トパーズの和名は黄玉。サンスクリット語で火という意味のtopazや、ギリシャ語で探し求めるという意味のtopazosが名前の由来だと言われる、大変古くから愛されている宝石です。
トパーズとはどんな宝石でどんな色や種類があるのでしょうか?
また日本でトパーズが採掘できるって本当?
エジプト紅海にあった「トパジオス島」の伝説でも有名な宝石トパーズについて、知っておきたい知識をお伝えしていきます。
トパーズとは
トパーズはカラーバリエーションが豊富な宝石です。
青や緑色が一般的ですが、中には黄金色やピンク色を呈するものもあり、これらには大変高い価値が付けられています。
トパーズの性質
結晶系 | 斜方晶系 |
化学組成 | アルミニウム・フッ素・水酸珪酸塩 |
硬度 | 8 |
比重 | 3.54 |
屈折率 | 1.62-1.63 |
複屈折率 | 0.010 |
光沢 | ガラス状 |
トパーズの結晶の特徴
トパーズの結晶を見ると、断面がひし形になった柱状をしています。さらに成長とともに伸びた方向をよく見てみましょう。先端に向かって平行な条線が見られるのが特徴です。
この条線は光を当てると良く見えます。さらに硬度が8でガラス光沢なので、同じような外見を持つ水晶(ロッククリスタル)よりも強い輝きを呈します。
トパーズの産地
トパーズはブラジル、アメリカ合衆国、メキシコ、ロシア、スリランカ、オーストラリア、パキスタン、タスマニア、日本などで産出されています。
日本では岐阜県恵那郡、苗木地方などや、滋賀県大津市や田上山、山梨県甲府市黒平などで産出された記録が残っています。
なおトパーズは産地鑑別のできない石です。
トパーズの種類と色の違い

インペリアルトパーズ
トパーズは色の種類が豊富ですが深い黄金色をしたものは「インペリアルトパーズ」と呼ばれています。
インペリアルトパーズと呼ばれるのは水酸基を含む「OHタイプ」のみです。OHタイプは高い屈折率を持つことから、強く美しい反射光を見せます。
黄金からオレンジ~褐色系の発色をするものは、シェリー酒に似た色合いであることから「シェリートパーズ」とも呼ばれています。
ピンクトパーズ
「ピンクトパーズ」はそのほとんどが黄色のトパーズを熱処理してピンク色にしたものです。
※ピンクトパーズの詳細はこちらの記事を!
▶︎古代から愛された ピンクトパーズの美しさ
ブルートパーズ
現在市場にあるブルートパーズのほとんどが無色のトパーズを人工的に処理して青色にしたものです。
人工的に放射線処理された「ブルートパーズ」には青色の色合いが薄いものから濃いものまでさまざまで、淡い色の「スカイブルートパーズ」、紺色に近い「スイスブルートパーズ」、灰色味のある濃い青色の「ロンドンブルートパーズ」に分類されます。
ちなみにロンドンブルートパーズは美しく濃い青色であることから、大変人気のあるカラーです。
※ロンドンブルートパーズの参考記事はこちら
▶︎オークションで購入したロンドンブルートパーズは本物ですか?
カラーレス
無色のトパーズで、見た目が水晶に似ています。
このことから、昔の日本では水晶と混同されていたそうです。
かつて、トパーズという石が存在することを知らないにもかかわらず、水晶よりも強い輝きと硬さを持つ宝石を最初に見つけたのが、高木勘兵衛という人物でした。
高木勘兵衛は明治3年に岐阜県の苗木山で水晶に似た鉱物を発見します。
その後もこのような石を大量に採掘し、売りに出すとかなりの高値で売却できたそうです。
ある日博物館に持っていくとその石が「トパーズ(黄玉)」であると判明!
希少価値の高い宝石だということが分かり、トパーズを採掘することによって大きな富を得たということです。
まとめ
古代ギリシャやローマ時代から、お守りとして大切に扱われてきた高貴な宝石トパーズ。
お気に入りの1石が見つかると良いですね。
カラッツ編集部 監修