ヴァイオレットからブルーの色合いが美しい宝石、アイオライト。
主な産地はミャンマーやスリランカ、インドなどで、別名コーディアライトとも呼ばれています。
今回は、そんなアイオライトの意味や特徴、種類などについてお話ししたいと思います!
目次
アイオライトとは
アイオライトの名前の由来はギリシャ語で青紫を意味する「ios」、石を意味する「 Lithos」の二つからきています。
鉱物名はコーディライト(菫青石)で、別名「コーディアライト」とも呼ばれます。
鉱物名と別名が非常に似ていますが、実はコーディアライトは英名で、フランスの地質学者ルイ・コルディエから由来しています。
また、「二つの色の石」の意味を持つ、「ダイクロアイト」と呼ばれることもあります。
サファイアのような青さと水の透明感を感じさせるその色合いから「ウォーターサファイア」と呼ばれることもあり、アイオライトは多くの宝石名を持つ宝石といえますね。
価値評価としては、透明度が高い、濃いバイオレット・ブルーのものほど高く評価されるといいます。
アイオライトの特徴
見る角度によって色が違って見える「多色性」
アイオライトには「多色性」と言われる見る角度によって違う色に見えるという特性があります。
例えば四角にカットした場合、真上から見た面は濃い色合いのブルー。
向かって左側に位置する面から見た場合は、グレーがかった褐色。
そして、向かって右側から見た場合には、明るめのブルーなどに見えます。
明らかに色が違って見えるのは、結晶の方向に対するカットの仕方が大きく影響します。
このように、見る面で色が変化するという特性を持つ宝石と言えば、メジャーなところではタンザナイトが挙げられます。
タンザナイトもアイオライトと同じように、見る角度によって青に見えたり、透明に見えたり、または紫に見えたりする特性があります。
少し前まではこの多色性は、美しい色合いが保てないのでマイナスポイントではないか?とされていましたが、現在では「宝石の個性」として認められる傾向にあります。
そのため、昔はアイオライトをジュエリーに仕上げる場合には、色が安定して見える面をテーブル面にすることが多かったのですが、最近では、あえて多色性を楽しめるようにカットしセッティングされた、アイオライトの特性を生かしたジュエリーも増えてきています。
※色が変化する特性は他にも変色性というものがあります。詳しく知りたい方にはこちらの記事がおすすめです。
▶︎宝石の魅力である「変色性」と「多色性」。この2つの違いって?
加熱処理が出来ないアイオライト
アイオライトは高熱に耐えられない宝石のため、他の宝石のように加熱処理を施すことが出来ないといわれてきました。
そのため美しいブルーのものも無処理で天然の状態のものが多いと。
しかし、最近は加熱処理ではなく、放射線照射を施して色を調節されるものが出てきたといわれています。
元々無色のものをブルーや淡いグリーンにすることも可能になっているそうです。
※宝石の人工処理についてはこちらの記事がおすすめです。
▶︎【決定版】宝石の処理とその価値についてまとめ
アイオライトの種類
アイオライトには、実はブルー以外の色も存在し、それぞれ違う名前が付けられています。
順番にご紹介していきますね!
透明なアイオライト「ホワイト・コーディエライト」
稀に無色透明なアイオライトが採掘されることがありますが、これを「ホワイト・コーディエライト」と言います。
透明度が高くカラーレスであるほど、価値が高く、希少であるとされます。
別名で、「ホワイト・アイオライト」と言われることもあります。
ある方向でのみ赤く見える「ブラッドショット・アイオライト」
別名「アイオライト・アベンチュリン」とも呼ばれます。
アベンチュリンとは角度を変えると砂金のようなキラキラした輝きが確認出来る効果のことで、その名の通り、赤いレッセンスが眩く煌めく希少なアイオライトです。
ヘマタイトやレピドクロサイトが含まれ、赤く充血したように見えることから、充血した=ブラッドショットという意味の名前が付けられています。
良質なブラッドショット・アイオライトはなかなか市場に出回ることがないので、マニアの方にも人気の宝石です。
最後に
特徴的なすみれ色をした宝石、アイオライト。
是非ファセットカットに研磨されたアイオライトを一度手にしてみてください。
アイオライトの多色性の魅力に、きっと魅了されるはずです♪
カラッツ編集部 監修