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フォーダイトは自動車から生まれた!?謎の鉱物のヒミツに迫る!

フォーダイト

自動車から宝石が生まれる!?

いくら技術が発展したといえ、自動車から鉱物が生成するなんて、考えられませんよね。

しかし実際、アメリカの自動車工場跡でフォーダイトと呼ばれる人工鉱物が発見されているのです。

実際に見られる機会は少ないかもしれない、フォーダイトという宝石。
一体どんな特徴をもっているのでしょうか。

フォーダイトの魅力を徹底追及してみましょう。

フォーダイトとは

フォーダイト

フォーダイトは、ほかの鉱物のように地中で自然に生成したものではありません

自動車の塗装に使用するエナメル塗料が固まり、色の層を出して鉱物になったという、いわば人工的にできた鉱物です。

フォーダイトの特徴

フォーダイト

自動車用の塗料から出来た鉱物だなんて、なんだか興味深いですね。
では早速フォーダイトの鉱物としての特徴を探ってみましょう。

フォーダイトが生成する過程

自動車が生産され始めた時代、塗装は工場ですべて手作業で行われていました。

工員がスプレーを使って塗装を施すような形であったため、工場のあちこちに塗料が吹き飛んでいました。

もちろん車によって塗料の色はさまざまですので、吹きこぼれた多色の塗料が毎日積み重なっていき、やがて異なる色の層を成していきました。

さらに工場では、車に吹き付けた塗料をしっかりと固めるために、高熱処理を加えていたため、片隅にあった塗料の層も鉱物のように固まっていったのです。

フォーダイトの見た目とは?

フォーダイト

スプレーから噴き出た塗料は、長年の月日を経てとても厚い層になりました。
さまざまな色が重なり合っているため、見た目はまるでメノウのようです。

最初に発見された場所と産地について

フォーダイトが最初に発見されたのは、1940年代に入ってからのこと。
アメリカ合衆国のデトロイト州にある、自動車工場で見つかりました。

デトロイトといえば、かつて『デトロイト・モーターシティ』と呼ばれたほど、自動車産業で栄えた街です。

19世紀後半、ヘンリー・フォードがデトロイトにフォードの自動車工場を建てたことから急発展し、その後ゼネラルモーターズやクライスラーなどの工場が多数建設されました。

一時は、全米のみならず世界の自動車産業のトップとなった土地です。

その後、日本の自動車会社が進出するなどして、デトロイトの車産業が衰退。
街中にあった多くの工場は廃工場となってしまったのです。

鉱物として扱われた理由

毎日の作業の中でいつの間にか工場のあちこちにできてしまった塗料の塊。
このようなものは仕事場には必要がないので、除去しなくてはなりません。

しかしある時、それを取り除く作業をしている内にその魅力に気付いた作業員たちの手によってカットや研磨が施され、アクセサリーに生まれ変わりました

こうして、廃棄される運命だった物質は、美しい人工鉱物として世に送り出されることになったのです。

フォーダイトの名前の由来

Photo by : alisafarov / Shutterstock.com

前述した通り、フォーダイトはデトロイトの自動車工場で生成しました。
そしてそのデトロイトの自動車産業を築いたのが、フォード社の創始者であり、自動車王と呼ばれたヘンリー・フォードです。

このことから、フォード氏に敬意を表した『フォード』と、『デトロイト』、そして『アゲート(メノウ)』に似ていることを考慮し、『フォーダイト』と名付けられたとされます。

ほかにも、メノウに見た目が似ていることから『デトロイトメノウ』『自動車メノウ』などとも呼ばれています。

ちなみに、メキシコで発見されたレインボーカルシリカという、人工鉱物があります。

フォーダイトに似た色の層を持つことから混同されることが多いのですが、鉱物としては全く別物で、生成の仕方も異なります。

フォーダイトの産地

フォーダイトは、主にデトロイトの自動車工場跡地で発見されていますが、ほかの土地の自動車工場の跡地でも、似たような人工鉱物は見つかっているそうです。

現代では、塗料があちこちに吹き飛ぶような生産作業は行われていないため、今後の産出量は限られていくと予測されています。

まとめ

フォーダイト

フォーダイトは、日本国内ではまだあまり知られていない鉱物です。

基本的にデトロイトの自動車工場で出来たものだけがフォーダイトと呼ばれるそうですが、自動車工場以外の塗装料を扱う工場などで見つかったものも出回っているといわれます。

もしフォーダイトにこだわるのであれば、購入される際にできる限りきちんと確認した方が良いかもしれませんね。

カラッツ編集部 監修