サファリンというレアストーンの名前を聞いたことがありますか?
え?知ってる?
むむ・・サファリンを知ってるあなたは、かなりの宝石マニアではないでしょうか!
何だかややこしい名前のこのサファリンという宝石には、一体どんな特徴や歴史があるのか。
今回は、知る人ぞ知る超レアストーン、サファリンについてのお話をお伝えしていきますね。
サファリンとは
サファリンはマグネシウムケイ酸塩とアルミニウムから生成される、超レアな鉱物です。
英語では『Sapphirine』と綴ります。
日本人的には何だか可愛い響きを感じる名前ですよね。
見た目の色がサファイアに似ていることから、サファリンまたはサファリーンと呼ばれるようになったといわれています。
一般的にはどちらの呼び方も通用するようですが、こちらではサファリンで通していくことにしますね。
サファリンの特徴
まずはサファリンの鉱物としての特徴から簡単にご説明していきましょう。
サファリンは結晶の形が幾つかに分かれますが、主なタイプとして三斜晶系のタイプを(1A)、単斜晶系タイプを(2M)と呼んでいます。
サファリンの性質
結晶系 | (1A)三斜晶系、(2M)単斜晶系 |
化学組成 | (Mg,Al)8(Al,Si)6O20 |
硬度 | 7.5 |
比重 | 3.40-3.58 |
屈折率 | 1.701-1.734 |
複屈折率 | 0.004-0.005 |
光沢 | ガラス状 |
サファリンの色
サファリンは名前の由来通り、サファイアに見た目が似ている、ということで、代表的な色もサファイアブルーです。
ほかにも、以下の色を発色します。
- 淡い~濃い青色
- 緑色
- 青味~茶色味を帯びた緑色
- 青味~緑味を帯びた灰色や黒色
また珍しいところで
- 淡い赤色
- 黄色
- ピンク
- 紫味を帯びたピンク色
- 無色
といった色もあります。
宝石質のものの中で最も希少なものは、灰色味を帯びた青色をしたものです。
さらに強い多色性を見せるものは、大変希少価値が高くなります。
鉱物としての特徴
サファリンの原石は、透明から半透明です。硬度は7.5と比較的高めで、ガラス光沢を見せます。
さらに、見る方向によって色が変わる、多色性を持っています。
耐久性もあり、輝きも強く、そう、ジュエリーとして毎日着用するのに向いている、とっても有難い性質をもった宝石なのです。
ただ一つ、とても残念なことに、産出されるのは原石でも小粒なものがほとんどなのだそうです。
0.5カラット以上で透明度の高いものは、滅多に見つからないといいます。
コレクター熱、さらに上がりますよね。。。
屈折率の違い
サファリンの特徴のひとつとして知っておきたいのが、屈折率についてです。
実はサファリンの屈折率は色によって多少異なります。
色による屈折率の違いは、以下のようになります。
- 最も高い屈折率…茶色味を帯びた緑色の石
- 中間の屈折率…青色
- 最も低い屈折率…紫味を帯びたピンク色
サファリンの産地
サファリンの産地として有名な場所は、スリランカとマダガスカルです。
これらの土地では、宝石品質となるクオリティの高い原石を産出しています。
スリランカ中部州
この地域では、緑味を帯びた青色~濃い青色で、カットに向いた宝石品質のものが採掘されています。
マダガスカル南部
マダガスカルの南部にある、フィアナランツァ州とトゥリアラ州では、3㎝以上の大粒が発見されています。
グリーンランド西部
グリーンランドは、1819年に最初のサファリンが発見された土地です。
タンザニア
2007年に、赤色のサファリンが産出されました。
ほかにも、アルジェリア、南極大陸、オーストラリア北部、フィンランド、ラップランド、スコットランド、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウエー、スウェーデン、カナダ、中国、南アフリカ、アメリカ合衆国などで産出されています。
まとめ
できることなら多くの人に知られたくない。
そう思わせるほどマニアックな宝石、サファリンの特徴をお伝えしました。
産出量が少ない上に、大粒のものはほとんど発見されておらず、宝石品質のものが見つかるのも非常に稀です。
聞くところによると、ある科学者たちが実験用にサファリンの合成石を作ったという話もあるようですが、現在のところ、イミテーションが流通している話は聞いたことがありません。
カラッツ編集部 監修