ヨーゴ産サファイアとは|モンタナサファイアとの違いや価値、鑑別のポイントは?

ヨーゴ産サファイア ルース

ブルーを始めとした多くの色が存在するサファイア。

世界の多くの場所から産出され、産地によって価値が異なる宝石でもあります。

その中でヨーゴ産サファイアと呼ばれるものがあるのはご存知でしょうか。

ヨーゴ産サファイアは何処で採れ、どれ程の価値があり、どんな特徴をもっているのでしょうか。

今回は貴重な存在となりつつある宝石、ヨーゴ産サファイアのお話を伝えていきたいと思います。

ヨーゴ産サファイアとは?

モンタナヨーゴ産サファイア 原石2

ヨーゴ産サファイアは、アメリカのモンタナ州にあるヨーゴ渓谷で採れるサファイアです。

アメリカのモンタナ州には他にもサファイア鉱床があり、モンタナ州で産出されるサファイアをモンタナサファイアと呼びます。

つまり、ヨーゴ産サファイアはモンタナサファイアの一つという訳ですね。

ヨーゴ産サファイアは、他の鉱床のものと比べ美しい色合いをもつものが多いことなどから、モンタナサファイアの中で最も価値高く扱われます。

高品質でスリランカ産に似ているものが発見されることもあるのだそうですよ。

ただ残念なことに現在は、鉱山が閉山したこともあり、市場での流通量も減少しているといわれています。

ヨーゴ産サファイアの色

ヨーゴ産サファイアはバイオレット~ブルーのものが多いといわれています。

ブルーの色は淡いものから濃いものまで色幅があります。

透明感が高く石全体に色がムラなく広がっており、天然のままで美しい色をしているものが多いといわれています。

 ヨーゴ産サファイアの原石

モンタナヨーゴ産サファイア 原石

ヨーゴ渓谷はモンタナ州唯一の一次鉱床です。原石は、ランブロファイアの岩脈で生成されます。

ヨーゴ産サファイアの原石は、ほとんどがフラットな板状をしているのが特徴的です。

結晶が小粒であることが多いため、1ct以上の原石が見つかることは大変稀だといわれています。

ヨーゴ産サファイアの歴史と主な産地

ゴールドラッシュにわく1800年代後半のアメリカにおいて、モンタナ州でも金の採掘が盛んに行われていました。

そんな中、1895年にヨーゴ渓谷でいくつかの青い石が見つかります。

この石を鑑定したティファニーの宝石学者ジョージ・F・クンツは、それが品質の高いサファイアであることに気づき、「アメリカでこれまでに発見された中で最も素晴らしい宝石だ。」と絶賛したといいます。

その後ヨーゴ産サファイアは市場で高い人気を博し、宝石としてカットされない原石も工業用に使用されるなど高い需要がありました。

しかし1920年代に入ると合成サファイアの台頭などもあり、時計の部品や研磨剤としてのモンタナサファイアの需要が減ってしまいます。

その上、第一次世界大戦や災害事故なども重なり産出量が減少、採掘がストップし30年以上放置されます。

1950年代後半になって、再開を試み何度か所有者が変わります。成功しかけた者も居ましたが結局長続きせず、1985年に閉鎖されます。

同じ頃、ヨーゴの南西地域で新しい鉱床「ヴォルテックス鉱山(The Vortex Mine)」が発見され採掘が始まりますが、2004年に閉山されます。

翌年マイク・ロバーツ氏がヴォルテックス鉱山の一部を購入した後成功を収めるも、2012年にロバーツ氏が鉱山事故で死去したことから再び閉鎖されます。

そして2017年ドン・ベイド(Don Baide)氏が鉱山を購入、再開に向けて調査を進めているそうです。

なおモンタナ州には、前述したとおりヨーゴの他にも幾つかサファイア鉱床があり、ロッククリーク、ミズーリ川、ドライコットンウッドなどの場所で、ファンシーカラーサファイアが発見されています。

現在採掘が最も盛んなのは、ロッククリーク鉱山だといわれています。

鑑別におけるヨーゴ産サファイアの特徴とポイント

モンタナサファイアの中で最も高く評価されるヨーゴ産サファイア。

高品質のものが多く人気が高い上に、鉱山が閉鎖されたり思うように産出できないこともあってか、年々希少価値が上がっているといわれています。

冒頭でもお話したとおり、サファイアは産地特定ができることの多い宝石です。

そこで、鑑別におけるヨーゴ産サファイアの特徴についても少しお話しましょう。

ヨーゴ産サファイアの特徴

サファイアの産地鑑別において、大きな判断材料の一つとなるのが内包されるインクルージョンの種類や形だといわれています。

産地によって特に特徴が出やすい部分であるため、重要視されるポイントなのだそうです。

ヨーゴ産サファイアのインクルージョンの特徴は、六角インクルージョン液膜インクルージョンが見られるものが多いということだそうです。

これはタイ産サファイアにもよく見られるもので、この2つの産地はインクルージョンの特徴が比較的似ているのだとか。

他にも、ヨーゴ産サファイアは別の結晶の微小な破片を囲んだ「ヘイロー」のインクルージョンを含有していることも多いのだそうです。

サファイアの生成途中に混ざり込んだ他の結晶が内部で大きくなり、ひび割れが生じた結果と考えられており、他の結晶による微細な空洞が見られるものもあるそうです。

また、ヨーゴ産サファイアにはミャンマーやスリランカなど他の産地のものに見られることが多い、針状ルチルのシルクインクルージョンカラーゾーニング(色分布)がほぼ見られないということも特徴の一つだといわれています。

それ故、石全体に色がムラなく広がり、バランスの良い色合いと透明感を感じやすいのかもしれないということのようですよ。

加熱処理の有無について

モンタナヨーゴ産サファイア 原石

ヨーゴ産サファイアは美しい色合いをした宝石品質のものが多く産出されるためか、加熱処理が施されることはほとんどないといわれています。

サファイアは内包されるシルクインクルージョンが加熱により色を鮮やかにするといわれ、一般的に加熱処理が行われることが多い宝石です。

もしかしたらカラーゾーニングやシルクインクルージョンがないというヨーゴ産サファイアの特徴も関係しているのかもしれません。

ちなみに、他のモンタナサファイアには加熱処理が施されることが多いそうです。

ヨーゴ産サファイアの価値基準

モンタナヨーゴ産サファイア

モンタナサファイアの中でも別格的に高い価値を付けられることが多いヨーゴ産サファイア。

価値の基準は、まず色合いの美しさと濃さ

それから大きいものが産出されにくいことから、カラット(大きさ)です。

その他は、目立ったインクルージョンやキズ欠けの有無や透明度、カットの美しさなどから総合的に評価されるといいます。

サファイアは産地特定ができるものも多いため、産地も価値評価に入ります

ヨーゴ産に限らず、モンタナサファイア全体としての一般的評価でいうと、スリランカ産の大体1/3の位、パイリン産と同じくらいだといわれています。

ちなみに、スリランカ産はカシミール、ミャンマーに次いで3番目に価値評価が高く、産出量も比較的安定しているため基準値にされることが多い産地です。

年々モンタナサファイアを取り扱う業者が増えている印象がありますので消費者のニーズが上がっているのかもしれませんね。

最後に

モンタナヨーゴ産サファイア 原石

ヨーゴ産サファイアについてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか、

ヨーゴ産サファイアは安定的に採掘することが難しかった歴史があり、現在も本格的には再開されていないようですので、市場での流通量も年々減少している希少なサファイアだということがお分かり頂けたでしょうか。

しかも1ct以上のものは、奇跡といえるほど珍しい存在だといわれています。

他の産地とは異なる特徴をもち個性的な魅力を放つヨーゴ産サファイア。

現在市場に出回ることは少ないといわれますが、いつか何処かでお目にかかりたいサファイアの一つです♪

カラッツ編集部 監修