢ガラス光沢

アンダリュサイトの特徴

アンダルサイトと呼ばれることもあるアンダリュサイト。

日本ではまだそれほど知られていない希少石の一つですが、実は鉱物としての産出量が少ない訳ではないそうです。

では何故希少石として扱われるのかというと、アンダリュサイトには内包物が多いという特徴があり、透明度の高い宝石品質のものとなると産出量が減るため、希少石として扱われるということなのだそうですよ。

しかしながら、近年のレアストーン人気によりじわじわと注目を集め人気が出始めている宝石の一つではないかと思います。

産地

スペインブラジルスリランカロシアオーストラリアカナダアメリカなど。

日本で産出されることもあったようです。

原石の形

原石は、主に柱状正方形の断面をもつ結晶で産出されますが、塊状錐状板状くさび状などで見つかることもあるといいます。

変成岩中、花崗岩花崗岩ペグマタイト中で生成し、広域変成岩中ではサファイアカイヤナイトアイオライトシリマナイトなどを伴っていることが多いそうです。

アンダリュサイトは700℃近くの高温に耐え生成されるといわれています。

工業用に利用される原石は、耐火レンガの材料として使用されるものもあるそうです。

名前の意味

アンダリュサイトの名前は、スペインのアンダルシア地方で発見されたことに由来しています。

前述したように、アンダルサイトとも呼ばれます。

和名は紅柱石(こうちゅうせき)です。こちらは、長い柱状結晶で産し、赤っぽい色をしているところから名付けられたといわれています。

アンダリュサイトの色と多色性

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アンダリュサイトの色は、ブラウン、グリーン、イエロー、ピンク、レッド、ホワイト、グレーなどがあります。

そして多色性により見る角度によって色の変化が楽しめます。

アンダリュサイトの多色性の魅力

アンダリュサイトの一番の魅力である多色性

個体や見る角度によっては全く違った色に変化することさえあるといいます。

例えばブラウン系のアンダリュサイトの場合、ブラウンからイエローに近いブラウン、または明るいグリーンなどに変化するといいます。

コロコロと色が変化し、まるでダンスをしているように見えることから「アンダルサイトダンス」といわれることもあるそうですよ。

この顕著な多色性は、高品質なアンダリュサイトであることに加え、高度なカット技術がなければ完成しないといわれています。

どの色も美しいので決まった色を美しくということではなく、多色性が美しく見えるように研磨することが重要なのだそうです。

そのため角度を変えると何となく違う色が楽しめるのではなく、レッドからグリーンブラウンからライトグリーンへといった、明確で顕著な多色性が楽しめるというわけなのですね。

アンダリュサイトの仲間

画像はカイヤナイト

アンダリュサイトには仲間といえる鉱物がいくつか存在します。

同じ鉱物なのに見た目が大きく異なるものや成分は同じなのに別の鉱物種となるものなど。

順番にご紹介しますね!

キアストライト

キアストライト

異なる見た目をしていますが実は同じ鉱物に分類されるアンダリュサイトとキアストライト。

キアストライトの和名は空晶石(くうしょうせき)と、別の名前が付いているため更に混乱しそうになりますが、鑑別書上はどちらもアンダリュサイトとなります。

キアストライトはアンダリュサイトの結晶内に、インクルージョンとしてグラファイト(炭素)が含まれる鉱物です。

キアストライトは半透明~不透明で、一番の特徴はカット面に十字架を思わせるクロス模様が現れることです。

このクロス模様が十字架を意味する石として捉えられ、クロスストーンラピスクルシファーマルタ石など呼ばれることもあるそうです。

自然の中で綺麗なクロス模様になる、なんだか神秘的な魅力を感じさせる宝石です。

ちなみに、キアストライトの他にもクロスストーンと呼ばれるスタウロライト(十字石)という鉱物があるのですが、キアストライトとスタウロライトの間に関係は特にないようです。

カイヤナイト

カイヤナイト ルース

和名で藍晶石(らんしょうせき)というカイヤナイトは、アンダリュサイトとは同質異像の関係です。

同質異像とは同じ化学組成をもちながら異なる結晶系になるもの で、多形ともいう現象のこと。

仲間とはいえ硬度見た目違い、見間違えられることも少ないといいます。

カイヤナイトはサファイアと同じ鉄とチタンが含まれることでブルーに発色します。

ギリシャ語暗青色という意味のkyanos から由来して名付けられたといわれています。

代表的な色はブルーですが、他にもオレンジピンクイエローホワイトグレーグリーンなど多くの色を呈します。

ディスシーン(二硬石)と呼ばれ、柱状結晶の縦方向は硬度が低く横方向は硬度が高いという結晶の方向によって硬度に違いのある性質をもちます。

そのためモース硬度は4 – 7.5と幅があります。

この特徴からカイヤナイトは研磨の難しい宝石とされています。

シリマナイト

シリマナイト ルース

シリマナイトはファイブロライトとも呼ばれる宝石です。和名は珪線石(けいせんせき)。

カイヤナイトと同様に、アンダリュサイトとは同質異像の関係です。

繊維状のインクルージョンが内包された半透明のものをカボションカットに研磨すると、猫の目のような一筋の光を放つキャッツアイ効果(シャトヤンシー)や、六条の光が星のような模様を浮かべるスター効果(アステリズム)などが見られるのも特徴。

透明度の高いものはファセットカットに研磨されます。

モース硬度は6.5 – 7.5と低い方ではありませんが、特定方向からの衝撃に弱い性質、劈開をもつため取り扱いに注意が必要です。

カラーレス、ブルー、ブラウン、グリーン、イエローなど様々な色合いをもち、有色のシリマナイトは多色性も楽しめるそうです。

アンダリュサイトに施される処理

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今のところアンダリュサイトには処理を施されているものは少ないといわれています。

アンダリュサイトに偽物はある?

現在耳にする限りではアンダリュサイトの偽物が大きく出回っているという様子はなさそうです。

しかしながら、大量に購入したロットの中にガラスなどが混ざり込んでしまったり、逆に別の宝石のロットにアンダリュサイトが混ざってしまうことなどはあるようです。

また、褐色系の色合いが多く、同じように強い多色性をもつアキシナイトという宝石があります。

カットされたアンダリュサイトアキシナイトは見た目がよく似ていることから混在することも多いようです。

意図せずのこととはいえ、気を付けて購入したいですね。

アンダリュサイトの価値基準と市場価格

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アンダリュサイトの魅力が分かったら、手元にお迎えしたい!とはいうものの、何をポイントに買えば良いか分からないということもありますよね。

アンダリュサイトの価値基準市場価格など簡単にご紹介しますので、参考にしてみてください。

価値基準

アンダリュサイトも多くの色石と同様に、最も重要視されるのはです。

色が鮮やかなもの程、価値が上がり、あわせて多色性が美しいものも評価の対象になります。

また、全般的にインクルージョンが多いことから、インクルージョンが少なく透明度が高いものは付加価値としてより評価されやすい傾向にあります。

加えてカラットが大きいもの、カットが美しいものなども高い評価を得ます。

市場価格

アンダリュサイトはクォリティによっては、一万円以下でも探せます。

カラットが大きくクオリティが高いものとなると数万円以上するものもあります。

どこで買える?

ルースであれば、ミネラルショーレアストーンの取り扱いが多いオンラインショップなどで見かけることがあります。

ジュエリーとして販売されているものも見かけますので、ご興味のある方は探してみても良いと思います。

アンダリュサイトのお手入れ方法

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日常的なお手入れとしては、使用後に柔らかい布などで拭く程度で十分です。

時々石鹸中性洗剤を溶かしたぬるま湯で柔らかいブラシなどを使って洗ってあげる目立つ汚れなども取れてキレイを保ちやすいです。

多少アルコールは問題ありませんので、アルコール消毒液などが掛かっても大丈夫ですが、過度に掛かってしまった場合は、念のため柔らかい布で拭き取ったりぬるま湯の中で洗ってあげると良いと思います。

特定方向からの衝撃に弱い劈開がありますので、強くぶつけたりしないよう注意して下さい。

超音波洗浄器の使用も避けましょう

保管する際は、仕切りのある箱小袋などに分けて、他の宝石とぶつからないように個別に保管することをオススメします。

最後に

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アンダリュサイトは多色性が強く肉眼でもはっきりと楽しめる宝石です。

高品質なものは産出量が少なく希少石として扱われていますが、コレクターを中心人気を集め始めている宝石です。

良かったら注目してみて下さいね☆

カラッツ編集部 監修

<この記事の主な参考書籍・参考サイト>
『ネイチャーガイド・シリーズ 宝石』
 著者:ロナルド・ルイス・ボネウィッツ 訳:伊藤伸子/発行:科学同人
『ネイチャーガイド・シリーズ 岩石と鉱物』
 著者:ロナルド・ルイス・ボネウィッツ 訳:伊藤伸子/発行:科学同人
『価値がわかる宝石図鑑』
 著者:諏訪恭一/発行:ナツメ社
『ジェムストーン百科全書』
 著者:八川シズエ/発行:中央アート出版社
◆『岩石と宝石の大図鑑』
 監修:ジェフリー・E・ポスト博士/著者:ロナルド・ルイス・ボネウィッツ 訳:青木正博/発行:誠文堂新光社 ほか

▽参考書籍・参考サイト一覧▽