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宝石の鑑定士になるには200万円以上かかる?日本で取れる資格はある?

画像:wideweb / Shutterstock.com

宝石学を学んで、宝石鑑定士になりたい!

そんな時にまず気になるのは、取得できる資格と、それにかかる期間や費用かと思います。

こちらでは、国内外の宝石鑑定士コースをご紹介しながら、実際に学んだ私自身の体験談を交え、宝石学の勉強についてお伝えしていきます。

宝石の鑑定士になるにはいくらくらいかかる?


取得する資格にも依りますが、FGAやGIA GGといった有名な資格だと、だいたい150万円〜250万円ほどかかるかと思います。

「宝石鑑定士」というのは、何か特別な国家資格や免許があるわけではありません

民間の学習機関資格を発行しており、その資格を持っている人を「宝石鑑定士」と呼ぶ場合が一般的です。

その中でも世界的に特に権威があるとされているのがFGAとGIA GGの2つです。ちなみにFGAはイギリスの、GIA GGはアメリカの、機関が発行する資格です。

日本国内にも宝石の鑑定資格を出している所はいくつかあり、その場合だと100万円以下というケースもありますが、その分、学ぶ内容が少なくなることがあるので、注意が必要です。

なお、コース日程や費用は変動する場合がよくありますので、どの詳細についても各ホームページで確認をお願いします。

FGAを取得するには

 英国宝石学協会(Gem-A)

https://gem-a.com/education/

英国宝石学協会(Gem-A)は、イギリスで1908年に設立された、世界的に権威のある鑑別機関です。宝石鑑別士(FGA)の資格を発行しています。

この他にもダイヤモンド鑑定士(DGA)などのコースがあり、試験合格後に称号を取得できます。

2018年のコース費用は、FGAの場合、昼間のファウンデーションコース(4か月)が£3,205(約49万円)。夜間コース(6か月)は£2,745(約42万円)です。

ファウンデーションの試験合格後は、ディプロマコースに進めます。

昼間のディプロマコース(4か月)は£5,610(約86万円)夜間コース(1年間)は£3,915(約60万円)です。基礎コースと合計すると、約135万円近く掛かります。なお実際にイギリスに行く必要があるので、ハードルがちょっと高いかもしれません。

Gem-Aでは、このほかにも通信教育(9~10か月)を実施しています。英国と米国では、実際にGem-Aのラボに行って宝石を見る事が出来る様にカリキュラムが組まれています。

ラボに行かない通信教育はその分安く、ファウンデーションコースが£2,380(約36万円)、ディプロマコースが£3,615(約55万円)となっています。

日本宝飾クラフト学院

http://www.jj-craft.com/gem-a/

FGAは取得したいけれど、イギリスに行く余裕はない!という方にオススメしたいのが日本宝飾クラフト学院です。これは英国宝石学協会(Gem-A)と提携をしている国内唯一の教育機関です。

講座を始めるには、基礎のファウンデーションコースに入学します。試験に合格するとディプロマコースに進学、試験合格後はFGA称号を取得できます。

2018年1月現在、前半のファウンデーションコースに800,000円、後半のディプロマコースに925,000円かかりますので、合計で1,725,000円の費用がかかります。期間はファウンデーションコースが半年or1年、ディプロマコースが半年なので、コースの修了までにかかる期間は1年〜1年半となります。

GIAのGGを取得するには

GIA (Gemological Institute of America)

https://www.gia.edu/JP/gem-education

米国宝石学協会(GIA)が主催する、GG(Graduate Gemologist)の資格取得コースです。FGAと並び、世界的に権威があるとされています。

GIAのキャンバスは米国を中心とする世界各国にありますが、残念ながら日本にはありません。かつてはあったのですが2015年に撤退してしまいました。

日本国内からは一部、オンラインの通信教育で勉強し、試験を受ける事も可能です。ただし、全部で8つあるコースの内3コースは、実際の宝石をつかった鑑別・鑑定作業が必要なため、そういった設備があるキャンバスに実際に行く必要があります。

コースの修了までに半年、費用は$1,983.00〜$2,483.00(約200〜270万円)かかります。また米国などにあるGIAのキャンバスに行く必要があるので、旅費などが追加でかかります。

・・・けっこう大変ですね。

日本国内で(もう少し気軽に)取得できる資格

ジャパンジュエリービジネススクール

http://www.jbs-web.jp/kantei/index.php

ジャパンジュエリービジネススクール(JBS)での講義を受講、認定試験に合格する事で、JBSジュエリー鑑定士MGEの称号を取得できます。

色石からダイヤモンドなど、宝石の基礎から鑑別機器の使い方などを始め、ジュエリーの基礎から総合判定についても学べます。

期間は9日間で、費用は160,000円~となっています。

日本宝石特許鑑定協会

http://www.jjpja.co.jp/newpage28.htm

日本宝石特許鑑定協会(JJPJA)が主催する、宝石学セミナーです。

宝石研究科セミナーGEM-Rでは、宝石の鑑別の基礎を学びます。鉱物の知識や鑑別機材を使う技術を深めながら、貴金属や宝飾品についても勉強します。期間は6週間、費用は189,000円です。

その他、宝石鑑別体験セミナーダイヤモンド価額士セミナーの提供も行っています。セミナー終了後の試験に合格すると、認定修了証書が授与されます。

 IIJA (Insurance Institute of Jewelry Appraisal)

https://instituteofappraisal.com/?course=introduction-to-gemology

番外編で、宝石学の基礎を学べるオンラインコースです。海外のサイトなのですが、オンラインコースなので日本からでも学習ができます。また期間もフレキシブルです。費用は$95.00(約10,000円)です。

実際の宝石鑑定士学校での体験談

歴史ある宝石鑑定機関で学ぶ

私が学んだのは、ロンドンにある宝石学協会(Gem-A)でした。

現在は宝石学の教育のみですが、当時は鑑別機関であり、GAGTL(Gemmological Association and Gem Testing Laboratory of GB)という名でした。

FGAと DGAを学んだのは10年以上も前で、夜間コースに通っていました。当時は費用もかなり安かった(現在のおよそ半分ほどの額)のを覚えています。

宝石学と鑑別機の使い方を学ぶ

FGA、DGAコース共に、鉱物の原子構造から生成や特性、偽物との区別などを主に学びました。

理論ではアルキメデスの原理や、光の反射や屈折による色への影響など。基礎的な物理学を理解する事から始まりました。

実技では、鑑別機を使いながら内包物や特性を見比べたり、原石を見たり。ダイヤモンドを比較して評価するのも、とても楽しかったです。

厳しい勉強と試験内容

FGAはファウンデーションコース最後に試験があり、合格しないとディプロマコースに進めません。基礎とは言え、学んだことをしっかりと覚えなくてはならないのです。

ディプロマコースでとにかく覚えなければいけないのは、数字です。沢山の宝石の化学式、比重、分散などの数字を必死で覚えました。

筆記試験は論文形式ですが、なぜこうなるかという説明をするものなので、言いたい意味が通じる様に書いてあれば大丈夫です。高度な英語力は必要ないですよ!

まとめ


今回は、宝石鑑定士になるための学校とコース、そして体験談をちょっぴりご紹介致しました。

これから宝石鑑定士の勉強を始めたい方は、こちらでご紹介した学校を参考にして、ご自分の都合や予算に合ったコースを選んでくださいね!

カラッツ編集部 監修