日本で人気No.1の真珠といえば
真珠と一言でいっても、アコヤ真珠、南洋真珠をはじめ、淡水真珠やマベ真珠などいくつもの種類があります。中でも日本で根強い人気を誇るのがアコヤ真珠です。
アコヤ真珠とはアコヤ貝を母貝として作られる真珠のことで、真珠が高値で取引されるために必要な「照り」(光沢)と「巻き」(光沢が出るための真珠層の厚み)が優れているものが多く、中でも淡いピンク色がかった上質なアコヤ真珠は花珠(はなだま)と呼ばれています。
真珠は大きく分けると2種類
様々な種類の貝を母貝とする真珠がありますが、真珠は大きく分けて2つの種類に分類することができます。
有核真珠
一つは有核真珠(ゆうかくしんじゅ)と呼ばれるもので、真珠の中央部分に細胞片と異物(プラスティック等)を入れてそれを覆うように真珠の膜を何重にも張ってできあがる丸い真円の真珠のことです。
無核真珠
もうひとつは、無核真珠と呼ばれ、淡水真珠のほとんどがこちらに属します。
芯の部分がないので好き勝手に自由な形に育ち、ライスパールと呼ばれる細長い形状のものや、ドロップ型のような形になるものも多く見受けられます。
間違いなく真珠の部類ですが、淡水真珠はこれまで比較的リーズナブルに手に入ったため、淡水真珠=安物という概念をお持ちの方も多いかもしれません。
ところが、近年その固定概念を覆す貝が中国で見つかり、注目を浴びています。
注目の真珠 湖水真珠
今、ジュエリー業界で注目されているのは、海洋真珠でもなく、今までの淡水真珠とも違う、“湖水真珠”と呼ばれる真珠です。
湖水真珠は無核真珠なので、大きなくくりで考えると淡水真珠のカテゴリに分類されます。
しかし、カテゴリは淡水真珠であるものの、見た目はアコヤ真珠級の美しさを持っているため人々が熱い視線を注いでいるのです。
湖水真珠の産地
湖水真珠は中国の長江流域の河川で産出されていますが、もっとも多く養殖が行われているのは東シナ海側の江蘇省と浙江省です。
湖水真珠の正体
湖水真珠が母貝としているのは、三角貝(ヒレイケチョウガイ)です。
では、ライス型やドロップ型ができる淡水真珠と同じ無核真珠にもかかわらず、なぜヒレイケチョウガイだけがアコヤ真珠のような整った真円の真珠ができるのでしょうか?
それは、核はないもののヒレイケチョウガイの場合、木の年輪のように中心部分から真珠層を巻くという特性を持っているためです。
そのため、構造上はアコヤ真珠と同じようなしくみになり、「照り」や「巻き」に優れた淡水真珠ができあがるという訳です。
なんと、高価なものでは30万円するものさえあるそうです。
もはやアコヤ真珠と見間違えるほどの美しさを持つ真珠が淡水真珠にも存在するということなのです!
どんな色が採れるの?
真珠は貝の種類によっても、そのカラーバリエーションは色々ありますが、湖水真珠のメインはホワイト、オレンジ、パープル系です。
といっても、鮮やかな色合いというよりはオレンジとホワイトの中間色くらいの淡い色味が特徴です。数は少ないものの、メタリック系カラーが採れることもあります。
真珠なら、はっきりしすぎる色合いよりは柔らかい光をまとった優しい色合いのほうが真珠っぽくて個人的には好きですね。
ちなみにホワイト、オレンジ、パープルの3色だともっとも数が少ないのがパープルなので、希少性に富んでいるという意味ではパープルが群を抜いています。
おわりに
湖水真珠なんて聞いたこともなかった~!という方も多いかもしれません。
淡水真珠なんてどうせ安物でしょ、と思いがちだったかもしれませんが、現在採掘されている淡水真珠の中では湖水真珠は最高級品であり、その美しさはアコヤ真珠と比べてもひけをとらないものもあるほどです。
一度店頭で実際に触れてみて、その美しさを実感してみてくださいね。
カラッツ編集部 監修