まるで虹を閉じ込めた卵のように見える宝石、カンテラオパール。
それはとても天然で出来たものとは思えないような不思議な魅力で、初めて目にする方の多くは「本当に宝石なの?」と目を丸くして見つめていらっしゃいます。
今回はそんなカンテラオパールの魅力と共に、カンテラオパールにも偽物があるのかについて、お話ししたいと思います!
カンテラオパールとは
カンテラオパールとは別名メキシコオパールで「メキシコ産の母岩付き遊色効果がみられるオパール」のことです。
カンテラオパールの「カンテラ」とは、スペイン語の「石切場、採石場」の意味から由来しています。
オパールが作られる岩のことを母岩というのですが、母岩部分は流紋岩質(リュウモンガンシツ)という火山岩の一種になります。
メキシコでこの岩のことをカンテラと呼んでおり、母岩ごとオパールを取り出し、研磨して仕上げることから、カンテラオパールというのです。
殆どのカンテラオパールは、カボションカットに仕上げられます。そのフォルムはまるで卵。
そう、カンテラオパールの一番の魅力は、母岩部分がまるで卵の殻のようで、オパールが卵の中身のように覗いている、そんな神秘的でユニークなかわいらしさです。
カンテラオパールのオパール部分は、七色の光が揺らめく遊色効果(ゆうしょくこうか)がみられるので、まるで虹が卵の中に納まっているように見えるのです。
ジュエリーに仕立ててももちろん素敵なのですが、カンテラオパールはルースのまま持っていてもその卵感がたまらなく可愛いので、ずっと見つめていられておすすめですよ!(笑)
カンテラオパールの産出地
カンテラオパールの産出地は前述した通りメキシコです。
本来は、「メキシコ産の母岩付き遊色効果がみられるオパール」のみをカンテラオパールと言っていたのですが、最近ではオーストラリアで産出された、母岩と一緒に研磨されたボルダーオパールのことも、卵のように研磨されていると、カンテラオパールと呼ぶことがあります。
ブラジル産のものも同様です。
カンテラオパールの価値
比較的豊富な産出量なので、大きなものでなければ価格もリーズナブルなものが多いカンテラオパール。
中に見られるオパールの美しさと大きさにもよりますが、一般的には同じメキシコオパールのウォーターオパールやファイヤーオパールよりも手にしやすい価格帯となっています。
母岩に包まれているので、見た目もボリューミーに見えてお得な印象ですね♪
カンテラオパールの偽物
しかしカンテラオパールにも残念ながら偽物が存在します。
ジュエリーとして宝飾用に使えない小さなオパールを、流紋岩やそれに似た岩を粉末にした練り物(練り石)に埋め込み似せて作ります。
練り石に埋め込んでいるだけなので、母岩部分がとても不自然で、オパールと母岩の境目が取ってつけたような感じ。
画像は偽物のカンテラオパールですが、継ぎ目部分が不自然ですよね…?
本物はこちら。変な継ぎ目もなくとても自然でつるんとしています。
殆どのカンテラオパールの偽物がこんな感じなので、本物のカンテラオパールを見慣れていれば、簡単に見分けられるかと思います。
※模造石自体が悪い訳ではありません。模造石として、きちんと明記し販売されていれば問題ありません。悪いのは事実を隠して高額に販売することです。
最後に
自然が作り出したとは思えない不思議で可愛らしい魅力があふれる、カンテラオパール。
七色の光を見せるオパールが覗くカンテラオパールが、虹の卵と言われるのも納得ですね!
比較的手に入りやすく、さまざまな色合いのものが豊富にありますので、これだ!という気に入ったカンテラオパールを探すのも楽しいですよ♪
※カンテラオパールの他にも様々な種類のオパールを紹介していますので、こちらの記事もぜひどうぞ!
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カラッツ編集部 監修