リングやネックレスに、K18や、Pt900などの刻印が打たれているのはご存知ですか?
これは、そのジュエリーに使われている金属の金性(=素材に、どのくらいの量の金やプラチナが含有されているか)を示しています。
ほとんどのジュエリーには刻印があり、金性を示すもののほか、ブランドロゴや、石のカラット数を示すものがあります。
大まかにいうと、そのジュエリーがどういうジュエリーなのかを、パッと見てわかるように説明するのが刻印の役割です。
ここでは、K18やPt900などの金性の種類と、特徴について解説します。
地金とは?
ジュエリーを探していると、「地金」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
地金(じがね)には主にニつの意味があるとされています。
まず一つ目は「加工前の金属の塊」のこと。
別名、鋳塊(ちゅうかい)とも言い、金属を溶かして鋳型に流し、貯蔵しやすい形に固めたものです。
英語ではインゴットと呼ばれるもので、金塊、ゴールドバー、金の延べ棒などもこの類に入ります。
二つ目は「材料となる金属」のこと。
ジュエリーに使われる「地金」は、こちらの意味に当たります。
宝石を使用していない、金属だけのジュエリーを地金ジュエリー、地金リング、地金ネックレスなどと呼ぶこともあるそうです。
ジュエリーに使われる地金は、丈夫で加工しやすいゴールド、プラチナ、シルバーなどです。
地金の特性と素材別お手入れ方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
金(ゴールド)について
金 | 千分率 | 含有率 |
K24 | 1000/1000 | 100% |
K22 | 917/1000 | 91.7%の金+ほかの金属 |
K21.6 | 900/1000 | 90%の金+ほかの金属 |
K20 | 835/1000 | 83.5%の金+ほかの金属 |
K18 | 750/1000 | 75%の金+ほかの金属 |
K14 | 585/1000 | 58.5%の金+ほかの金属 |
K12 | 500/1000 | 50%の金+ほかの金属 |
K10 | 417/1000 | 41.7%の金+ほかの金属 |
K9 | 375/1000 | 37.5%の金+ほかの金属 |
ゴールドの刻印でよくあるのは、上記です。よく目にするのはK18でしょうか。
K18とK24の違いですが、K24とは純金のことで、これは100%金、「金以外の物質が混ざっていない」という意味です。
1000分率で表すと1000もしくは、999と表記されることがあります。
金は「柔らかく加工しやすい反面、変形しやすく傷つきやすい」という特性があるため、ジュエリーに使われる金はK18やK14が多いです。
K18の場合は、75%の金に25%のほかの金属が混ざっていることになります。
金の扱いやすさ、重さ、輝きを保ちつつ、ほかの金属を混ぜることによって丈夫さも兼ね備えた素材にしているのです。
ちなみに、K18イエローゴールドの場合、ほかの金属の25%の部分は銀や銅を混ぜて作られることが一般的なようです。
また、K18の後に、K18WGやK18PGという刻印がある場合があります。
K18WGのWGは「ホワイトゴールド」、PGは「ピンクゴールド」を指します。
ホワイトゴールドとピンクゴールドについても少し詳しくご説明しますね。
ホワイトゴールド
ホワイトゴールドは、プラチナのような色合いをしています。
金に混ぜるほかの金属を何にするかで色が変わります。
金に混ぜる金属のことを割金(わりがね)と呼ぶのですが、ホワイトゴールドの割金としてよく使われているのはパラジウム。
K18WGの場合は、75%の金と25%のパラジウムが混ぜられているということなるのですね!
※ニッケルや銀が含まれていることもあるそうです。
ピンクゴールド
K18PG(ピンクゴールド)は、通常のK18YG(イエローゴールド)より、ピンク色がかった色合いをしています。
ピンクゴールドの割金は、銅と銀とパラジウムを混ぜ合わせて作られることが多いそうです。
イエローゴールドも銅と銀を混ぜますが、銅の割合を増やすとピンクに近い色になるそうで、K18ピンクゴールドの場合、25%の中で銅と銀の割合が大体8:2位で混ぜられ、そこにパラジウムが入るようなイメージとのことです。
注意が必要な刻印
注意点としては、K18PGやK18WGとよく似ている刻印で、K18GPやK18GFがありますが、この刻印は実は金ではないそうです。
K18GPとはGold Plated(ゴールドプレーテッド)の略で金メッキを表し、K18GFとはGold Filled(ゴールドフィールド)の略で金張りを表します。
注意するべき刻印について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧くださいね。
プラチナについて
プラチナ | 千分率 | 含有率 |
Pt1000(PT1000) | 1000/1000 | 100% |
Pt950(PT950) | 950/1000 | 95%のプラチナ+ほかの金属 |
Pt900(PT900) | 900/1000 | 90%のプラチナ+ほかの金属 |
Pt850(PT850) | 850/1000 | 85%のプラチナ+ほかの金属 |
Pm(P.m.) | 700~900/1000 | 70~90%のプラチナ+ほかの金属 |
プラチナも、純度が高ければ高いほど柔らかく、傷つきやすいので、ジュエリーによく使われるのは、Pt950、Pt900、Pt850です。
一番目にするプラチナはPt900でしょうか。
K24と同様で、Pt1000とは純白金のことで、これは100%プラチナ、「プラチナ以外の物質が混ざっていない」という意味です。
プラチナも金と同様で、「柔らかく加工しやすい反面、変形しやすく傷つきやすい」という特性があるため、ジュエリーに使われるプラチナはPt900やPt850が多いです。
Pmというのは、昔作られたジュエリーのプラチナ刻印でたまに見られますが、Pt850位を指すといわれています。
ですが、実際はそれよりプラチナの含有率が低い場合もあるので注意が必要です。
プラチナの割金には、パラジウム、イリジウム、ルテニウムなどが使われます。
その他(K18やPT900以外)
GP
先ほども少しお話していますが、GPはgold plated(ゴールドプレーテッド)、つまり金以外の素材の上に、金でメッキ加工をしたことを示します。
中に使われる素材は、シルバーや真鍮が多く、その上に、K18、K14、K10などをメッキ加工をすることが多いです。
K18でメッキ加工をした場合、K18GPという刻印が打たれます。金の色や輝きを保ちながら、中身にそのほかの素材を使うことで、安価に仕上げられるのがメリットです。
GF
GFはgold filled(ゴールドフィルド)、これは金張りと呼ばれ、金以外の素材の上に、金を張る加工ですが、GPに比べ、金の層がかなり厚いため、使用しているうちに摩擦などで金がはがれることが少ないです。
こちらも金よりは安価ですが、見た目には金と同様の高級感があるため、アクセサリーの素材として重宝されています。
アトK
K18ではなく18Kなど、Kが数字の後につく刻印もあります。
これは、アトKと呼ばれ、古いジュエリーや、東南アジアなどで作られたものに多く見られます。
刻印より、実際の金の純度が低かったり、まれに偽物の場合もあるため、注意が必要です。
最後に
金(ゴールド)・プラチナなどの金性の種類と、特質について解説してまいりました。
修理や加工の際に、金性の種類によって加工方法が違いますので、刻印が重要になります。
「見慣れない刻印だけど本物かな?」ということもありますよね。
ジュエリーを購入する時に、いつも信頼のできるお店で購入すれば間違いないかと思いますが、海外での購入やフリマサイトを利用する機会もあるかと思います。
通販の場合は難しい場合もあるかもしれませんが、購入時に刻印がどう打たれているかきちんと確認できると安心ですね。
金性の種類と刻印の意味を知って、お買い物に役立てていただければ嬉しいです。
カラッツ編集部 監修