自宅で出来る!含浸ルビーを見分ける2つのポイント

安価なアクセサリーを見ていると、時々ルビーが使われたものを見つけることがあります。「天然ルビー」と書かれた、透明度の高い美しいネオンピンクの宝石。

なぜ、これほどまでに高品質なルビーがこんなに安く提供されているのでしょうか。

今回は、そのからくりに迫ります。

※含浸ルビー自体が悪い訳ではありません。悪いのは事実を隠して高額に売ることです。含浸ルビーときちんと明記し販売されているものを消費者が納得して購入するのは問題ありませんので誤解なさらないようにして下さいね。

価値はほぼゼロ!鉛ガラス含浸処理ルビーとは

含浸ルビー
一見、美しいのに安価な天然ルビーの正体、それは「鉛ガラス含浸処理ルビー」です。

鉛ガラス含浸処理は、もともと宝石としては使用できないような品質の低いルビーを美しくするための人工処理。

白っぽいと感じるほどにクラック(ヒビ)や内包物があり、透明感のないグレーのルビーが、鉛ガラス含浸処理を施されることによってみずみずしいネオンピンクに変化します。

鉛ガラスを充填されたルビーは、天然石ではありますが、宝石としての価値は殆どありません

【決定版】宝石の処理とその価値についてまとめ

鉛ガラス含浸処理ルビーの見分け方とは?

私の場合は、ルビーには処理石が多いという認識だけはあったので、見分ける自信がないから手を出さないようにしようと思っていました。

しかし最近は見分け方を知ったので、少しずつ興味を持ち始めています。その方法についてお伝えします!

表面に謎のヒビのような線がある

表面にヒビの線が見える鉛ガラス含浸処理ルビー
ルビーに光を当てて、キラリと光らせたときに表面にヒビのような線が見えるもの。それは、ほぼ間違いなく鉛ガラス含浸処理ルビーです。

鉛ガラス含浸処理というのは、先程もお話したようにクラックや内包物が多く、色も薄いようなルビーに施される処理です。

鉛ガラスを中まで浸透させるには、表面まで達するようなヒビ割れがある必要があるのです。

処理を行うことで、パッと見美しいルビーになりますが、表面のヒビの跡までは消すことができません。

心配なときには、表面を光らせてチェックしてみましょう。

ルビーの内部に気泡が入っている

気泡の含まれた鉛ガラス含浸処理ルビー
手作りのガラス製品に入っている丸い気泡を見たことがあると思います。

鉛ガラスもガラスの一種であるため、気泡ができやすいのです。

通常のルビーには気泡はありません。

気泡が入っているルビーは、鉛ガラス含浸処理ルビーと覚えておきましょう。

鉛ガラス含浸処理ルビーのどこがいけないの?


見た目だけであれば、高品質なルビーと一見見分けがつかないほどに美しい鉛ガラス含浸処理ルビーですが、価値がほぼゼロにまで下がってしまうのはなぜでしょうか。

そのひとつが、「耐久性の低下」です。本来、ルビーは硬度も高く、時計の部品に使われるほど丈夫な宝石。

それが、硬度の低い鉛ガラスを注入されることで、本来の硬度を保つことができなくなります。また、酸にも弱くなります。

耐久性が高いというのは、ルビーの価値が高い理由の1つでもあります。

その重要な長所が損なわれるのですから、価値が下がるのも当然のことなのです。

騙されないようにご注意を!

含浸ルビー
インターネットなどでは、鉛ガラス含浸処理を施されたことをわざと伏せて販売されるケースもあるようです。

パソコン越しの画像だけでは、表面のヒビの線や気泡までは分かりにくいですよね。

購入時に実物を確認できないのであれば、信頼できるお店から購入するのが良いでしょう。返品可などとしているところでもいいですね。

ルビーはよく見かける宝石かもしれませんが、購入時に最も注意した方がよいともいえる宝石なのです。

カラッツ編集部 監修

ABOUT US

趣味で20年以上レアストーン寄りの宝石やジュエリーを収集しています。メキシコのウォーターオパールからはじまり、既に50種類以上のルースを所持しています。王道(?)のグランディディエライトやレッドベリルをはじめ、コーネルピンやペツォッタイトといった誰も知らないような希少石も大好物。宝石を太陽光に当てたり、ブラックライトで照らしたりしてマニアックに宝石を楽しんでいます。