「ヒスイ」は、古くから価値高く評価され、アジアを中心とした多くの人々から愛されています。
日本で採れることも有名ですよね。
皆さんは「ヒスイ」にどんなイメージをお持ちですか?
筆者は、幼いころ想像していた大金持ちといえば「大きなヒスイの取り巻きリングを指にはめたふくよかなマダム」というもので(笑)。
なぜか「高価な宝石と言えばヒスイ」というイメージが強かったようです。
それでは、知っているようで意外と知らなかった「ヒスイ」について探っていきましょう。
目次
ヒスイってどんな石?
硬玉(こうぎょく)とも呼ばれるヒスイ。英語ではjadeite (ジェダイト)といいます。
漢字で書くと「翡翠」。
とても美しい字ですよね。
漢字の意味を調べてみると「翡翠」はカワセミの別称で、「翡」はカワセミの雄、「翠」はカワセミの雌を意味するそうです。
カワセミの羽のような鮮やかな透明の青緑色の宝石、それが「ヒスイ」というわけですね。
産地
ヒスイの主な産地は、ミャンマー、日本、グアテマラ、アメリカ、ロシア、カザフスタンです。
国内では新潟県糸魚川市、富山県宮崎・境海岸のほか、群馬県、静岡県、兵庫県、鳥取県、島根県、岡山県、熊本県などで採れるといいます。
宮崎・境海岸は別名「ヒスイ海岸」とも呼ばれていますね。
歴史
ヒスイは靭性が高く、割れにくいことから、先史時代(文字がまだ使われておらず文献的史料が残っていない時代)には石斧などの石器武器として使われていたといわれています。
東洋、中南米で古くから高い人気があり、中国では装飾品や置物として、金よりも高価なものとされていました。
命の再生、不老不死をもたらす力があるとされていた中国や中南米の古代では、遺体全体を覆ったり、ニュージーランドやアメリカでは、まじないの道具として使用されていたそうです。
世界最古のヒスイの加工は、新潟県糸魚川市で縄文時代中期に始まったとされます。
装身具や勾玉に加工されたり、祭祀・呪術に用いられたりしました。
日本では奈良時代以降ヒスイは姿を消し、海外産しかないと考えられていましたが、昭和13年頃、新潟県でヒスイの原石が発見され、古代からヒスイ文化が続いていたことが証明されました。
鉱物としてのヒスイ
少し紛らわしい話ではありますが、中国で「玉」(ぎょく)、英語で「ジェイド」と呼ばれているものは、「硬玉(ジェダイト)」と「軟玉(ネフライト)」の2つのことを示します。
見た目は似ていますが、全く別の鉱物です。
そして「硬玉(ジェダイト)」の中で、ヒスイ輝石が50%以上含まれた「ヒスイ輝石岩」が宝石と呼べる「ヒスイ」です。
非常に割れにくいヒスイですが、表面は傷つきやすいので取り扱いには気を付けましょう。
石言葉と意味
世界各国で古くから「魔法の石」とされてきたヒスイの石言葉は、忍耐、調和、飛躍、豊穣、繁栄。
「あらゆる成功と繁栄を象徴する幸運の石」とされ、「目標達成のための心強いサポートをしてくれる」と大切にされてきました。
ヒスイを探そう!
新潟県糸魚川海岸から富山県宮崎・境海岸(ヒスイ海岸)にかけて、ヒスイの原石が拾えることで、鉱物ファンの憧れの地となっています。
しかし新潟県糸魚川市の姫川上流「小滝ヒスイ峡」、青海川上流の「橋立ヒスイ峡」は、ヒスイが国の天然記念物に指定されてから採掘が禁止されていますので、注意してくださいね。
海岸に打ち上げられたヒスイは、拾うことができます。
※こちらの記事も参考に
▶ヒスイハンターになれる?探し方と石の見分け方
こんなヒスイが価値が高い!3つのポイント
ヒスイはダイヤモンドでいう4Cのような明確な評価基準がありません。
ですが、ものによってはダイヤモンド以上の価値がつくものもあると聞きます。
査定額も各社まちまちなので、売買する時は複数社比較してみた方がいいでしょう。
色、色ムラ、透明度、テリ、カット、着色がほどこされているか?などで総合的な価値を計ります。
では価値の高いヒスイとは、どんな石なのでしょうか?
①ヒスイの色、最高級品は「琅玕(ろうかん)」
ヒスイの美しさは、なんといっても色!
深緑色のイメージの強いヒスイですが、ピンク、薄紫(ラベンダー)、黒、白、黄、橙といろいろなカラーがあります。
最高級品は「琅玕(ろうかん)」と呼ばれる半透明の緑色のヒスイで、テリがあります。
琅玕は1ctで数百万円の値が付くものもあるとか!?
②とろみのある質感
「宝石にとろみ!?」と思われるかもしれませんが、ヒスイの質を「とろみ」と表現することがあります。
「とろみのあるヒスイ」とは、まるで湖の表面のようなみずみずしさに似た印象をもっているヒスイのことをいいます。
③透明度、キズ
カットの仕方だけでなく、内包するキズの有無も石の価値に大きくかかわってきます。
ほかの石と同様に透明度が高く傷のないものが価値が高いとされています。
最後に
いかがでしたか。ヒスイの意外な一面を知ることができたのではないでしょうか。
ヒスイを選ぶ時の参考になれば幸いです♪
カラッツ編集部 監修