オパールの魅力は、なんといっても幻想的な遊色効果ではないでしょうか。
光を当てると浮かび上がる不思議な色のパターン(模様)は、ずっと見ていても飽きないほどに魅力的ですよね。
オパールの遊色パターンの種類はさまざまで、それぞれ価値も異なります。
今回は、オパールの遊色パターンの種類やパターンによる価値の違いなどについてご紹介していきます。
知識を磨いて、オパール選びをもっと楽しんでくださいね!
目次
オパールとは
オパールは非晶質の宝石で、シリカゲルが硬化したものです。
原石はシリカの層が幾重にも重なって生成したもので、殆どが1500万年以上前にシリカに富んだ砂漠地帯で形成したものだと考えられています。
オパールは、大まかに分けて遊色効果を見せるプレシャスオパールと、遊色効果を見せないコモンオパールの2種類に分類されます。
遊色効果とは、オパールの表面で虹色の模様が揺れ動くように現れる効果のことです。
英語でも、和名と同様に色が遊ぶという意味のプレイオブカラーと呼ばれています。
遊色を見せるプレシャスオパールは、ホワイトオパール、ブラックオパール、ボルダーオパール、ファイアオパール、ウォーターオパール、カンテラオパールなどが代表的です。
遊色に見られる色の種類と価値の違い
オパールに遊色が現れるのは、オパールの内部でシリカ球が密接に並んでいることを起因とすると考えられています。
これらに光を当てることで回折と干渉が生じ、虹色のような遊色を見せるのだそうです。
石によって含有するシリカ球の大きさや配置も様々なため、異なる遊色の大きさやパターン(模様)を表現するといわれています。
プレシャスオパールは地色の種類によって価値が異なりますが、更に遊色の鮮やかさやパターン、大きさ、遊色の色などを評価して価値が決められます。
遊色の色と価値
オパールの遊色には、レッド、オレンジ、グリーン、イエロー、ブルー、バイオレット、パープルなどまさに虹色が見られます。
中でもレッドの斑点を見せるものが最も高く評価され、次にオレンジ、グリーン、ブルーを見せるものが高く評価されるといわれています。
オパールの遊色パターン
オパールの遊色パターンは、含有するシリカ球の並び方や大きさによって異なるということが分かりました。
遊色のパターンは種類によって評価と価値が異なります。
オパールを価値で選ぶのであれば、どのようなパターンを見せるかも大切なポイントになります。
これより以下では、代表的な9種類のパターンをご紹介していきます。
特にハーレクインやリボンなどはブラックオパールに見られることが多いパターンで、希少価値高く扱われます。
ピンファイア
点のように小さな斑点を見せるタイプの遊色です。
ピンの先で色を付けたような極小の斑で、これらが集まることで炎が広がったような明るさを見せます。
ハーレクイン
最も希少価値が高いタイプの遊色です。
長方形やひし形をした大きな斑点をはっきりと見せ、遊色のパターンがパッチワークのように繋がっています。
ハーレクイン(Harlequin)とは、16世紀のイタリアで仮面を被り即興喜劇を演じたコメディアン「アルレッキーノ」を英語で表したものです。
フランス語では「アルルカン」と言います。
彼らは明るい色で不規則な形の模様が描かれた衣装を身に着けており、この模様が遊色パターンに似ていることから、ハーレクインと呼ばれるようになりました。
石の一部分のみにハーレクインパターンを見せるオパールがたまにありますが、石全体に模様を見せるものだけが「ハーレクイン」と呼ばれます。
フレーム
石全体に、赤味を帯びたラインや縞模様を見せるタイプの遊色です。
ピーコック
グリーンとブルーの鮮やかな遊色を見せるパターンです。
ピーコック(孔雀)の羽根色に似ていることから、このように呼ばれています。
リボン
画像:リボンとハーレクインの組み合わせ
遊色の色が帯状になり、石の表面をリボンの紐が横切るような模様を描いています。
特に、異なる色が繋がり帯状になったものほど、高く評価されています。
特にこのタイプは珍しいため、ブラックオパールの中でも高い希少価値が付けられます。
フラッシュとローリングフラッシュ
画像:ローリングフラッシュ
オパールを手に取って動かした時、ある特定の角度で広い範囲に明るい閃光を見せるパターンをフラッシュといいます。
そしてフラッシュパターンの中で、鮮明な閃光が一筋のラインとなって現れ、動かすと色の光がコロコロと転がっているように見えるパターンをローリングフラッシュと呼びます。
光のラインがより細く真っ直ぐであるものは、希少なキャッツアイと評価されます。
パレット
パレットに絵の具を筆で塗ったような形で閃光が現れるパターンです。
ストロー
麦わらのような太い色の班が交差するように現れるパターンをストローと呼びます。
英語でストローは藁(わら)を意味します。
チャイニーズライティング
直線を描いた色が交差して現れるパターンで、その様子がまるで漢字のように見えることからチャイニーズライティングと名付けられたといわれています。
遊色パターンによる価値の違い
オパールの遊色パターンは種類が豊富ですが、種類によって価値に違いが出ます。
数あるパターンの中で最も評価が高いのは、ハーレクインです。
はっきりとした鮮やかな遊色のパターンですが、発見されることが少なく高い希少価値が付いています。
一般的なオパールでは小さな斑点よりも大きくてはっきりしたパターンを見せるタイプが人気です。
遊色の色は前述したように、レッドを見せるものが最も高く評価され、次にオレンジ、グリーン、ブルーが高い評価を得るといわれています。
さらに、パターンの大きさや形状によっても評価が異なります。
遊色のパターンの色がはっきりと鮮やかであり、強い輝きを放つものほど価値が高くなります。
地色の背景に対して、美しい模様を表現しているか、遊色の斑点が石全体に広がっているかなども大切です。
遊色が見られないデッドスポットがある場合、その位置や数によって価値に影響が出ます。
最後に
オパールの遊色効果はそれぞれ個性的で、この世に同じものは存在しないといわれるほどです。
例えば同じハーレクインでも、色の組み合わせやパターンの大きさなどが、それぞれ微妙に異なります。
宝石との出会いは一期一会であり、オパールも同じです。
パターンや地色の好みは人それぞれ。ご自分のお好みに合うオパールを見つけて、不思議な遊色の魅力をたっぷり楽しんでくださいね。
カラッツ編集部 監修