レーティングや色合いまで まずは金の基本から

レーティングや色合いまで まずは金の基本から

最近では特に若い女性から人気を集めているゴールドジュエリー。金の相場やその色合いの違いまで、金についての基本をご紹介していきます。

金とは


金とは人類が初めて発見したと言われる鉱物で、その歴史は紀元前3000年前にまで遡ります。古くは古代エジプトで装飾品や貨幣として用いられていました。有名なエジプトの少年王、ツタンカーメンの黄金のマスクを思い浮かべる方も多いかもしれません。

日本における最古の金製品は、よく日本史の歴史の教科書にも出てくる「漢委奴国王印」(かんのわのなのこくおういん)です。これは純金製の王印で、中国の光武帝から贈られたものだと言われています。

金は他の鉱物に比べ埋蔵量が少なく、希少性に富んでいます。また経年変化に比較的強く、加工もしやすいことから古くからジュエリーとして愛されてきました。人類は古代から金の価値を見出しており、富と豊かさの象徴でもあったのです。

日本で金の品位は24分率で表されることが多く、例えば純金であれば「K24」という表記になります。金が75%のものを18金と呼び「K18」と表記しています。その他「K14」「K10」などの商品も数多く出回っています。なお海外での表記は1000分率で表す場合が多く、18金を「750」と刻印します。日本国内ではあまり見かけませんが、海外では22金の製品も多く、この場合は「916」と表します。

金の主な産地


人類が掘り出した金はおよそ10万トンと言われており、現時点での世界最大の産出国はオーストラリアです。続いてロシア、南アフリカ、アメリカなどがあります。この10万トンのうち、3/4は20世紀以降に採掘しています。一時期、近い将来の金の枯渇が囁かれたこともありましたが、今現在それは通説ではありません。しかし、新規の鉱山開発が難航していること等からここ数年で供給量が微減していると言われています。

いずれにせよ、金はこの地球上から算出した希少価値が高く、有限な資源であることには違いないでしょう。

カラーゴールドって何?


同じゴールドでも色合いの違うゴールドがいくつもあり、それらを総称して「カラーゴールド」と呼んでいます。

金は純度が上がるほど軟らかくなるので、24金のジュエリーは非常に傷がつきやすくなってしまいます。そこでやや硬度のある18金のジュエリーが多く流通しています。
18金の純金部分は75%です。では残り25%には何が入っているのでしょうか。実はその違いが色味の違いにあらわれるのです。

純金を割っている残り25%の地金(じがね)部分、すなわち「割金」(わりがね)のメインを銅にすると「ピンクゴールド」になります。また、25%のうちのほぼ半分ずつを銀と銅にすると「イエローゴールド」、25%のうちメインを銀、少量で銅を加えると金が白色化し「ホワイトゴールド」となります。

この25%の中の微妙な配合は各メーカーによって異なり、そのちょっとした色味の違いが独自のカラーとなっていることもあります。なお、純金と割金を合わせたものを「合金」(ごうきん)と呼んでいます。

資産としての金


金は株と同様に毎日相場が変動しています。2017年12月8日現在の金は1gあたり4,956円(税込)となっています。金のグラム単価は10年以上前は2,000円を切っていましたので、この10年で考えると、相場の上下こそありますが着実に上昇していると言えます。

情報筋によると、アメリカの金融緩和が終了し、金利が引き上げられても低金利には変わりがないため、金に資金が流入するだろうと予想されています。それに加え、金を好む中国やインドの需要が引き続き多いにもかかわらず、金の産出量が頭打ちになっていることから長期的に見れば強気の相場になると言われています。

株はその価値がゼロになってしまうと単なる紙切れ1枚の扱いになってしまいます。しかし金は有史以降、その価値がゼロになったことはいまだかつてありません。資産運用の有効な手段のひとつとして、世界の投資家が今後も注目していくことでしょう。

カラッツ編集部 監修