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ファイアオパール|燃える炎のような色が魅力。メキシコオパールとは違う?

ファイアオパール ルース

炎が燃えるような色をしたファイアオパールは、古来から人々に愛されてきました。

ウオーターオパールとともに、主にメキシコで産出されるオパールです。

遊色効果を示すものと示さないものがあり、他のオパールにはない太陽のような輝きが魅力的です。

今回は、ファイアオパールの特徴原石の形偽物の存在価値基準などについてまとめてみました。

ファイアオパールとは?

ファイオパール ルース2

オパールは、ゲル状のシリカが硬くなって生成すると考えられている鉱物です。

表面には顕微鏡でも見えないくらい微細な穴が空いており、3~10%の水分を含むことから、乾燥には弱いといわれています。

光を当てると虹色の揺らめきが見える、遊色効果(プレイオブカラー)を示すプレシャスオパールと示さないコモンオパールの2つに大きく分けられます。

ファイアオパールは、そんなオパールの変種の一つオレンジ~レッドの色合いが特徴的な宝石です。

鉱物としての基本情報

英名 Fire Opal(ファイアオパール)
和名 火蛋白石
鉱物名 オパール
分類 珪酸塩鉱物
結晶系 非晶質
化学組成 SiO2・nH2O
硬度 5.5-6.5
比重 1.99-2.25
屈折率 1.37-1.47
光沢 ガラス状

特徴

ファイアオパールは透明から半透明で、炎が燃えるようなオレンジ、イエロー、レッドが特徴的です。

メキシコオパールメキシカンファイアオパールと呼ばれることもあります。

そう、メキシコオパールとファイアオパールは同じものを指すのですね!

冒頭でも触れたとおり、メキシコではウォーターオパールも採取され、ウォーターオパールのことをメキシカンウォーターオパールと呼ぶこともあるそうです。

色の起因は鉄の影響によるものと考えられています。

ファイアオパールには遊色効果を示すものが多いようですが、示さないものもあります

ファイアオパール ルース3

メキシコでは、ネオンのようなグリーンの閃光を放つものが発見されることもあるそうです。

他のプレシャスオパールと同様に、遊色効果を示すものはカボションカットが施されることが多いです。

母岩とともに卵のような形で研磨され、カンテラオパールとして流通するものも多いですね。

カンテラオパール

名前の意味

前述したとおり、ファイアオパールは炎が燃えるような美しく濃いオレンジ~レッドの色合いが特徴的です。

その見た目から、炎=ファイアという意味合いで名付けられました。

背景色がレッドオレンジ~鮮やかなレッドをしたものは、チェリーオパールと呼ばれています。

産地

ファイアオパールの産地として最も有名なのはメキシコです。

他に、ブラジル、オーストラリア、グアテマラ、ホンジュラス、エチオピア、アメリカネバダ州とオレゴン州などでも産出されています。

チェリーオパールも多くはメキシコから産出されるといいますが、ホンジュラスやアメリカ南西部で採鉱されることもあるそうです。

オパールは産地特定ができない宝石です。

原石の形

ファイアオパール 原石

ファイアオパールは砂岩鉄鋼岩などの堆積岩中で産出されるといわれています。

メキシコでは流紋岩の空洞を満たした形で発見されることも多くあるそうです。

オパールの部分だけ取り出して研磨されたものがファイアオパール、母岩の内部をオパールが満たした状態のものを母岩ごと切り出しそのまま研磨されたものがカンテラオパールとして流通するということです。

ファイアオパールの定義

ファイオパール ルース4

ファイアオパールは主に背景色で定義付けられます。

一般的なファイアオパールの定義は

  • 透明から不透明の範囲
  • 色はレッド、オレンジ、イエロー。炎が燃えるような、特徴的な色をしている。

の2点です。

遊色効果の有無は関係ないため、遊色効果を示すものと示さないものがあるということです。

ファイアオパールの偽物

天然オパールに加熱処理を施したものや人工的に作られた合成オパールなどがファイアオパールとして流通することがあるそうです。

事実を明記して販売され、消費者が納得して購入する場合は勿論問題ありません

しかし、これらを「天然のファイアオパール」と偽って販売している場合には、偽物を掴まされたという結果になってしまいますよね。

そうならないためにも、まずは存在を知っておきましょう

 加熱処理を施された天然オパール

天然オパールに加熱処理を施したものがファイアオパールとして販売されていることがあるそうです。

しかし、実はこれら、ファイアオパールを作るために加熱処理が施された訳ではないそうです。

どういうことでしょうか。

多くはブラックオパールとして販売するために加熱処理を施した結果、グレーやブラックにならずオレンジになってしまったものがファイアオパールとして販売されているのだそうです。

実際に見たり触ったりすれば一目瞭然で分かる程、完成度は高くないものが多いようですが、写真だけだと一見見間違うこともあるかもしれないとのこと。

念のため注意が必要ですね。

紫のハイドロフェーンオパールを着色したもの

GIAのレポートでは、紫色のハイドロフェーンオパールを着色して、ファイアオパールに似せたものが見つかったと報告されています。

遊色効果を示し、比重や光学的性質も天然産と同じでしたが、石の表面に人工処理の証拠となる色の濃度やへこみが見つかりました。

この石を水に一晩浸した結果、染料が溶け出して水がかすかなオレンジ色に染まったそうです。

合成オパール

合成石は天然石と同じ成分近い環境下人工的に作られたものです。

一概に偽物とは言い切れない部分もありますが、天然石ではありませんので、天然石にこだわる方は注意した方が良いでしょう。

メキシファイア(Mexifire)

人工宝石の製造会社「rhea industries」が作り出した合成ファイアオパールで、アメリカで特許取得しています。

メキシファイアは天然ファイアオパールに似た化学組成をもつ、シリカゲルです。

遊色効果は示しませんが、モース硬度と比重が天然と同じで、色や透明感もそっくりです。水分量が少ないため、自然光の下で長時間晒してもひび割れしにくい性質をもちます。

クレサンベール

日本で唯一、合成オパールを製造する京セラによるクリエイテッド・ファイアオパールです。

天然オパールと同様にシリカ粒子を素材に用いて、天然オパールが生成する過程を参考に長い時間をかけて作られています。

化学組成、モース硬度、屈折率が天然と全く同じで、遊色効果も示します

ファイアオパールの価値基準と市場価格

ファイオパール ルース5

価値基準

ファイアオパールは、レッド、イエロー、オレンジのどの色合いにも価値があります

美しい色相をしており、色が石全体に均一に広がっているほど評価が高くなります。

インクルージョンやキズ、亀裂などがないほど高く評価されます。

ひび割れがないことも評価基準となりますが、石の見た目が濁っているものは、乾燥しきったため将来ひび割れが生じる恐れがあるとして低く評価されます。

地色が濃く遊色効果があるファイアオパールの方が全般的に価値は高いです。

また、遊色の強度範囲背景色との割合パターンなどが評価されます。

ファセットカットの場合はそのバランスカボションカットの場合はカボションの厚さなどが価値を決める基準となります。

色や遊色効果を美しく表現するカットであるかも確認されます。

市場価格

ファイアオパールはクォリティによっては一万円以下でも探すことはできます。

全体的には数万円~数十万円位のものが多い印象です。

色が濃く遊色も美しいトップクォリティのものですと、サイズによっては百万円以上するものもあります。

どこで買える?

ファイアオパールを取り扱っているお店はルースでもジュエリーでも多い印象です。

オンラインショップでも多く見かけますので、色々なお店を見て比較検討するのも良いと思います。

ファイアオパールのお手入れ方法

ファイオパール ルース6

ファイアオパールは他のオパールと同様デリケートな宝石です。

熱や乾燥に弱いため、直射日光の当たる場所乾燥しやすい場所で保管することは避けましょう。

ドライヤーや暖房器具の熱が直接当たらないようにも念のため注意してあげて下さいね。

表面に、目に見えない微細な穴が空いている多孔質という性質により、水分を吸い込みやすいといわれています。

化粧水香水などがかかって吸収してしまうと、それらに含まれる化学薬品が中に残ってしまう恐れもあるそうです。

身支度が全て終わった後に身につけるようにした方が安心かもしれません。

衝撃にも弱いため、強くぶつけないようにも注意が必要です。

オパールのお手入れ方法についてはこちらの記事を参考に★

最後に

ファイオパール ルース7
力強い色を放つファイアオパールには、他のオパールとはまた違う独特の魅力があるように感じます。

採掘されてきた歴史も長く、古代の時代にはファイアオパールは楽園の水で作られたと信じられていたそうです。

かつてのメキシコにあった古代アステカ文明では、人々はこの石を「極楽の鳥」という意味の「quetzalitzlipyollitli」と呼び、崇拝していたそうですよ。

知れば知るほど奥が深いオパールの世界。魅力は尽きませんね。

カラッツ編集部 監修