7月の誕生石「ルビー」の魅力に迫る!

「赤い宝石は?」と聞かれると恐らく真っ先に思い浮かべるのがルビーだという方も多いのでは?18世紀以前は赤い宝石のことを全てルビーと呼び、現在ルビーとされている宝石だけをルビーと呼ぶようになったのは実は18世紀以降のことなのです。

今回はそんな歴史のある宝石、ルビーの魅力についてお話したいと思います!
ルビー

7月の誕生石 ルビーとは

7月の誕生石ルビーの語源は、ラテン語で赤を意味するルベウスから来ています。

ルビーはサファイアと同じコランダムという種類の鉱物で、もともとの組成は同じです。

赤いコランダムのことをルビーと言い、青などそれ以外の色のコランダムのことをサファイアというのです。

「色が違うのに同じ石なの?」と疑問に思われたでしょうか?

実は純粋なコランダムは無色透明です。透明なコランダムに不純物が加わることで、赤や青、その他さまざまな色に変化し、色の違いでルビーやサファイアとそれぞれ違う名前で呼ばれているのです。

ルビーの種類

出典:https://www.gia.edu/JP

同じルビーでも様々な色の違いや変化を見せるルビーもあります。希少性のあるものや価値のあるものまで産地を交えながらご紹介していきます!

ピジョンブラッドルビー

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いくつかの産地から上質なルビーが採掘されますが、モゴック産のルビーのピジョンブラッドルビーはやはり別格の響きがあります。

もともと高品質なルビーであるといわれるモゴック産のルビーですが、その中でもピジョンブラッドと呼ばれるルビーは赤い色が凝縮しているように濃厚でありながらも、透明度が高いのが特徴です。

スタールビー

スタールビー
少し白っぽい赤色で、ドーム型のような丸いカボションカットに研磨されたルビーの中には、光を当てると六条の光の筋を放つ、まるで星柄のような効果を見せる物があります。

これをスタールビーと言います。

このように光の筋を示す宝石はサファイアやエメラルドなど他の宝石にも存在しますが、全て針状の結晶(インクルージョン)が内包されています。この結晶をルチルと言います。

このルチルに光が当たると星のような六条の光を放つのです。

流通量も多く、手に入れやすい宝石と言えます。

加熱処理と非加熱・無処理

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多くのルビーは加熱処理を施し、美しい色合いに仕上げています。

加熱処理というのは、名前の通り高熱を加えて色を安定させる処理です。処理後は赤色が色褪せることもなく、むしろ非加熱のルビーよりも扱いやすいとされています。

非加熱・無処理というのは、これらの処理を全く行っていないものをいいます。

採掘され、研磨された以外には全く人の手が加わっていない状態です。

天然の状態で美しい状態、色合いの宝石だけが非加熱・無処理で市場に出されます。高品質な証でもあるので非常に価値の高い宝石です。

ルビーから始まった合成石

合成ルビー 見分け方
1904年にフランス人の科学者がルビーの合成を発明したことが全ての合成石の始まりです。
合成石とは天然の宝石と同じ化学組成と結晶構造をもった石のことで、性質なども同じです。
言ってしまうと作られた環境が自然か人工的かの違いだけなのですが、大量生産が可能な人工的な宝石はどうしても価値が下がってしまうのです。
ところがルビーの合成石を発売し始めた当初、合成石であることを表示せず販売してしまいました。
それだけにとどまらず、世界中の業者が合成石を本物のルビーとして扱ってしまい、天然物のルビーの信用は大きく崩れてしまった時期がありました。
そして皮肉にも宝石学が大きく進歩し普及したきっかけにもなったのです。
現在では宝石学も進歩し、安心…でもなく、今度は高品質な合成のルビーが登場してきています。
プロの目でも鑑定が困難なものも多く、天然ルビー以上に美しい色合いの合成ルビーも存在しています。

おわりに

レッドガーネットやレッドスピネルなども含めた、赤い石全てをルビーとされていた時代もあるほど人気の高い宝石、ルビー。

ダイヤモンドに次いで硬度の高い宝石なので、サファイアと同じく傷つきにくくリングとしても楽しめる宝石です。

ルビーの赤は鮮やかなものから黒っぽいものまで色合いの種類も多く、価値だけにとらわれず、自分好みの色合いを見つけて楽しめるのも魅力の一つと言えますね。

指先に着けているとふとした時に鮮やかなレッドが目に入り、その美しさを堪能していただけるはずです。

カラッツ編集部 監修

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毎日200個以上の宝石に触れる仕事に就いています。タンザナイト、ベニトアイト、パパラチアサファイアなど多色性のある宝石が好み。宝石のことをあまり知らない方にも、分かりやすい記事作りを心掛けます。