ピンクカラーの宝石は数々ありますが、中でもレア中のレアといわれるピンクの宝石がポードレッタイト。
スギライトに近い鉱物のようですが、流通量は少なく、市場ではなかなか見かけない希少石です。
今回はそんなレア中のレアな宝石、ポードレッタイトの特徴や魅力についてお話ししていきましょう。
ポードレッタイトとは
ポードレッタイトは、優しいピンクカラーが特徴的な宝石で、ポウドレッタイトと表記されることもあります。
まずは、鉱物としての基本情報です。
鉱物としての基本情報
英名 | ポードレッタイト(Poudretteite) |
鉱物名 | ポードレッタイト |
分類 | 珪酸塩鉱物 |
結晶系 | 六方晶系 |
化学組成 | KNa2B3Si12O30 |
モース硬度 | 5 – 6 |
比重 | 2.48 – 2.53 |
屈折率 | 1.51 – 1.53 |
光沢 | ガラス光沢 |
特徴
ポードレッタイトは、1965年、カナダのケベック州にあるモンサンチラール採石場にて初めて発見されました。
スギライトと同じオースミライト/ミラライトグループに属し、1987年に新種鉱物として報告された、比較的新しい宝石です。
モース硬度は5-6でラピスラズリやソーダライトと同じ位で、カッターでなんとか傷がつけられる程度の硬さです。
ルースに出来ない原石も多く、宝石品質のもの自体が珍しいといわれます。
色
多くは淡いピンクカラーをしていますが、カラーレス、パープルレッドなどもあります。
原石には色ムラが目立つものも多いようです。
ピンク色の発色要因は、マンガンやチタンの作用によるものと考えられているようですが、詳しくはまだ解明されていないようです。
見る角度を変えると異なる色に見える多色性が強いという特徴ももち、ピンクに見えたり、カラーレスに見えたり、または少し濃い目のローズに見えたり、色の濃淡が楽しめるものもあります。
産地
発見された場所はカナダのケベック州ですが、現在ではミャンマーのモゴック地方でも宝石品質のものが産出されています。
原石の形
ポードレッタイトは六角柱の結晶で産出されることが多いといわれます。
サイズは小さいものが多いそうですが、ミャンマーモゴック地方から産するものの中には比較的大きいものもあり、モゴックで発見されてから、ファセットカットされるものが増えたと見られています。
名前の意味
ポードレッタイトは、最初に発見された、カナダのケベック州モン=サン=ティレールにある採石場を管理していたPoudrette family(ポードレット家)に由来するといわれています。
プードレッタイトと呼ばれることもあります。
ポードレッタイトの価値基準と市場価格
非常に小さなルースでも宝石品質のものは高値が付くといわれる、ポードレッタイト。
どの位希少かと言うと、ダイヤモンドよりも遥かに採れにくく、宝石の専門業界に身を置いていても直に見たことがないという人は珍しくないと思います。
それでも最近では、少しずつ見かける機会が増えたように思います。
それでは、価値基準やおおよその市場価格などについてもお話しましょう。
価値基準
ポードレッタイトは色が濃く鮮やかなもの程、価値高く扱われます。
産出量が少ない上に、内包物が入りやすく宝石品質のものが少ないとされます。
更にサイズが大きいものも少ないことから、色が濃く透明度が高いものは、小さくても高値が付きやすいのだそうです。
市場価格
ポードレッタイトは、0.1ct程度の小さいルースでも、一万円以上する印象です。
サイズが0.3ct程度でも色が美しいものは十万円以上、トップクォリティのものだと数十万円以上するものもあります。
どこで買える?
希少価値高く、多く出回っていないとされるポードレッタイトですが、レアストーンの取り扱いの多いオンラインショップやミネラルショーなどで見かけることはあります。
ジュエリー加工されているものは殆ど見かけません。
カラッツSTOREでも取り扱うことがありますので、良かったら覗いてみてくださいね。
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最後に
優しいピンクの色合いが美しい宝石、ポードレッタイト。
私も普段、多くの宝石に触れることの多い仕事をしていますが、ポードレッタイトの現物を見たことはありません。
そもそも非常に希少なので、ジュエリーに仕立てられたポードレッタイトがあるのかも分からないほどです。
レアストーン好きのコレクターからすると、垂涎ものの宝石です。良かったら名前だけでも覚えておいてくださいね♪
カラッツ編集部 監修