グリーン系の宝石といえば、多くの方が思い浮かべるのはエメラルドや翡翠(ヒスイ)、ペリドットでしょうか?
実は上記の宝石以外にも色々あるグリーン系の宝石たち。
同じグリーンでも若草のような明るいグリーンもあれば、森林を思い浮かべるような深いグリーンもあり、宝石によって明るさや色合いが異なります。
今回はグリーンの宝石といえばコレ!というものからコレクター人気の高いレアストーンまで、グリーン系の宝石の魅力をイロイロご紹介したいと思います。
目次
グリーン系の宝石について
画像はデマントイドガーネット
イエローとブルーの中間色として位置するグリーンは、自然・調和・バランスを象徴する色と捉えられることが多いようです。
そしてグリーンというと、目にするだけでヒーリング効果やリラックス効果が期待出来る色ともいわれています。
よく目が疲れたら遠くの木や山を見ると良いなんて聞きますよね。
宝石も例外ではない気がします。
個人的にはエメラルドの印象が強いせいか、格式の高い、上品なイメージもあります。
ジュエリーにする際にも、グリーン系の宝石は地金の色を比較的選ばない印象がありますので、幅広いデザインが楽しめると思います。
では、そんな癒やしのグリーンをもつ宝石たちを紹介していきましょう!
1.エメラルド
まずは、グリーン系宝石の代表ともいえるエメラルドからです。
5月の誕生石であるエメラルド。
「エメラルドグリーン」と色名にもなる程、鮮やかなグリーンが特徴的な宝石です。
エメラルドの名前は幾度の変化を経てエメラルドになったといわれています。
まず、サンスクリット語で緑色の石を意味するスマラカタがギリシャ語でスマクラグドス、ラテン語でスマラグダスとなり、古代フランス語でエスメラルドと変化。
その後現在のエメラルドと呼ばれるようになったということです。
エメラルドは全般的に内包物やキズが多い宝石です。
そのため、内包物が少ない濃いグリーンのものは非常に希少。高く評価されます。
衝撃にも弱く欠けやすいため、取り扱いは丁寧に行ってくださいね♪
知名度も魅力も高いエメラルド、いずれは大粒の一品を手にしたい宝石です・・・!
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エメラルドについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考に。
2.翡翠(ジェダイト)
エメラルドと同じく5月の誕生石である翡翠(ヒスイ)。
日本で翡翠と呼ばれるのは、硬玉ジェダイトのみ。軟玉ネフライトは翡翠とは呼ばれません。
日本でも産出される宝石で、縄文時代中期から加工され装身具や勾玉にして、祭祀・呪術に用いられていたといわれています。
翡翠はかわせみという鳥の別称で、カワセミの羽のような色をもつ宝石としてそう名付けられたと伝わります。
翡翠の中でも最も高く評価されているのは、琅玕(ろうかん)と呼ばれる透明度の高いグリーンのもの。
色が鮮やかで透明度の高いものほど価値が上がり、中には1ctで数百万円の値が付くものもあるとか。
琅玕までのものでなくても、艶やかなグリーンの翡翠は高品質として扱われます。
和装にも似合うので帯留めに使われることもありますね。
翡翠の帯留めをつけて着物でお出かけなんていうのも素敵ですね!
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翡翠(ジェダイト)について、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考に。
3.ペリドット
8月の誕生石であるペリドット。
まるでオリーブの実のような鮮やかで爽やかな印象のグリーンが特徴的な宝石です。
夜の照明でも美しく輝くことからイブニングエメラルドと呼ばれることもあるそうです。
ペリドットの名前の由来は諸説あるのですが、アラビア語で宝石を意味する「faridat(ファリダット)」が語源だとする説が最も有力のようです。
ブラウン味の少ない鮮やかなグリーンのもの程価値高く扱われます。
特定方向からの衝撃に弱い劈開(へきかい)と呼ばれる性質をもつので、硬い床に落としたり強い衝撃を与えないように気をつけてあげて下さいね。
光の中で煌めく姿はまた一段と素敵ですよ!
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ペリドットについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考に。
4.デマントイドガーネット
1月の誕生石ガーネットの中で最も価値高く扱われるというデマントイドガーネット。
アンドラダイトガーネットのグリーンのものを指します。
ダイヤモンドよりも高い分散率をもつため、カットに依っては光の中でキラキラと輝きます。
グリーンダイヤモンドに似ていることから、オランダ語でダイヤモンドを意味するDemant(デマント)に由来して名付けられたといわれています。
イエローがかった明るいグリーンからディープグリーンまで幅広い色合いがありますが、評価が高いのは鮮やかなグリーンのもの。
更にロシア産の特徴といわれる、馬の尻尾のようなホーステールインクルージョンが入ったものはより価値が上がります。
比較的取り扱いやすく、ジュエリーとしても楽しめる宝石です。
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デマントイドガーネットについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考に。
5.ツァボライト
デマントイドガーネットと同じくガーネットの一種であるツァボライト。1月の誕生石です。
発見地であるツァボ東国立公園にちなんでティファニー社によって名付けられました。
ツァボライトはグロッシュラーガーネットの中で透明感のあるエメラルドに似た色合いをもつものを指します。
実はエメラルドもツァボライトも発色元素が同じクロムとバナジウムと考えられています。
もしかしたら、それ故色が似ているのかもしれませんね!
ガーネットの中では、デマントイドガーネットの次に価値高く扱われます。
人気も高いですね。個人的には明るめの色が好みです。
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ツァボライトについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考に。
6.グリーンアメジスト
グリーンアメジストはクォーツの一種です。
アメジストを加熱するとグリーンに変わることからグリーンアメジストと呼ばれていますが、これはいわゆる流通名(コマーシャルネーム)。
正式にはグリーンクォーツです。グリーンクォーツはプラシオライトと呼ばれることもありますね。
グリーンクォーツは加熱処理以外に、照射処理が施されるものもあれば、未処理でグリーンに発色するものもあります。
その中で加熱処理が施されているものがグリーンアメジストと呼ばれます。
加熱温度や処理の違いで色が変わり、自然には少ない色合いのものが楽しめることもクォーツの魅力の一つではないかと思います。
イエローのシトリンもアメジストを加熱して作られることで知られています。
爽やかな色合いのグリーンアメジストを身につけると心も少し和らぐ気がします。
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7.コーネルピン
ブルー系とグリーン系の人気が高いコーネルピン。
実はイエローやオレンジなど他の色も存在します。
濃淡の違いやブルーの強いもの、イエローの強いものなど、色合いに差があるので色々集めても楽しいと思います。
見る角度を変えると色が違って見える多色性が強く、個体によっては3色が確認出来るものもあるといいます。
また、ブラックライトを当てると蛍光を示すものやシャトヤンシー(キャッツアイ効果)を示すものもあり、コレクター心をくすぐる宝石です♪
産地は多いのですが、宝石品質に値する高品質なものは産出も少ないことから、レアストーンとして扱われています。
個人的にグリーンとブルーがバイカラーのように混ざる色合いが好みですが、1ctないものでも高価なものも多く、いまだに手が出せていない宝石だったりします・・・
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コーネルピンについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考に。
8.プレーナイト
優しいグリーンの宝石、プレーナイト。
和名をぶどう石という通り、原石の形もぶどうの房のような塊で産出されるそうです。
結晶の形が丸いことから、カットもカボションカットに仕上げられることが多い傾向にあり、色合いも淡いイエローやグリーンが多いため、まさにぶどうのイメージピッタリの宝石です。
プレーナイトという名前は初めてヨーロッパに伝えた、オランダのプレーン大佐にちなんで名付けられたといわれています。
モース硬度が6 – 6.5と高い方ではありません。
ダイヤモンドやサファイアのように、モース硬度が高い宝石と一緒に保管するとぶつかった拍子に傷がついてしまう恐れもありますので、個別に保管した方が安心です。
カボションカットのプレーナイトはうるうるの艶で本当にぶどうみたいで思わず食べたくなってしまいます♪
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プレーナイトについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考に。
9.ダイオプサイド(ダイオプサイト)
グリーンのイメージが強い宝石ですが、実はホワイト、ブルー、ブラック、パープル、イエロー、グレーなど多くの色合いをもちます。
グリーンのダイオプサイドは、全般的に濃いグリーンや深みのあるグリーンのものが多い印象ですね。
クロムを含むものはクロムダイオプサイドと呼ばれ、エメラルドのような美しいグリーンを発色し、人気があります。
ダイオプサイドの名前の由来は諸説あり、ギリシャ語で 透明 という意味の「diopsis」から由来しているという説と、二つを意味する「di」と見た目や外観 という意味の「optis」の造語から名付けられたという説があります。
モース硬度が5 – 6と高い方ではない上に、特定方向からの衝撃に弱い性質劈開(へきかい)が完全なため、特にジュエリーとして身につける場合は取り扱いに注意が必要です。
ダイオプサイドにはキャッツアイ効果やスター効果を示すものもあります。
特にスターダイオプサイドはブラックのものも多く、メンズジュエリーにも多く見られますね♪
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ダイオプサイド(ダイオプサイト)について、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考に。
10.スフェーン
イエロー~グリーンの色合いのものが多い印象のスフェーンは、個性豊かでコレクター人気の高い宝石です。
チタナイトとも呼ばれます。
ダイヤモンドよりも高い分散率をもつことから、カットに依っては光の中でギラギラと強いファイアを放ちます。
またスフェーンは、見る角度を変えると別の色に見える強い多色性をもつため、光の中で角度を変えるとファイアと多色性が同時に見え、思わず見入ってしまう何とも言えない美しさがあります。
スフェーンという名前は、原石の結晶の形がくさび形になっていることから、ギリシャ語でくさび を意味する「Sphenos」(スフェノス)に由来しているそうです。
中でもクロムが含まれた、鮮やかなグリーンを呈するスフェーンはクロムスフェーンと呼ばれ、こちらもコレクター人気が高いです。
モース硬度が5 -5.5とあまり高くなく、傷つきやすくて劈開の性質ももつことから、ジュエリーとして販売されるものは少ない印象です。
光の中でレッドやグリーンの光を放ちながら強く輝く姿は、本当に見ごたえがありますよ!
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スフェーンについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考に。
番外編1:アレキサンドライト
番外編の一つ目として紹介したいのは、6月の誕生石であるアレキサンドライトです。
アレキサンドライト最大の特徴は、変色効果(カラーチェンジ効果)です。
太陽光や蛍光灯の下でアレキサンドライトを見るとグリーン~ブルーグリーンの色をしています。
しかし、ろうそくや白熱灯の光の中ではレッドやパープルレッドに変化します。
この特性から昼のエメラルド、夜のルビーと言われることもあったようですね。
このカラーチェンジ効果が分かりやすいもの程価値高く扱われます。
カラーチェンジする宝石は他にもありますが、色合いがアレキサンドライトに似ているものはアレキタイプと呼ばれることもあります。
変化が大きいアレキサンドライトは、ずっと見ていても飽きない程の美しさと不思議さがあります。
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アレキサンドライトについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考に。
番外編2:ハイアライトオパール
番外編の2つ目は、オパールの中でも希少性が高いといわれるハイアライトオパールです。
このハイアライトオパール、地色はカラーレスのものが多いのですが、ブラックライトを当てると強い蛍光グリーンに変化します。
全てのハイアライトオパールが蛍光する訳ではなく、天然のウランを含むものにこのような変化が見られるといいます。
ハイアライトオパールはオパール特有の遊色効果のないコモンオパールに分類されます。
ギリシャ語で ガラス を意味する「hualos」から名付けられたといわれています。
かなり強い蛍光が見られ、まるで電飾のよう。コレクター心をくすぐられる個性的な宝石です♪
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ハイアライトオパールについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参考に。
グリーンの宝石の共通点と相違点
画像はスフェーン
今回ご紹介したグリーンの宝石は、同じグリーンであるものの、共通点や相違点が見られます。
例えば、発色について。
クロムを発色元素に含むものも多いようですが、クロム以外の発色要因を合わせもつものも多く、厳密には同じではありません。
分かりやすく表にまとめてみました!
宝石名 | 発色元素 |
エメラルド | クロムとバナジウム |
翡翠 | クロムと鉄 |
ペリドット | 鉄とマグネシウム |
デマントイドガーネット | クロム |
ツァボライト | クロムとバナジウム |
グリーンアメジスト | 鉄 |
コーネルピン | クロムと鉄 |
プレーナイト | 不明 |
ダイオプサイト | クロムと鉄 |
スフェーン | 鉄 |
どうやらグリーンの発色要因はクロム、鉄、バナジウムの影響を受けているものが多いようですね。
ただ、宝石の面白いところは、同じクロムでもコランダムに含有すると、赤く発色しルビーになるといわれているところです。
必ずしもクロム=グリーンという訳でもないのですね!
また、宝石の中には色を濃くするために、加熱処理を施されるものも多いですが、グリーンの宝石はどうでしょうか。
面白いことに、こちらでご紹介したグリーンの宝石の中で一般的に加熱処理が施されるものはグリーンアメジストのみのようです。
ただ、グリーンアメジストは、アメジストのパープルを加熱処理でグリーンに変えたもの。少し目的が異なる気がします。
他にも通常的に人工処理が行われる宝石はありますが、エメラルドは主に耐久性をあげるための透明剤の含浸処理、翡翠は主に表面のざらつきや光沢感を改善するためのワックス加工で、色を濃くする目的ではないものが多い気がします。
色々なグリーンの宝石を集めて、発色や見え方の違いを比べてみるのも楽しいかもしれませんね!
最後に
いかがでしたでしょうか。
個性さまざまなグリーンの宝石たち。
同じ色合いでも似ているものからイメージが大きく異なるものまでイロイロでしたね!
グリーンカラーの宝石は人気も高く、比較的知名度が高いものも多い気がします。
今回ご紹介した宝石以外にも、グリーントルマリン、グリーンフローライト、ミントガーネット、マラカイト、クリソプレーズなど、まだまだ魅力あるグリーンの宝石は沢山あります。
いろいろ見比べて自分好みのグリーンの宝石を手にしてくださいね♪
カラッツ編集部 監修