11月の誕生石の一つとしても知られるトパーズ。
イエローのイメージが強い方も居るかもしれませんが、ブルーやピンクなど様々な色が存在します。
トパーズは主成分として含まれる元素の違いによって大きく2種類に分かれます。
水酸基を含むOHタイプとフッ素を含むFタイプで、OHタイプは主にインペリアルトパーズと呼ばれます。
Fタイプのトパーズの多くは、長時間紫外線に当たると退色する恐れがあるのに対し、インペリアルトパーズにはそのような性質をもつものは少ないといわれています。
タイプや色によって価値が異なるそうですが、どう違い、どんな基準があるのでしょうか。
こちらでは、トパーズの価値基準と価格相場、ルース、ジュエリー、原石別の選び方のポイントをご紹介いたします。
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トパーズについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参照ください。
トパーズの価値基準
トパーズは冒頭でご紹介したとおり、OHタイプとFタイプの大きく2種類に分かれます。
OHタイプのインペリアルトパーズの方が希少性も価値も高く扱われます。
トパーズの価値を決めるポイントはタイプの他、色、透明度(クラリティ)、カット、サイズ(カラット)などで、それぞれの基準に従い見定められます。
色
トパーズに限らず、色が付いている宝石の最も重要な要素は色です。濃く鮮やかなほど、評価が上がります。
トパーズの場合はそれに加え、赤みが強いほど価値が上がり、最も価値が高いとされるのはレッドです。
その次にレディッシュピンク、ピンクと続きます。
インペリアルトパーズの場合はシェリーカラーと呼ばれる、オレンジとブラウンが混ざったような色合いも人気、価値ともに高いですね。
透明度(クラリティ)
インクルージョンやキズなどが見られず、透明度が高いほど評価が上がります。
しかしトパーズは、全般的にインクルージョンが入りにくく透明度の高いものが多いといわれます。瑞々しい輝きを放つものも比較的手に入れやすいのではないでしょうか。
カット
トパーズは、産出量が多い色合いのものなどは特に、特殊カットが施されることも多いです。
そのため、カットによる表情の違いも楽しむことができます。
昔私がまだジュエリー専門学校に通っていた頃に教えてもらった、カットの良し悪しを見る方法があります。
宝石を真正面から見る、という方法なのですが、テーブル面から真っ直ぐ見た時に、カットが良いものは中心からしっかりと輝きが出ているのだそうです。
逆にファセット面の角度やバランスが悪いと、中心部分の輝きが弱く色が抜けたようにも見えます。業界用語で『ウィンドウがあいている』などともいうのですが、中心からしっかりと輝き、ウィドウがあいていないものが良いカットと評価され、価値に影響を与えます。
また、複雑なカットが施されていたり、著名な研磨職人によるものなどは付加価値により更に価格が上がります。
サイズ
一般的に、サイズが大きいほど価値も上がります。
トパーズの場合、比較的大きい結晶が取れやすいといわれていますが、色合いによっては、一定サイズを超えるとグッと希少性が高まり、価格も上昇します。
トパーズの価格相場
それでは、トパーズの価格相場についても簡単に触れてみましょう。
ご説明した通り、タイプや色によって価値が異なりますので、価格相場にも違いが出ます。
特にタイプによる価格差が大きいため、Fタイプのトパーズとインペリアルトパーズに分けて、ご紹介していきますね。
Fタイプのトパーズ
Fタイプトパーズの場合、カラーレスやブラウンなど、色合いによっては比較的お手頃価格で手に入る印象です。
ルースであれば、5ct以上とサイズが大きくても1万円以下で購入できるものも多いのではないでしょうか。
Fタイプの中で一番人気が高いのはブルートパーズです。
ブルートパーズは一般的に放射線照射処理により着色されており、濃淡でスカイ、スイス、ロンドンと名前が変わります。
中でも一番人気は、ロンドンブルートパーズ。トップクオリティで5ct以上のロンドンブルートパーズには、ルースでも数万円以上の値が付くこともあります。
産出量や人気などによっても価値は変わるため、同じ宝石でも価格に差が出るということですね。
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インペリアルトパーズ
インペリアルトパーズは、希少性の高さなどから、全般的にFタイプよりも高値が付きやすいです。
クオリティや色合いによって価格差はありますが、1万円以上のものが多いように思います。
価値基準のところでお話したように、トパーズは赤味が強い程、価値が上がり、シェリーカラーも評価が高いです。
1ct以上のトップクオリティのルースで比較すると、シェリーカラーで数万円以上、ピンクで数十万円以上、最も希少性が高いといわれるレッドインペリアルトパーズであれば、数百万円以上の値が付くこともあります。
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トパーズを選ぶ時のポイント
実際にトパーズを買いたいと思ってお店やオンラインショップを覗いてみても、見るべきポイントが分からない、という方は多いのではないでしょうか。
もしクオリティを重視して探すのであれば、前述させていただいた価値基準を参考に選んでみて下さい。
ただし、トパーズは全般的に、ルビーやサファイア、エメラルドほど資産価値が期待できる宝石ではありません。
トップクォリティのものであっても資産にはなりにくいものが多いこと、予めご理解ください。
但し、レッドインペリアルトパーズについては、希少性が非常に高いため、天然未処理のものであれば、ある程度の価値が望めるかもしれません。
資産としてではなく、自分が楽しむためだけに選びたいというのであれば、少し見方も変わります。
ルース、ジュエリー、原石でも異なりますので、それぞれに分けてご説明します。良かったら参考にしてみてくださいね。
ルース
もし個人的なコレクションとしてルースを購入するなら、好みを重視して選ぶのもおすすめです。
色むらや歪なカット、目立つインクルージョンがあっても、心に響くものがあればそれは選択肢に入れても良いと思います。
価値を重視すれば欠点になるポイントも、コレクションの一つとして見れば素晴らしい自然の造形物、唯一無二の宝物を手に入れられるかもしれません。
私は宝石のインクルージョンが大好きなので、あえてインクルージョンが多いものを購入することもありますよ。
ルースのまま楽しみたい場合
宝石を360度どこからでも楽しめるルース。
選ぶ時は表側だけでなく横側や裏面などもあわせて見ると良いでしょう。
横側や裏面はジュエリーの状態では見ることが難しい部分。
トパーズのいろんな顔を楽しんでくださいね。
またトパーズはびっくりするほど大きいサイズのルースも存在しています。
一度手のひらよりも大きなブルートパーズを見たことがありますが、どんなジュエリーよりも華々しい光を放っていました。
ちなみに世界最重量のトパーズは原石が271kgもあったそうですよ。
迫力あるトパーズはルースで持っているだけでも大満足出来そうですね。
ジュエリー加工して楽しみたい場合
自分の好きなルースを加工するのはとっても素敵な時間です。
ジュエリーにするルースを選ぶ時は、どんなジュエリーが欲しいかイメージしながら探すと良いですよ。
また、加工する時にいつもお客様にお伝えしている内容なのですが、色が濃すぎないものを選ぶのがおすすめです。
ルースからジュエリーに加工すると宝石の色がワントーン濃くなる場合が多いためです。
ルースの状態で色が濃過ぎるとジュエリーに加工した時に黒っぽく見えてしまうことがあるんですね。
またトパーズは大きいサイズのものが多いのですが、厚みがないものを選ぶのもポイントです。
ジュエリーにした時に飛び出さず、バランスの良いジュエリーになるからです。
ジュエリー
ジュエリーを購入される場合は、まずあなた好みのデザインを見つけることが大切だと思います。
ブランドであればブランド独自のデザインを楽しめますし、クオリティが統一されているので安心感があります。
宝石にこだわっているショップのものであれば宝石の個性を見比べて選ぶとより愛着を持って着けることができると思います。
また、「ジュエリーの良さは裏から見るとわかる」といわれているように、見えないところも重要です。
ジュエリーの裏側は普段見える部分ではありませんから、最悪手を抜くこともできる場所。
ですが、手を抜いたジュエリーは付け心地が悪かったり強度が弱い場合もあります。買って間もないのに、石が簡単に外れてしまうことも考えられます。
逆に、裏が丁寧に作られているジュエリーは付け心地が良く、留めや作りももしっかりしており、安心して長く使えるものが多いです。
見栄えが良いだけでなく、どれぐらい丁寧に作られているかも大切なポイントだと思います。
原石
原石はありのままの宝石の美しさと神秘性を楽しむことができます。
買取店などでは取り扱ってくれない場合も多いため、価値基準を意識せずあなたがピンとくる見た目のものを探しても良いと思います。
トパーズの原石はカラフルで美味しそうな色をしていたり透明度が高いものなど色々な個性が感じられるものが多いです。
私は原石を探す時、数が多すぎて選べなくなってしまうことがあるため、値段や大きさなど何か一箇所基準を決めて、そこから探すこともありますよ。
そうすることで自分の理想に近い原石を見つけやすくなったりするのでおすすめです。
最後に
トパーズには大きく2つのタイプがあり、主にインペリアルトパーズと呼ばれているものの方が価値が高いことが分かりました。
また、色によっても価値が大きく変わります。
大きいサイズで取れるものも多いため、大ぶりでもお手頃価格で手に入れることができるのが嬉しいですね。
トパーズの語源はギリシャ語”topazios”=「探し求める」が由来といわれています。
ぜひあなた好みのトパーズを探し求めてみてくださいね。
カラッツ編集部 監修
<この記事の主な参考書籍・参考サイト>
◆『価値がわかる宝石図鑑』
著者:諏訪恭一/発行:ナツメ社
◆『品質がわかるジュエリーの見方』
著者:諏訪恭一/発行:ナツメ社 ほか