8月の誕生石としても知られるペリドットは若草のようなライトグリーンが眩しい宝石です。
かつては「太陽の石」とも呼ばれファラオや王族の装飾品としても使われていました。
市場でも目にしやすい宝石ですので、親しみを感じている方も多いことでしょう。
しかし実際ペリドットを購入しようと思った時、何をポイントに選べば良いか、迷われることはありませんか。
そこで今回は、ペリドットの価値や価格相場、選ぶ時にチェックすべき点などをお話していこうと思います。
ポイントについては、ルース、ジュエリー、原石でも少し変わりますので、それぞれに分けてご紹介しますね。
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ペリドットについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参照ください。
ペリドットの価値基準
ペリドットの色は極端に薄いものは少ない印象ですが、色相はイエローグリーン〜グリーン〜ブラウニッシュグリーンまで幅があります。
その中でも色が鮮やかでイエローやブラウン味を帯びていないものほど価値が上がります。
他にも透明度の高さ、カットの美しさ、カラットの大きさも評価を決めるポイントとなります。
ペリドットは全般的に透明度が高いものが多いとされ、実際私も、これまで仕事で様々な種類の宝石を見てきましたが、ペリドットにはそういう印象をもっています。
その割にはお値段が極端に高くなり過ぎないところも宝石好きとしては嬉しいですね。
最高級カラーはミャンマー産やパキスタン産に多いとされています。
産地鑑別がなされないことも多く、ルビーやサファイアのように産地によって価値が変わるということは、今のところあまりないようです。
5ct以上のペリドットは数がグッと減るといわれており、そのため価格も大きく跳ね上がります。
また、パラサイト隕石に含まれるパラサイトペリドット(パラサイティックペリドット)も、希少性の高さなどから、地球起源のペリドットよりも全体的に価値高く扱われます。
ペリドットの価格相場
画像:パラサイトペリドット
ペリドットはお手頃価格のものも多く、ルースであれば、数千円程度~見かけます。
凝ったカットが施されていたり、著名な研磨職人によるものは値が上がり、数万円以上するものもあります。
パラサイトペリドットは、全般的に高値が付きやすく、サイズやクォリティによっては10万円以上するものも多い印象です。
先程お伝えしたように、ペリドットは5ctを超えると希少性が高まり、値段も跳ね上がる傾向にあります。
トップクォリティで5ct以上あるものは、ルースだけで百万円以上することも!
一度20ct近いトップクオリティのペリドットを見かけたことがありますが、深みのある色と強い輝きでエメラルドのような存在感を放っていました。
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ペリドットを選ぶ時のポイント
次に、ペリドットを選ぶ時のポイントについてお話しましょう。
ペリドットはモース硬度が6.5 – 7とある程度硬さがあり、靭性も普通~高めとされているため、ルースとしてだけでなく、ジュエリーとしても十分楽しむことができます。
5ctまでは比較的手に入りやすく、特殊なカットが施されることもありますので、サイズやカットの違いを楽しめるのも嬉しいところです。
ペリドットは残念ながら、ルビーやサファイアのような資産性はあまり期待できない宝石です。
しかし逆に言えば、自分の好みを優先させても良いということ。
少しブラウンが混じっていたり透明度が低くても、あなたの心に響けばそれは素晴らしい出会いと言えるでしょう。
それでは、ルース、ジュエリー、原石に分けて、それぞれのポイントをご紹介していきます。
ルース
ルースとは、裸石(はだかいし)とも呼ばれ、ジュエリーに加工する前の状態のものを指します。
遮るものが何もないため、宝石を360度自由に見ることができます。
購入前にキズや欠けなどの有無や位置をチェックすることも大切です。
後からジュエリーに仕立てたい場合は特に、位置や大きさ、入り方などによって加工中に割れる可能性もあるからです。
もし状況が許せば、ルースの表側だけでなく裏側も見るようにして下さいね。
宝石の細部や中を見る際は、ルーペを使用すると良いです。様々な倍率のものが売っていますが、私のオススメは10倍のもの。
肉眼では捉えきれないキズや宝石内部のインクルージョン(内包物)をはっきり見ることができますよ。
ルースを楽しむ時にも大活躍してくれますから、一つ持っていて損はないと思います。
ルースのまま楽しみたい場合
様々な角度から見られるルースは、宝石の色や輝きを最も堪能できる、最高の形ではないかと個人的には思っています。
ルースの状態で持っておくなら、特殊カットが施されているものや好みのインクルージョンが入っているものを選ぶのもオススメです。
光の中で自由に角度を変えて光の入り方の違いを楽しんだり、ルーペを使って中のインクルージョンをじっくり観察したり、ルースならではの醍醐味を色々と味わうことができるからです。
ペリドットには、ウォーターリリー・リーフ・インクルージョンと呼ばれる、睡蓮の葉のような形をした、特徴的なインクルージョンが見られるものもあります。
初めて見た時、なんて可愛らしいんだろうと感動したことを今でも覚えています。
ルースのまま持つのであれば、厚みのあるものを選ぶのも良いですね。
厚みがあると、色が濃く見えやすいため見応えがありますし、フォルムがコロンとしたキュートな印象を与えるものも多いように思います。
ただし、後からジュエリー加工も考えている場合は、後述する理由から厚みがあるものは避けた方が良いでしょう。
カット、サイズ、カラーなどによって、同じペリドットでも違った印象を受けますので、色々集めて見比べてみるのも楽しいですよ。
ジュエリー加工して楽しみたい場合
ジュエリーを作る前提でルースを選ぶ場合は、ルースのプロポーションが良いかどうかも大切です。
形が歪なものだと、加工した時にジュエリー全体のバランスが悪くなる可能性があります。
特にネックレスの場合は真正面から見ますから、ネックレスに付いている宝石のプロポーションが目立ちます。
もし左右のバランスが違うルースを加工したい場合は、そのバランスを上手く活かすオリジナルデザインにしてもらうと良いですよ。
もし幾つか候補があり迷う場合は、厚みがあまりないものを選ぶというのもポイントです。
前述したように、ずっとルースのまま持つのであれば良いのですが、ジュエリーに加工する場合、厚みがありすぎるとジュエリーになった時にそこだけ飛び出したように目立ってしまう恐れがあるからです。
色やカットが美しければ、厚みはない方がジュエリーにした時に綺麗に仕上がるのですね。
ジュエリー
ペリドットは、一般的にはイエローゴールドと相性が良いといわれていますが、個人的にはホワイト系の地金と合わせてもグリーンが涼しげに感じられて好きです。
ご自身の肌色との相性もありますので、結局のところはお好みで選ぶのが一番だと思います。
モース硬度は6.5 – 7ですが、強い衝撃を与えればキズが付いたり、最悪の場合、欠けたりする可能性もあります。
爪がしっかりと留まっているか、引っかかりがないかなども可能な限り、購入前にチェックしておきましょう。
ルーペを使って見るのが一番良いですが、もう一つ簡単に確認できる方法があります。
それは耳元でジュエリーを小刻みに振ること。
もし爪が外れていると、石が揺れて『カチカチ』と台座にぶつかる音がします。
購入してすぐに宝石が外れてしまっては一大事ですから、直接手に取って見られる場合は、お店の人に一度相談してみても良いかもしれません。
原石
ペリドットの原石は、ミネラルショーやパワーストーンショップでもよく見かけます。
主に母岩と一緒に切り出されたものとペリドットだけの状態のものがあり、それぞれに違った魅力を放ちます。
母岩に付いているものは、そのペリドットがどのようにして出来上がったかの過程を想像したり、ロマンを感じることができるでしょう。
原石だけの状態であれば、人間の手が入っていない状態での透明感や輝きを360度楽しむことができます。
ペリドットは原石の状態でも取り扱いが多い印象がありますので、色々見比べてみると良いと思います。
研磨されたルースとはまた違う個性が感じられるので、探している時間も楽しいですよ。
最後に
宝石にも個性があり、ルース、ジュエリー、原石で楽しみ方も変わります。
ペリドットをルースとして持つ場合は、自分好みの個性や色合いで選ぶのがオススメです。
比較的手に入りやすい宝石ですので、色々集めて、カットや色合いの違いを見比べてみても楽しいでしょう。
ジュエリーになったペリドットは、華やかな印象を与え、大ぶりのものであれば、強い存在感も感じられると思います。
濃い色合いのものも多いため、自分以外の人の目もきっと楽しませてくれるはずです。
原石には原石の良さがあります。人間の手を介さずとも美しさを放つペリドット本来の魅力をぜひ堪能して下さいね。
理想のペリドットと出会えますように!
カラッツ編集部 監修