ダイヤモンドからオパールまで!世界の有名宝石8選

皆様は、世界的に有名な宝石といえば、どんなものが思い浮かびますか?

これまでに、呪いのホープ世界最大のカリナンバイーアエメラルドを始めとした多くの宝石をご紹介してきましたが、まだまだ世界には有名な宝石が幾つもあります。

今回は、カットされたダイヤモンドサファイアルビーエメラルドオパールの中から、30ct~560ctアップという、驚愕のサイズと美しさを誇る8つの宝石を厳選してみました。

どれも眩いばかりの宝石です。それぞれにまつわる歴史逸話を画像とともにお楽しみください♪

コーラ社のサンドロップ・ダイヤモンド(The Cora Sun – Drop Diamond)

出典元:http://www.sothebys.com/

ペアシェイプにカットされた、110.03カラットのイエローダイヤモンドです。

GIAの鑑定書によると、色は天然のファンシー・ビビッド・イエロー、透明感はVVS1と評価されています。

世界最大のイエローダイヤモンドのひとつであるといわれる「サンドロップ」は、2010年に南アフリカの鉱山で発見され、ニューヨークを拠点とする宝石商「コーラ・インターナショナル(Cora International)」が購入しました。

コーラ社が所有していた「サンドロップ・ダイヤモンド」が最初に公の場に姿を現したのは、ロンドンの自然史博物館

2011年2月から期間限定で展示されました。

同年11月、コーラ社は「サンドロップ・ダイヤモンド」をイエローゴールドに配したリングとして、サザビーズのスイス・ジュネーブで開催したオークションに出品しました。

競売の結果、リングは1,236万米ドル(約13億2千万円)で落札されます。

この額は、イエローダイヤモンドの最高落札額の記録を更新することになりました。

ドレスデン・グリーン(The Dresden Green)

Photo by : 360b / Shutterstock.com

約41ctのグリーンダイヤモンドです。

天然のグリーンダイヤモンドの中で、最も大きく美しいと評価されています。

インドのガルコンダ地方で発見されたといわれ、1741年ザクセン選帝侯アウグストス2世購入したと記録されています。

アウグストス2世は王室御用達ジュエラーに命令し、このグリーンダイヤモンドを配した豪華なゴールデン・フリース(金羊毛騎士団の勲章)を作らせました。

1746年にゴールデン・フリースは解体され、トップに約49ctのカラーレスダイヤモンドを配した新たな勲章へとリメイクされました。

1763年、アウグストス2世と息子のフリードリヒ・クリスティアンが他界すると、アウグストス2世の13歳の孫フリードリヒ・アウグストスがグリーンダイヤモンドを引き継ぎ、1768年に現在の形へと再リメイクさせました。

「ドレスデングリーン」は、戦火を逃れることを理由に、何度も保管場所を移動しています。

現在はドイツ東部ザクセン州都ドレスデンにある、ドレスデン美術館内の緑の円天井室(ザクセン王家の宝物館)で永久展示されています。

「ドレスデングリーン」という名前は、ザクセン王国の古都ドレスデンで芸術や建築を発展させた、ザクセン選帝侯アウグスト2世が所有したことを由来としています。

ローガン・サファイア(The Logan Sapphire)

出典元:https://geogallery.si.edu/

スリランカで発見された、423ctのブルーサファイアです。

ファセットカットされたブルーサファイアでは、世界最大の一つに数えられています。

ミックス・クッションカットが施された「ローガンサファイア」は、濃いブルーに薄いバイオレットのトーンを見せます。

紫外線を当てると、赤味を帯びたオレンジ色に光るそうです。

1997年のGIAの鑑定結果では、加熱処理などの施されていない天然の色であると証明されました。

サファイアはシルバーとゴールドにセッティングされ、20石のラウンドブリリアントカットのダイヤモンド(トータル約16ct)で囲んだブローチが誕生しました。

「ローガンサファイア」は、元々はインドのマハラジャが所有しており、後にボンベイの第3代準男爵エリス・ビクター・サッスーン(Ellice Victor Sassoon)に引き継がれたそうです。

その後ロバート・グッゲンハイム(Robert Guggenheim)大佐が購入し、1952年頃に妻レベッカへのクリスマス・プレゼントとして贈ります。

1960年、レベッカはこのサファイアをアメリカ・スミソニアン博物館に寄贈しますが、1971年まで所有権を保持していました。

レベッカはこの頃ジョン・ローガン(John A. Logan)氏と再婚していたため、「ローガン・サファイア」と名付けられました。

スター・オブ・インディア(The Star of India)

出典元:https://gem-a.com/

濃いブルーに6条のラインを表現する、563.35ctのスターサファイアです。世界で最も大きい、宝石品質のブルースターサファイアであるといわれています。

「スター・オブ・インディア」は、ミルキーなブルーの地色に、針状ルチルの内包物による6条のスター効果を見せます。

さらに、光を当てる角度によって4条6条12条などのアステリズムを見せるという、大変珍しい特徴をもっているのです。

原石は300年以上前のスリランカで発見されましたが、名前はインドの星という意味の「スター・オブ・インディア」です。

なぜ「インド」と付いたのか、理由は定かではないようです。

ただ、スリランカがインド同様に英国の支配下であったことや、インドもサファイアの産地であるため、このサファイアがヨーロッパに渡った後混同されたのではなどと言われています。

1902年、「スター・オブ・インディア」は所有者であった米銀行家のJPモーガン氏によって、ニューヨークのアメリカ自然史博物館に寄贈されました。

この後盗難に遭いますが、そのことについては次の項目で詳しくお伝えします。

デロング・スタールビー(The Delong Star Ruby)

出典元:https://www.diamondsfactory.co.uk/

100.32ctという、巨大なスタールビーです。

深いレッドにくっきりとした6条の線を表現するこのスタールビーは、1930年代に発見されました。

鉱物コレクターでディーラーのマーティン・レオ・エールマン(Martin Leo Ehrmann)氏が所有していましたが、1937年エディス・ハギン・デロング(Edith Haggin de Long)夫人が購入。

夫人の苗字を取って「デロング・スタールビー」と命名されました。

スタールビーはこの後、ニューヨークのアメリカ自然史博物館に寄贈されました。

しかし、1964年10月、同博物館は世紀の宝石強盗と後世に名を残す盗難被害に遭ってしまいます。

窃盗グループは「デロング・スタールビー」をはじめ、上項目でご紹介した「スター・オブ・インディア」、「ミッドナイト・スター・サファイア」といった多くの貴重な宝石を盗み出したのです。

その後窃盗団は逮捕され、これらの宝石は回収されています。

マッケイ・エメラルド(THE MACKAY EMERALD)

出典元:https://geogallery.si.edu/

コロンビアのムゾー地域で発見された、167.97ctのエメラルドです。

巨大なカボションカットのエメラルドは、カルティエによってプラチナ製のネックレスにセッティングされました。

エメラルドの周囲に、2191石のラウンドブリリアントとステップカットのダイヤモンド35石のエメラルドを配した、アールデコ調の豪華なネックレスです。

このネックレスは1931年アメリカの資本家クラレンス・マッケイ氏が購入し、妻となったオペラ歌手アナ・ケースさんへ結婚祝いとして贈りました。

1984年にアナさんが他界、その後ネックレスはアメリカ・スミソニアン博物館に遺贈され、現在も同博物館で展示されています。

チョーク・エメラルド(The Chalk Emerald)

出典元:https://geogallery.si.edu/

37.8ctのコロンビア産エメラルドです。

エメラルドとして最も高く評価される、ベルベットのような質感をもつ深みのあるグリーンを呈します。

コロンビア産エメラルドは世界最高峰として有名ですが、そんなコロンビア産の中でも、「チョーク・エメラルド」はトップクラスの美しさであると称賛されています。

このエメラルドは、かつてインドのマハラジャが所有していた、ダイヤモンドとエメラルドのネックレスのセンターに配されていたとの説があります。

エメラルドは元々は38.4ctという大きさでした。

後にリカットされ、ハリー・ウィンストン社によって60石ペアシェイプ・ダイヤモンド(トータル15ct)を配したプラチナとゴールドのリングにセッティングされました。

1972年、リングを所有していたチョーク夫人によってアメリカ・スミソニアン博物館に寄贈され、現在も同博物館内で展示されています。

オーロラ・オーストラリス・オパール(THE AURORA AUSTRALIS OPAL)

出典元:https://www.altmanncherny.com.au/

1938年、オーストラリアのライトニングリッジで発見された、180ct(約7.6cm×4.6cm)のブラックオパールです。

遊色効果の最高品質である「ハーレクイン」パターンを表現し、世界で最も価値の高いブラックオパールであるといわれています。

原石はオーストラリアのオパール企業「Altmann + Cherny」が購入し、オーバルシェイプにカット、研磨しました。

鮮やかな遊色効果が、夜空に浮かぶ明るい南極オーロラを思わせることから、「オーロラ・オーストラリス」と名付けたそうです。

このブラックオパールは、所有する「Altmann + Cherny」のシドニー店のショールーム内で、無期限で展示されています。

最後に

Photo by : Keith J Finks / Shutterstock.com

驚きました!世界で有名な宝石たちは、サイズクオリティ半端ではありませんね!

大きいだけでなく、色や透明感も優れているなんて、本当に奇跡としかいえないのではないでしょうか。

今回ご紹介した宝石は、博物館に展示されているものも多いので、一般の人も実際に見ることが出来ます。

世界中の宝石ファンにとって、嬉しいことですよね!いつか見に行ってみたいものです。

カラッツ編集部 監修