鮮やかなピンク色が特徴的なピンクサファイアは、愛らしく清楚でとても人気がある宝石です。
上品なピンク色は、眺めているだけでうっとりとした気分にさせてくれますね。
一般的にサファイアといえば青色のものをイメージされる方が多いと思いますが、今回はそんなピンク色のサファイアについて、価値や価格、同じ鉱物グループのルビーとの違いなど、アレコレをご紹介したいと思います。
目次
ピンクサファイアの特徴

ピンクサファイアは、コランダムという鉱物の一種です。
コランダムはダイヤモンドの次にモース硬度が高い鉱物種で、赤色のものをルビー、それ以外の色のものを全てサファイアと呼んでいます。
実は純粋なコランダムの結晶は無色透明です。
それが結晶に組み込まれる不純物(鉄、チタン、マグネシウム、バナジウム、クロムなど)の違いによって色が変化するそうです。
なので、一般的にサファイアといえばブルーの宝石ですが、実は色んな色が存在し、ピンクサファイアもその一つということになります。
ちなみに、ルビーの赤とピンクサファイアのピンク。物によっては色が似ているものもあるこの2つの宝石、その違いとは何なのでしょうか。
そのあたりついては、のちほど詳しくご説明するとしましょう。
産地
ピンクサファイアの主な産出国は、ベトナム、スリランカ、アフガニスタン、ネパール、オーストラリア などです。
石言葉
ピンクサファイアの石言葉は、「誠実」「豊かな愛情」「守護」。
ファンシーカラーサファイア
前述したとおり、サファイアはカラーバリエーションが多い宝石です。
ブルーのほか、ピンク、グリーン、イエロー、オレンジ、バイオレット、パープル、ブラック、ブラウンなど虹色のようなカラーバリエーションがあり、ブルー以外のサファイアを総称して「ファンシーカラーサファイア」と呼んでいます。
サファイアの色は含まれる不純物によって変わるというのは先にご説明した通りですが、具体的にいうと、ブルーサファイアの青は、鉄とチタンの相互作用に依るもので、ピンクサファイアのピンクやルビーの赤はクロムが影響しているといわれています。
上の画像を見て頂ければ、そのカラーバリエーションの豊富さをよくお分かりいただけるのではないでしょうか。
ピンクサファイアは9月の誕生石?

サファイアが9月の誕生石だということは広く知られていることかと思いますが、ピンクサファイアなどブルー以外のサファイアも9月の誕生石といえるのでしょうか?
赤色以外のすべての色のコランダムが宝石学上のサファイアと呼ばれているわけですので、ファンシーカラーサファイアも9月の誕生石に含まれるようです。
9月生まれの人はいろいろなカラーの誕生石を選ぶことができますね。
加熱と非加熱の違い

サファイアの多くは加熱処理をされています。
高温で加熱することで色を濃くしたり内包物を見えにくくし透明度を上げることができます。
加熱処理をしているからといって著しく石の価値が下がることはありません。
加熱処理をしていない、天然で美しい色をしたサファイアもありますが、その量は少なく市場に出回ることも多いとはいえません。希少価値が高い分、価格的にも高くなることが多いです。
ピンクサファイアとルビーの違いとは?

前述した通り、ピンクサファイアとルビーはコランダムという同じ鉱物です。物によっては色がよく似ているものもあります。
かつてピンクサファイアは「完全に熟していないルビー」だと考えられていたこともあったそうで、例えば「チェリーピンク」と呼ばれるピンクサファイアは、ルビーの色にとても似ています。
ではルビーとピンクサファイアの違いは何かというと、それは成分と内包物にあります。
コランダムに微量のクロムが含まれるとルビーになるのですが、クロムの他にチタンが混ざるとピンクサファイアになると考えられています。
ただ、鑑別でこの2つを見分ける基準は色で、基準となる色見本にそってピンクサファイアかルビーかを判断するそうです。
しかし宝石としての価値はというとルビーの方が高価な場合が多く、物によっては同じ位の大きさでも10倍程の価格差が生じることもあるといわれています。
もしルビーにこだわらないのであれば、ルビーの色に程近いピンクサファイアを探して買う、というのも一つの賢い買い方なのかもしれませんね。
ピンクサファイアとパパラチアサファイアの違いとは?
ルビーとは別にもう一つ、ピンクサファイアによく似た宝石があります。
それは同じファンシーカラーサファイアの中でパパラチアサファイアと呼ばれる宝石です。
パパラチアとはスリランカの言葉で「蓮の花」という意味をもち、ピンクとオレンジが混ざったような色のサファイアのことを指します。
サファイアの中ではブルーとともに人気も価値も高い宝石です。
ピンクサファイアとパパラチアサファイアの区別も色。
ルビーと同様に基準石の色と見比べることでパパラチアサファイアなのかピンクサファイアなのかを見分けるそうです。
ピンクサファイアの色と価値

ではピンクサファイアとしての価値基準とはどんなものなのでしょうか。
一つは、色相、色調、彩度の組み合わせで決まります。
ピンクサファイアの色は、パステルピンクからルビーの赤に近いレディッシュピンクまでありますが、色によって価値が異なります。
ルビーの方が高価なので、「ルビーのような色のピンクサファイアが価値が高いか?」というと、単純にそういう訳でもありません。
ピンク色の濃いものや透明感があるものなどが価値高く評価されるといいます。
色以外でのピンクサファイアの価値を図るには、カット、プロポーション、クラリティ(透明度)、カラット(重量)などの要素を調べます。
ピンクサファイアの価格はどれぐらい?
ピンクサファイアの市場価格は、1ctあたりの金額が大体15,000円位~1,000,000円位だといわれています。
※色、大きさ、クラリティ、カットなどによって金額が変わります。
具体的な例として、カラッツSTOREで過去も含め販売されていたものをいくつかご紹介しますね。
ピンクサファイア

重量:2.627ct
価格:49,800円(税込)

重量:0.48ct
価格:19,800円(税込)※GIA鑑別書付
非加熱ピンクサファイア
こちらは、希少価値の高い非加熱のピンクサファイアです。※現在は販売終了しております。
重量:1.130ct
価格:36,800円(税込)
ピンクサファイアのお手入れ方法

ピンクサファイアはモース硬度や靭性が高く、比較的取り扱いやすい宝石です。
しかし他の宝石と同様、身に着けたまま放置しておくと皮脂やほこりでくすんでしまい、輝きがなくなってしまう恐れがありますので、しまう時にやわらかい布で拭く習慣をつけましょう。
汚れやくすみが気になる時は、ぬるま湯に少量の中性洗剤を溶き、やわらかいブラシなどでジュエリーをやさしく磨きます。その後は水でよく流し、やわらかい布で拭いて乾燥させてください。
最後に

ピンクサファイアの特徴や、よく似ているルビーやパパラチアサファイアとの違い、価値などについてご紹介しました。
情熱的な赤いルビーも素敵ですが、桜色のようなほのかな優しい色合いをもつピンクサファイアも個人的には大好きです。
優しいピンク色の色合いは見ているだけで心が穏やかになることもありますよね?
9月生まれの方でブルーのサファイアはまだちょっと手が出せないかも、という方にもオススメですよ。
ピンク色が好きな方だけでなく、ぜひ多くの方にこの気品あふれる宝石に注目してもらいたいです。
カラッツ編集部 監修