ブルーの宝石の代表、ブルーサファイア。
古くから多くの人達を魅了し続けてきた、云わずとしれた有名宝石の一つです。
様々な場所から産出されますが、産地によって色合いや特徴などが少しずつ異なり、それぞれに違った魅力があります。
今回ご紹介するミャンマー産ブルーサファイアは、深めの色合いのものが多く、産地としての評価は二番目に高いといわれています。
それでは、そんなミャンマー産ブルーサファイアの魅力に迫っていきたいと思います!
目次
ブルーサファイアの主な産地
ブルーサファイアの主な産地は、カシミール(インド)、ミャンマー、スリランカ、マダガスカル、パイリン(カンボジア)、モンタナ州ヨーゴ(アメリカ)、オーストラリア、カンチャナブリ(タイ)、ナイジェリアなどです。
産地としての評価が最も高いのは、群を抜いて、カシミール(インド)です。
そして次に評価が高いのが、今回ご紹介するミャンマー、その後スリランカ、パイリン、モンタナ、カンチャナブリ、ナイジェリア、オーストラリアとなっています。
ミャンマー(ビルマ)産ブルーサファイアについて
ミャンマーにおけるブルーサファイアの主な産地はモゴック地方といわれます。
宝石に明るい方ならピンときたかもしませんが、ミャンマーモゴック地方といえば最高品質のルビーが採れる場所としても有名なところです。
ルビーとサファイアは鉱物としては同じため、同じ産地から採れること自体はそれ程不思議に感じないかもしれません。
ただ、一般的にはサファイアよりもルビーの方が産出量が少なく希少性が高いといわれるなか、ミャンマー産はその逆。
ミャンマー産の産出量の比率はルビー:サファイア=500:1程で、サファイアの方が圧倒的に少ないのだそうです。
だからと言って、ミャンマー産ルビーの産出量が全体的に見て特別多い訳でもありません。
それ故、ミャンマー産サファイアは希少価値高く扱われるのですね。
ミャンマー(ビルマ)産ブルーサファイアの特徴
ミャンマー(ビルマ)産ブルーサファイアは、大粒で美しく、色濃いものが多いといわれています。
特に美しいものは「ロイヤルブルー」と呼ばれ、価値高く扱われます。
また、ミャンマー産のブルーサファイアには針状のルチル(シルクインクルージョン)が内包されているものも多いそうです。
スリランカ産サファイアにもシルクインクルージョンが含まれるという特徴がありますが、ミャンマー産のシルクインクルージョンはスリランカ産よりも太くて短いものが多いそうです。
同じシルクインクルージョンでも産地によって形が違ったりするのですね。
ちなみに、シルクインクルージョンは加熱によって消えてしまうことが多いといわれるため、シルクインクルージョンがあることが非加熱の証として鑑別時の判断材料の一つになることも多いといいます。
その他にも、スタッビィ状結晶インクルージョン、スピネルインクルージョンなど特有のインクルージョンが見られるものもあるそうです。
インクルージョンの世界も奥が深そうですね!
ミャンマー(ビルマ)産ブルーサファイアの色
前述したように、ミャンマー産ブルーサファイアはブルーが濃く美しいものが多いといわれています。
そして中でもディープパープリッシュブルーで彩度の高いものはロイヤルブルーと称され、特に価値高く扱われます。
昔はロイヤルブルーといえばミャンマー産の特徴とされていたこともあったようですが、現在は色味だけで判別されるため、ロイヤルブルー=ミャンマー産とは限りません。
ブルーサファイアの最高峰と名高いカシミール産サファイアの代表的な色合いとされるコーンフラワーブルーと呼ばれる色合いがあります。
ブルーサファイアの色で最も価値高く扱われるものは、このコーンフラワーブルーとロイヤルブルーです。
ミャンマー・バウマー産
ミャンマーモゴック産の中でもバウマー(Baw Mar)鉱山で産出するブルーサファイアは、良質なものが多いといわれています。
2008年頃から流通し始めたといわれ、現在モゴック地方で最大のサファイア産地としても知られています。
宝石商の中ではムゾー産エメラルドのようにミャンマー・バウマー産にブランド価値を付けて扱うところもあると聞きます。
ただ、産地鑑別で鉱山までは特定できない場合も多いため、市場でバウマー産にこだわって探すのは少し難しいかもしれません。
ミャンマー(ビルマ)産サファイアを買うなら?
前述した通り、ミャンマー産ブルーサファイアはカシミール産の次に高く評価されます。
実際に買いたいと思った時の参考までに、価値基準などについても簡単にご紹介しましょう!
ミャンマー産サファイアの価値基準
ミャンマー産に限らず、サファイアの価値を見る中で最も重要なのは色合いです。
先にもご説明致しましたが、ブルーサファイアの色味として最も価値高く評されるのはコーンフラワーブルーとロイヤルブルーです。
かつては、コーンフラワーブルーはカシミール産の、ロイヤルブルーはミャンマー産の特徴とされていましたが、現在では色味だけで判断されるためカシミール産以外のコーンフラワーブルーサファイアやミャンマー産以外のロイヤルブルーサファイアも存在します。
色の他には、透明度、カラット(サイズ)、カットの美しさなどで総合的に評価され価値が決まります。
ミャンマー産サファイアの市場価格
ブルーサファイアの産地別の価値の違いを数字で表すと、スリランカ産を基準値と考え1とするなら、カシミール:ミャンマー:スリランカ=10:3:1といわれているそうです。
カシミール産は現在殆ど産出されず幻ともいわれ、驚くような価格で売買されることも多いといいます。
約1/3程度とはいえ、ミャンマー産ブルーサファイアもクォリティが高いものはそれなりの高値が付きます。
ミャンマー産ブルーサファイアの市場価格は、クォリティが低めのルースでも10万円前後~、クォリティが高いものは数千万円以上するものもある印象です。
ミャンマー産サファイアはどこで買える?
有名石であるブルーサファイアは、ジュエリーとしてもルースとしても多くのお店で取り扱いがある印象ですが、ミャンマー産にこだわって探そうと思うと少しお店が限られるかもしれません。
また、高額になる場合も多いため、ミャンマー産ブルーサファイアを購入する際は信頼のおける鑑別機関の鑑別書が付属しているものかオプションで付けられるものを選ばれることをオススメします。
最後に
濃いブルーの色合いが美しい、ミャンマー産ブルーサファイア。
価格を決める基準として評価は必要なものですが、評価を深く意識せず、自分好みの色で選ぶのも宝石選びの醍醐味ではないかと思います。
高品質のミャンマー産ブルーサファイアは手が出なくても、自分の好みと予算にあった出会いがいつかあるかもしれません。
少し時間は掛かってもとことん探し続ける、そういう楽しみ方も素敵だと思います♪
カラッツ編集部 監修