世界最大のサファイアの原石 ザ・ミレニアムサファイアとは

サファイア ジュエリー

世界最大のサファイアの原石 ザ・ミレニアムサファイアとは

世界で最も大きなサファイアの原石とは、どれ位の大きさなのでしょうか。そして、気になる価格は?

こちらでは、マダガスカルで発見された9万カラットのサファイア原石のお話と、サファイア原石の知識について詳しくお伝えしていきます。

1 世界最大のサファイア原石

世界最大のサファイア
出展元:https://www.thenational.ae/uae/giant-sapphire-in-the-uae-yours-for-180m-1.570618

 1-1 原石は9万カラット

世界最大のサファイア原石は、1995年にマダガスカルで発見されました。

原石は何と17.9㎏(約90,000カラット)という大きさだったそうです!

1-2 134のテーマによる彫刻

巨大なサファイア原石には、彫刻を施されることになります。イタリアのアーティストがデザインを担当し、彫刻には134のテーマが込められました。

その後3人の職人によって、カットと彫刻がスタート。2年もの歳月をかけて12.3㎏(61500カラット)の彫刻品に生まれ変わり、「ザ・ミレニアム・サファイア」と名付けられました。

初期イスラムの人々がメッカや祈祷の方向を知るために使われたアストロラーベや、ギザの大ピラミッド、万里の長城を始め、アインシュタイン、ガンジー、モーツアルトといった歴史的人物などが彫刻されています。

1-3 意外とお得な価格

2000年に彫刻が完成した後、ミレニアム・サファイアは1億8千万ドル(約190億円)で売りに出されました。1カラット2,926ドル(約31万円)相当の価格です。

以前、競売会社クリスティーズで「The Star of Kashmir(カシミールのスター)」という19.88カラットのサファイアが、350万ドル(約3億7千万円)で落札され、1カラットあたり17万5千ドル(約1860万円)相当であったという記録があります。

それを考えると、ミレニアム・サファイアはかなりお得な価格と言えます!?

2 サファイアの原石はルビーと同じ鉱物コランダム

コランダム原石

2-1 サファイアの青色は鉄とチタンが要因

サファイアは、鉱物コランダムの一種です。コランダムは酸化アルミニウムの結晶からできており、不純物を含まず無色のものは、ホワイトサファイアと呼ばれます。

サファイアが青くなるのは、コランダムが不純物の鉄とチタンを少量含有するため。通常サファイアと呼ばれるものは、青色のものを指します。

ルビーも同様にコランダムの一種であり、少量のクロムを含有することで、ピンクや赤色になります。

2-2 不純物の量で変わる色合い

不純物の量により、サファイアは青以外にも多彩な色合いを見せます。

  • パパラチアサファイア
    ピンクとオレンジの中間色で非常にレアです。
  • ピンクサファイア
    微量のクロムを含有してピンク色を呈します。
  • イエローサファイア
    オリエンタル・トパーズと呼ばれた、レアな黄色です。

他にも、赤、紫、オレンジ、黒など大変豊富なカラーを持ちます。

3 サファイアの産地

the Goteik Viaduct in Hsipaw

ブルーサファイア

ミャンマー、スリランカ、インドが高品質です。次いでタイ、オーストラリア、ナイジェリア。米モンタナ州、カンボジア、ブラジル、ケニア、コロンビア、マウイ。

パパラチア

スリランカ

グリーンサファイア

スリランカ、タイ、オーストラリア

ピンクサファイア

ミャンマー、スリランカ、東アフリカ

イエローサファイア

オーストラリア、タイ、スリランカ

4 サファイアの色と種類

サファイアルース
ブルーサファイアは、色合いによって価値が異なります。こちらでは、代表的な青色について、価値の高いものからご説明していきます。

コーンフラワーブルー

矢車草の花の青色に例えられることもある色ですカシミール産の特徴で、ビロードのように美しい光沢と讃えられます。

ロイヤルブルー

ミャンマー産の特徴的な色で、特にモゴック産はコーンフラワーと並ぶ最高級品質です。深い青色で透明度が高いのが特徴です。

ソフトブルー

鮮明で濃い青色を呈する、パイリン産です。ミャンマーに近いことから、ロイヤルブルーに似た色合いのものも採掘されています。

カワセミのブルー

少し淡く紫がかった青色で、高い透明度があります。カシミール産に近い高品質で、市場に多く出回っています。

まとめ

vintage key
2000年に彫刻が完成したミレニアム・サファイア。売りに出された後、売却先が決まったのか否かは公表されておらず、未だに謎のままだそうですよ。

カラッツ編集部 監修