ルベライトとは
ルベライトとはトルマリンの一種で、濃いピンク~レッドのトルマリンのことを指します。
ルベライト(rubellite)はラテン語で「赤い色の」という意味をもつrubellusが由来だといわれています。
トルマリンには多くのカラーバリエーションがあり、ルベライトのように他の名前が付いているものも多くあります。
例えば、ネオンブルーが美しい「パライバトルマリン」や濃いブルーの「インディゴライトトルマリン」などは人気も知名度も高いですね。
また、紫がかったものは「シベライト」と呼ばれます。
このようにトルマリンは微妙な色合いの違いで別の呼び方をしていることが多々あるのです。
ちなみに、ルベライトは正式な宝石名ではないため、鑑別書には別名ルベライトと呼ばれますのような形で記載されることが多いです。
ルベライトの産地
ルベライトの産地はマダガスカル、モザンビークなどがありますが、2018年現在、最大の産地はブラジルのミナス・ジェライス州といわれています。
ルベライトの色
前述したとおり、ルベライトは濃いピンク~レッドのトルマリンのことを指します。
しかし細かく言うと、赤が濃すぎても薄すぎてもルベライトにはならず、鑑別機関ごとに定められた範囲があり、その中に入るものだけがルベライトと呼ばれるそうです。
従って、鑑別機関によって見解が異なる場合もあるようです。
ルビーのような真っ赤な色のものは希少で、多くはピンク味を帯びたレッドで、果物のクランベリーに似た色のものも多い印象があります。
ルベライトの中でもっとも市場価値が高いとされているのは透明感のあるレッドで、レッド味が強いほど価値が高くなるといわれています。
レッドトルマリンやピンクトルマリンとの違い
先程お伝えしたように、ルベライトと呼ばれるのには範囲があり、レッドが強すぎても弱すぎてもルベライトにはなりません。
レッド味が強く色が暗いものはレッドトルマリン、弱いとピンクトルマリンになります。
レッドトルマリンやピンクトルマリンとの違いは色のみで、レッド味の強さによって分けられるそうです。
そして、その範囲は鑑別機関によって定められているため、機関によって見解が若干異なる場合もあるということです。
ルビーと間違われていた歴史
ルベライトとルビーは似た色であることからしばしば混同されてきたようです。
もっとも有名なのがロシアのロマノフ王朝の家宝とされてきた、いちごの彫刻です。
260カラット以上もある世界最大ともいわれるルベライトですが、長らくルビーだと思われてきました。
ソビエト時代の鉱物学者によってルベライトだということが判明しました。
それにしても本当にいちごのお菓子のような見た目です!
もう一つ長らくルビーと間違われていた有名なルベライトと言えば、チェコ王室の王冠でしょう。
作られたのは14世紀後半にまで遡ります。
重厚なゴールドの王冠に青いサファイアと赤いルビーだと思われていましたが、赤い石はルベライトだと判明しています。
頭に乗せたら重そうなくらいサファイアもルベライトも大きいですね!
Photo by : yakub88 / Shutterstock.com
おわりに
クランベリー色の可愛らしいルベライトの魅力はお分かりいただけましたでしょうか。
実は私自身、今まではそこまでルベライトに興味はなかったのですが俄然欲しくなってしまいました!
お値段も同じ色のルビーと比べたらお安いものが多いと言いますから、比較的手が出しやすいかもしれません。
とは言え、トルマリンの中では希少性の高い色ですので、もしピンときたルベライトに出会えたら、それは運命かもしれませんよ・・・?
カラッツ編集部 監修