水の中に遊色効果の彩が移り変わるようなさわやかな印象をもつ、ウォーターオパール。
ふわりとした優しい雰囲気と、鮮やかなプレイオブカラーが特徴的な宝石です。
ウォーターオパールとはどのような特徴をもつオパールなのでしょうか。
こちらでは透明感が美しい、ウォーターオパールについてお伝えしていきます。
目次
ウォーターオパールとは?
ウォーターオパールとは、一般的に無色や乳白色の地色に鮮やかな遊色効果を見せるオパールのことを指します。
クリアーな地色の上に鮮やかな彩の斑点が浮きあがり、まるで水に浮いたような姿が魅力的です。
ウォーターオパールの名前の意味
オパールという名前は、ラテン語の「opalus」が起源という説も語られていますが、一般的にはサンスクリット語で貴重な石という意味である「upala」を由来とする方が定説のようです。
ほかにも古代ギリシャ語の「opallios」を由来とする「opalus(色の変化を見る)」という言葉からきているという説などもあるようですね。
ウォーターオパールという名前は、鮮やかな遊色効果が水の中に浮いたように見えることや、地色がクリアウオーターのように見えることに由来するようです。
ウォーターオパールの産地
一般的にウォーターオパールの主な産地として有名なのは、メキシコです。
しかしオパールは、基本的に産地特定ができない宝石といわれています。
ウォーターオパールかどうかは地色や模様などの特徴から判断されますので、メキシコ産以外のウォーターオパールもあるかもしれないそうです。
オパールの種類
オパールは、大きく分けると「プレシャスオパール」と「コモンオパール」の2種類に分類されます。
ウォーターオパールもプレシャスオパールに属します。
2種類の違いを簡単にご説明しますね。
プレシャスオパール
遊色効果を見せるタイプです。
プレシャスオパールで有名なものは、ウォーターオパールの他に、ブラックオパール、ホワイトオパール、ボルダーオパールなどがあります。
コモンオパール
遊色効果を見せないタイプです。
ピンク色をしたピンクオパールや、ウランを含む無色~黄緑色でガラス光沢をもつハイアライトオパール、内包物が模様のように見えるデンドリティックオパールなど、珍しいタイプが産出されています。
ウォーターオパールの定義
前述したとおり、オパールは地色や模様などの特徴から条件が設けられ、それによって分類されます。
一般的によくいわれている、ウォーターオパールの定義は、
1.透明から亜透明の範囲であること
(ルースを新聞紙などの上に置いたとき、下にある文字が読める位の透明感をもっていること。)
2.地色が無色〜やや乳白色をしたものであること
の大きく2点です。
ただしオパールは鑑別機関によって若干基準が異なることもあり、ウォーターオパールも無色で透き通っていることを条件としているところもあるようです。
ウォーターオパールの偽物
ウォーターオパールは合成石などの模造石も多く出回っているといいます。
合成石と明記して売っている場合は問題ありませんが、天然のウォーターオパールとして販売されている場合もありますので注意が必要です。
本物との判別が難しいものも多いそうですが、ある程度の真偽を見分けることができる方法がありますので、参考までにご紹介しますね。
※実際の鑑別では、色んな検査をした上で判断されます。下記が全てではありませんので、必要な場合はきちんと鑑別機関で見てもらって下さいね。
柱状構造
上の写真のように、合成オパールを横から見ると柱のような縦の光を確認できます。
柱状構造は合成オパールによく見られる、特徴的な現象なのだそうです。
モザイク状の斑点
合成オパールの表面を見ると、遊色効果の斑点が「モザイク状」になっているそうです。
モザイク状も合成オパールの特徴ですので、必ず確認するようにしましょう。
リザードスキン
柱状構造やモザイクでも分からない時には、顕微鏡で確認します。
合成オパールを顕微鏡で見ると、表面にトカゲのウロコ(リザードスキン)に似た模様が確認できるそうです。
ウォーターオパールを買う前に知っておきたいこと
価値基準
ウォーターオパールを評価する際には、透明感のある地色の上で、遊色効果が美しく表れているかを確認します。
遊色効果が明るく鮮やかで、赤の斑点を見せるものは最も評価が高くなりまます。
赤に次いでオレンジが評価が高く、黄・緑・青・藍・紫色の順序で評価が異なります。
市場価格
ウォーターオパールは、ルースであれば、クォリティやサイズに依っては1万円以下で買えるものもあります。
数万円~10万円位のものが一般的に多い印象で、遊色が美しく透明感の高い高品質のものは百万円以上するものもあります。
何処で買える?
ウォーターオパールは人気が高いこともあってか取り扱っているお店は多い印象です。
特にルースでの扱いは多く、オンラインショップでもよく見かけます。
ジュエリーになったものを販売しているお店もありますので、気に入ったデザインのジュエリーを見つけることもできるかもしれません。
但し、偽物も出回っていますので、高額のものを購入する際は特に、信頼のおける鑑別機関の鑑別書が付いたものやオプションで付けられるところで購入した方が安心かと思います。
ウォーターオパールのお手入れ方法
ウォーターオパールに限らず、オパールは全般的にデリケートな宝石ですので取り扱いには色々注意が必要です。
主な注意点としては、乾燥、熱、衝撃ですが、特に注意すべきは乾燥です。
オパールは乾燥に弱い宝石ですので、直射日光や暖房器具の風が直接当たるなど、乾燥しやすい場所で保管しないよう気を付けましょう。
オパールは石の表面に細かな穴がたくさん開いている「多孔質」の鉱物です。
そのため、水分を吸収したり出したりしやすいという特徴があり、乾燥して中の水分が減りひび割れを起こすことがあるようです。
水分を吸収しやすいことから、ヘアスプレーや香水など化学成分が含まれるものがかかってしまうと、成分が中に残ってしまう恐れもあるそうですので、全て終わってから身につけるなど注意して下さいね。
また、オパールは熱にも弱いため、ドライヤーで乾かしたり夏場に温度が上がりやすい場所に置きっぱなしにするなども気をつけた方が良いかもしれません。
最後に
鮮やかな遊色効果が、まるで水の中で浮いたように見えるウォーターオパールは、みずみずしい印象が魅力的な宝石です。
オパールはモース硬度が5.5から6.5とあまり硬くないので、衝撃を与えたり他の宝石と一緒に保管することは避けるようにして下さいね。
その他のオパールについてなどはコチラの記事でも紹介しています。宜しければ参考にして下さいね★
カラッツ編集部 監修