黒っぽいパープルカラーが印象的なスギライト。
その歴史は比較的浅く、初めて発見されたのは1944年。
しかも日本人の手によって発見された鉱物です。
今回はそんなスギライトの特徴、名前の由来、お手入れの仕方などをお話ししたいと思います!
スギライトとは?
冒頭でご紹介した通り、スギライトは日本で発見された鉱物です。
初めて発見されたのは愛媛県の岩城島で1944年のことといわれ比較的新しい鉱物です。
しかし発見された当初すでに確認されていた別の鉱物として発表されたこともあり、実際に新しい鉱物として認められたのは発見されてから32年経過した1976年のことだといわれています。
特徴
一般的にはパープルカラーの鉱物と認識されているスギライトですが、他の鉱物を内包しながら形成していく特徴から、実は様々な色が存在します。
例えば、ペクトライトを含んで青っぽくなるものやカルセドニーを含み半透明になるもの、中にはマンガンを含んでピンクになるものなどもあります。
中でも透明感のあるパープルカラーのものはインペリアル・スギライトとも呼ばれ価値高く扱われます。
モース硬度は5.5~6.5。
名前の意味
発見者である“杉健一教授”の名前に由来してスギライトと名付けられました。
和名では杉石(すぎせき)、アメリカではスジライトと呼ばれています。
色
多くは不透明で、黒っぽい赤紫、パープル、ピンク、ブラック、褐色、グレー、グレーがかったグリーンなど。
深い色合いのパープルや黒っぽいものは南アフリカから産出されることが多いといわれています。
石英を含むと半透明になり、中でもピンクは珍しく人気があります。
産地
南アフリカ共和国、日本、イタリア、オーストラリアなど。
スギライトの原石はどんな形?
スギライトは結晶状の原石で産出されることは少なく、ほとんどの場合他の鉱物を巻き込みながら成長し、そのため塊状で採掘されることが多いといわれています。
ちなみに石英(クォーツ)が混ざった結晶は半透明で、モース硬度が通常のスギライトよりも硬くなるものもあるそうです。
スギライトの偽物
スギライトの偽物の多くは染色されたスギライトではない鉱物です。
特に多いのはクォーツァイトで、水晶が混ざり合って出来た多結晶体のため、隙間があり染色しやすい特徴を持っています。
このような染色クォーツァイトの見分け方は「拡大して見る」ことと「紫外線の蛍光検査を行う」ことです。
画像のように染色クォーツァイトの場合は、まるでうろこのようにフラクチャーと言われるヒビに沿って紫色の線(染色跡)が確認できます。
そして紫外線による蛍光検査を行うと、より真偽がはっきりと確認出来るといいます。
スギライトは基本蛍光性のない鉱物です。
※例外もあります。
紫外線(UV)を当てることで蛍光しなければスギライト、蛍光すればそれ以外の鉱物の可能性が高いということになります。
画像はスギライトを装った染色クォーツァイト。赤く蛍光反応を示しています。
最後に
深いパープルカラーが印象的な宝石、スギライト。
人気が高いのはパープルやピンクですが、その他の色もあり、とても魅力的な宝石だと思います。
この記事を読んで興味をもたれる方が増えたら嬉しいです。
カラッツ編集部 監修