【有楽町マルイ】KARATZポップアップストア開催のお知らせ [12/20(金)~26(日)]

キュープライト(赤銅鉱)にはどんな意味がある?ガーネットと似ている?

キュープライト 原石

キュープライト(赤銅鉱)は銅を多く含む鉱物で、古来から銅の主要鉱石として用いられてきました。

ガーネットに似た赤色とダイヤモンド光沢を放つことから、コレクターから高い人気があります。

今回は、希少な銅の鉱物キュープライトの話をお伝えしていきます。

キュープライトとは?

キュープライト 原石
キュープライトは銅を90%近く含む鉱物です。

結晶は透明から半透明で、濃い赤色をしています。ダイヤモンドと同じ強い金剛光沢を見せ、ガーネットに似た美しい赤色をしていることから、コレクターに人気のある鉱物です。

モース硬度が3.5~4と軟らかいため、カットが困難でジュエリーにはあまり向かないとされます。

カットすると表面が次第に黒く変色する特質をもっています。

長い間銅の主要鉱石として用いられ、現在も世界中で採掘されています。

鉱物としての基本情報

英名 Cuprite
和名 赤銅鉱(せきどうこう)
分類 酸化鉱物
結晶系 等軸晶系
化学組成 Cu2O
モース硬度 3.5 ‐ 4
比重 5.85 ‐ 6.15
屈折率 2.84 – 2.85
光沢 金剛光沢~金属光沢

名前の意味

銅を多く含むキュープライトは古来から銅の主要鉱石でした。

このことからラテン語で銅という意味をもつキュプルム(Cuprum)を名前の由来とします。

銅を含み主に濃い赤色をしていることから、和名では「赤銅鉱(せきどうこう)」と呼ばれています。

また、独特の濃い赤色と強い光沢を放つことから、ルビーコッパー(Ruby Copper)レッドコッパー・オア(Red Copper Ore)などの名前でも呼ばれています。

赤色、暗赤色、赤褐色、帯紫赤色、黒色。

産地

宝石品質のものは、チリボリビアオーストラリアから採れることが多いといわれています。

かつてはナミビアから良質のものが多く産出されたそうですが、現在は枯渇してしまったようです。

その他にもコンゴ、アメリカ、メキシコ、フランス、ロシア、ルーマニア、イギリス、ドイツ、中国、日本などで産出されるといわれています。

キュープライト(赤銅鉱)の原石の形

キュープライト 原石

キュープライトは、カルコパイライト(黄銅鉱)、カルコサイト(輝銅鉱)、ボーナイト(斑銅鉱)など銅の硫化鉱物鉱床の酸化帯で生成される二次鉱物です。

結晶は塊状や粒状の集合体土状で生成しますが、稀に小さな結晶で見つかることもあるといわれています。

結晶の形は6面体か8面体で、12面体のものが見つかったこともあるそうですが、多くは塊状で産出されるといいます。

原石はコッパー、マラカイト、アズライト、チャルコサイトなどを伴っていることが多いそうです。

チャルコトリサイト(針銅鉱)/ Charcotrichite)

チャルコトリサイト 原石
キュープライトの結晶が細い針状の平行集合体になったものです。

結晶の太さにより毛銅鉱、毛赤銅鉱などとも呼ばれます。

かつて日本の秋田県日三市鉱山荒川鉱山などで産出されたことで有名です。

またアメリカアリゾナ州でも産出されるといわれています。

キュープライトの特徴

キュープライト 原石
キュープライトは透明や半透明で濃い赤色をしていますが、光や空気に長時間さらすと表面が鈍い灰色や黒色に変色していくといわれています。

これは、キュープライトを空気中の光に当てることで「テノライト(Tenorite/黒銅鉱)」に変化して、光をより多く吸収するからと考えられています。

カットした結晶を置いておくと次第に変色するため、保存には注意が必要です。

透明や半透明で強い金剛光沢を見せ、ガーネットに似た濃い赤色が魅力的ですが、硬度が低くもろいためカットには向かないとされます。

キュープライトの歴史

キュープライト 原石

キュープライトが最初に紹介されたのは、1845年のことだったそうです。

それ以前は様々な名前で呼ばれていた鉱物をオーストリアの鉱物学者がキュープライトと名付けたと伝わります。

キュープライトは世界各地で採掘されており、結晶は一般に塊状で産出されていました。しかし当時は、1カラット以上にカットできる原石はほとんど採掘されていなかったといいます。

ところがある時、ナミビアの鉱山で大粒の美しい結晶が発見されます。

これらは1カラット以上にカットされ、ファセットを施した美しい宝石として流通しました。

後に鉱山が枯渇したため流通量が少なくなり、現在見かけることは殆どないといわれています。

カット石を空気中の光にさらすと変色することから、現在キュープライトとして流通しているものには、銅を混ぜて赤色にしたものもあるようです。

宝石としてのキュープライトの魅力

キュープライト 原石
キュープライトは美しい赤色とダイヤモンド光沢を放つことから、コレクターに人気のある鉱物です。

6面体や8面体の結晶が集合した結晶群は、はっきりした輪郭をしているため、小さくても宝石として素晴らしい美しさを放ちます。

ステップカットを施すと、透明度の美しさと濃くて明るい赤色が引き立ちます。また、オーバルブリリアントにカットされる場合もあります。

最後に

キュープライト 原石
キュープライトは、ガーネットのような深いレッドが魅力的な鉱物です。

軟らかくてもろいため宝石としてカットされることは稀ですが、原石のままでも素敵です。

しかし光や空気にさらされると黒く変色していくそうですので、保管する際は注意して下さいね。

カラッツ編集部 監修