「投資目的で金地金(金やプラチナ)を購入したい」という方もいると思いますが、購入・売却に税金がかかることをご存知ですか?
金地金の購入・売却をする前に押さえておきたい、税金のお話です。
目次
金やプラチナの購入にかかるのは何税?
金やプラチナの場合、買う時と売る時では、かかる税金の種類も変わってきます。
購入する時
金地金を購入する時は、消費税がかかります。
それを売却する時は、逆に業者から消費税を受け取る形となります。ですので、これに伴う利益や損失は基本ありません。
売却する時
金地金を売却して得たお金は、原則として「譲渡所得」の対象として扱われます。
ただし、状況によっては「雑所得」「事業所得」として扱われることもあります。
3つの違いは次の通りです。
- 譲渡所得:買取店などで1回ほどの売却を行った場合
- 雑所得:継続して何度も売却を行っている場合
- 事業所得:事業として行い、売却で利益を得て生活している場合
個人的に金地金を一回だけ売却すると「譲渡所得」になり、これは絵画、骨董品、土地、建物などと同じです。
申請時は、一年間に売却した資産全ての合計を出し、年間の譲渡所得として申請します。
課税対象となるケース
ご紹介したように、金地金を個人的に売却した場合は「譲渡所得」として扱われます。
「譲渡所得」の対象となる全ての品目の合計売却額を計算し、合計50万円以上が課税の対象になります。
「譲渡所得」には年間50万円の特別控除があり、金地金など資産の所有期間が5年超か以下かにより計算も変わります。
所有期間5年以上の場合
総合短期譲渡所得として総合課税を計算します。
総合短期譲渡所得=合計の売却額-(購入費+手数料)-特別控除額50万円となります。
所有期間5年以下の場合
総合長期譲渡所得として総合課税を計算します。
上記の短期譲渡所得の計算で出た半分の額に課税され、
総合長期譲渡所得=合計の売却価格-(購入費+手数料)-特別控除額50万円÷2
となります。
短期と長期の金地金を複数売却した場合は、まず「短期譲渡所得」から控除額を差し引いて計算し、計算後に控除額が残れば、「長期譲渡所得」からも差し引きます。
税金の申告時に購入金額の証明となる書類が必要となります。
証明がない場合は売却額の5%が取得金額とみなされてしまうため、購入時の書類は捨てずにとっておきましょう。
ジュエリーの売却も税金がかかるの?
指輪、ネックレスなどの貴金属の売却には税金はかかるのでしょうか?
売値が1点30万円以下の貴金属ジュエリーには、税金はかかりません。
「売価が30万円以上の貴金属のすべてに課税されるのか?」と言うと、課税されるケースとされないケースがありますので、30万を超えそうな場合はちょっと注意が必要です。
▼ジュエリーや宝石を売却した際の税金についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
良かったら合わせてチェックしてみてくださいね。
金地金の売買と税金Q&A
相続でもらった金地金には税金がかかるの?
金地金は資産になるので、相続税(贈与税)がかかります。
相続した金地金を売却した場合の税金は?
相続した人が、もともとの所有者の所有期間を引き継ぐことになります。
相続した金地金を売却した場合、譲渡損益の計算は、もともとの所有者の購入金額と売却金額の差し引きにより算出します。
「金地金等の支払調書制度」とは?
金やプラチナの地金を売却して得た所得を税務署が把握するために「金地金等の支払調書制度」という制度があります。
金やプラチナの売却額が200万円を超える場合、買取店側に支払調書の提出が義務付けられています。
そのため、売却時に本人確認の書類を求める店がほとんどとなりました。
申告漏れがあるとどうなるの?
金地金の贈与所得による自己申告を怠ると、大きなペナルティがあります。
申告漏れが発覚すると、延滞税、加算税などの追徴課税がかかります。
長くなれば長くなるほど多くの追徴課税が発生するので、申告漏れには十分注意しましょう。
最後に
金・プラチナの売買にかかる税金のお話でした。
面倒だなと思うこともあるかもしれませんが、正しい知識を持ち、きちんと確定申告を行うことでトラブルを防ぐことができます。
金・プラチナ売買の準備段階で、参考にしてみてくださいね。
不安や疑問があれば、金地金売買に詳しい税理士事務所に相談してみましょう。
カラッツ編集部 監修