さまざまな色を見せてくれる アイドクレース

アイドクレース ルース

優しいグリーンから褐色の色合いが特徴的な、アイドクレース。

実は多くの色をもつ宝石だとご存知でしょうか。

またベスビアナイトと呼ばれることもありますが、二つの関係や違いとは何なのでしょう?

今回はアイドクレースのアレコレについて、ご紹介したいと思います!

アイドクレースとは?

アイドクレース 原石
冒頭でもお話していますが、アイドクレースは優しいグリーンから褐色の色合いが特徴的な宝石です。

カットされた宝石やジュエリーとして出回っているものは一般的にはあまり多くない印象です。

順番に詳しくご説明していきますね。

鉱物としての基本情報

英名Idocrase
和名ベスブ石
分類珪酸塩鉱物
結晶系正方晶系 / 単斜晶系
化学組成Ca10(Mg,Fe)2 Al4(SiO4)5(Si2O7)2(OH,F)4
モース硬度6 – 7
比重3.32 – 3.47
屈折率1.70 – 1.75

特徴

ソロ珪酸塩鉱物の一種であるアイドクレース(アイドクレーズと呼ばれることもあります)。

あまり市場に出回らないイメージがありますが、実は産地の数は多いそうです。

ではなぜ市場で見かけることが少ないかというと、結晶があまり大きくない上に宝石品質のものが少ないからなのだとか。

主な色はグリーン~褐色系ですが、実は含まれる元素の違いでさまざまな色合いを見せてくれる宝石です。

色によって呼び名もそれぞれ違い、変種も多いといわれています。

産地

アメリカ、カナダ、イタリア、タンザニア、ロシア、ケニア、パキスタン、ノルウェー、メキシコ、スイス、フィンランド、日本など。

アイドクレースの原石の形

アイドクレース 原石
そろばんの珠を角ばらせたような、正方4角錐形が多いそうですが、短い柱状や粒状、または塊状で産出されることもあるといわれています。

不純物を含む石灰岩を原岩とする接触性変成岩中やスカルン中に生成され、グロッシュラーガーネット、アンドラダイトガーネット、ダイオプサイトやカルサイトなどと共に産出されることも多いようです。

大粒のものが少ないとされ、6cm位までのものが多いといわれています。

アイドクレースとベスビアナイトの関係

アイドクレース ルース
冒頭でも触れたように、アイドクレースは、ベスビアナイトと呼ばれることもあります。

ベスビアナイトの方が先に登録され正式名称になったことから、かつてはどちらも同じような使われ方をしていたためだそうで、書籍によっては「ベスビアナイト」で紹介しているものも少なくありません。

しかし現在では、宝石名をアイドクレース鉱物名をベスビアナイトと呼び分けることが多いそうです。

名前の意味

アイドクレース ルース
ギリシア語見かけという意味の “eidos”混じるという意味の “krasis” の言葉を合わせて、アイドクレースと名付けられたといわれています。

共に産出されることの多い、ガーネットと色や形が似ており、肉眼で両者を区別をつけるのが難しいというところからそう名付けられたのではないかと考えられているそうです。

ちなみに鉱物名であるベスビアナイトの方は、初めて発見されたイタリアにあるベスビオス山にちなんで名付けられたということです。

アイドクレースの色と変種名

アイドクレース ルース
前述したように、多いのは優しいグリーンや褐色系ですが、その他にもイエローグリーン、イエロー、ブルー、レッド、ピンク、パープル、ホワイト、クリアなど様々な色があります。

含まれる成分の違いなどで色が変わると考えられており、グリーン~褐色系は、鉄やチタンを含み、これにクロムが含まれることで鮮やかなグリーンに、マンガンが含まれるとピンクになるそうです。

また、色によって異なる名前で呼ばれるものも多いといいます。

例えば、イエローからイエローグリーンに発色するものをクサンサイト(ザンサイト)、ブルーがかったグリーンのものをシプリンヒスイに似た色合いと質感のものをカリフォルナイトなど。

他にも深いグリーンカラーウィルアイトピンクからレッド系だとマンガン ベスビアナイトとも言い、その他の変種も多く、まだまだ知られていないものもあるようです。

アイドクレースの価値基準

アイドクレース ルース

アイドクレースはそのほとんどが不透明なものであることから、インクルージョンが少なく、透明度の高いものほど希少で価値が高いと評価されます。

その他、無色透明であったり、美しいエメラルドグリーンに発色したものなどは非常に希少であることから高く評価されるようです。

最後に

アイドクレース ルース
宝石品質のものや大きい結晶が少ないこともあってか市場で見かけることはあまり多くない宝石、アイドクレース。

含まれる成分によって、違った色合いが見られることも魅力の一つです。

モース硬度が6から7とそれ程高くはないのと、劈開(へきかい)もありますので、ジュエリーとして身に着ける際は丁寧に取り扱ってくださいね!

カラッツ編集部 監修