銀色のジュエリーというと、どんな金属が思い浮かびますか?
銀色と一口に言っても、プラチナ、シルバー、ホワイトゴールド、パラジウム・・・など色々ありますね。
パッと見た感じは似ていますが、金属によってそれぞれ特徴が異なります。
今回は、その中で、カラーゴールドの1つでもあるホワイトゴールドについて、その特徴や綺麗に保つための取り扱い方法などをご紹介していきたいと思います!
目次
ホワイトゴールドとは
ホワイトゴールドをそのまま漢字にしてみると白・金となりますので、ホワイトゴールド=白金と思ってしまいそうですが、、、違います。
白金はプラチナを意味する言葉で、ホワイトゴールドは銀色のゴールドのことを指します。
漢字で書く場合は、白色金と書いたりするようですよ。
ゴールドの元の色は、ご存知の通り、金色なのですが、ホワイトゴールドは、ゴールドに他の金属を混ぜることで銀色の色合いを出しています。
純金は、価値としてはもちろん高いのですが、ジュエリーなどとして使用するのには柔らか過ぎるため、一般的に他の金属を混ぜて硬度を上げて使用します。
ジュエリーの内側に「K24」「K18」「K14」などという刻印を目にすることがあるかと思いますが、これは純金の配合率を表しており、K24は純金、K18は75%、K14は58.5%の金が含まれているということを意味します。
つまり、K24の純金以外は、他の金属が混ぜられているということですね。
この他の金属のことを割金(わりがね)と呼び、ホワイトゴールドには、一般的に銀やパラジウムが割金として使われているといわれています。
ただし、同じホワイトゴールドでもメーカーや職人によって割金の種類や配合率が異なり、それによって色合いや風合いも違うといいますので、色々比べてみても面白いかもしれません。
ちなみに、イエローゴールドは、銀と銅、ピンクゴールドも銀と銅、(メーカーなどにより、これらに加えパラジウムが含まれる場合もあります)などが割金として使われているといいます。
刻印では、イエローゴールドはYG、ピンクゴールドはPG、ホワイトゴールドはWGと表されます。
ホワイトゴールドは変形したりキズがつきにくい?
前述したとおり、純金は柔らかく傷つきやすい金属です。
ホワイトゴールドは、ゴールドに銀やパラジウムといった他の金属を割金として混ぜているため、純金より耐久性があり、変形やキズに強くなります。
耐久性や強度は、割金の種類や割合でも変わってきます。
割金が多いほど強度が高くなるため、つまりは純度が低い方が耐久性は上がります。
また、割金に使われる金属の耐久性も影響しますので、強度が高い金属を使用する方が耐久性が上がります。
ホワイトゴールドは時間が経つと変色する?
ずっと美しい銀色の光沢を楽しみたいのですが、ホワイトゴールドも経年劣化によって、徐々に変色する場合があります。
ホワイトゴールドは多くの場合、ロジウムコーティングと呼ばれるメッキ処理が施されています。
ロジウムコーティングについては、この後詳しくお話しますが、長く使っていると摩耗してコーティングが剥がれ、地の色が見え、変色したように見えるということもあるようです。
また、割金として使われている金属が原因で変色することもあります。
前述したように、ホワイトゴールドの割金には銀が含まれる場合が多いです。
銀は硫黄と化学反応を起こし、硫化しやすい性質をもっています。
そのため、硫黄成分の入った温泉に入ったり、入浴剤に浸けることで色が変わってしまう恐れがあります。
ロジウムコーティングが施されている場合は、ホワイトゴールドの部分が直接空気や水と触れ合わないため、よほど大丈夫とのことですが、ロジウムコーティングが施されていないものもありますので、注意は必要です。
また、前述したように経年劣化によりコーティングが剥げたりキズが付いたりしている場合もありますので、念のため温泉に入る際は外した方が安心だと思います。
ホワイトゴールドに施されるロジウムコーティングとは?
前述したように、ホワイトゴールドのジュエリーにはロジウムコーティングが施されていることが多くあります。
なぜロジウムコーティングが必要なのかと、そのデメリットについてお話しましょう。
なぜロジウムコーティングが必要か
ホワイトゴールドは、黄金色のゴールドを銀色にするために、銀やパラジウムなどを混ぜているのですが、それだけでは完全な銀色にはならずほんのりイエロー味が残ることも多いといいます。
そのため、上からロジウムコーティングすることでより銀色に近い色合いを再現しているということです。
また、ロジウムコーティングすることでプラチナのような光沢を出すこともできるといいます。
更に、ロジウムは硬くて丈夫な金属ですので、コーティングを施すことで、ホワイトゴールドの硬度を上げ、傷をつきにくくする効果もあるそうです。
つまり、ホワイトゴールドにロジウムコーティングを施す理由は、色合いと光沢感を高め、硬度を上げるためということですね!
ロジウムコーティングのデメリット
ロジウムコーティングを施すことで、メリットとデメリットがあります。
メリットは、先にお伝えしたような理由から、ジュエリーの一番大切な美しさを高めてくれ、かつ、外部からの衝撃から守り、傷を防いでくれます。
逆にデメリットとしては、コーティング処理のため、長年使用していたり、間違った研磨剤などで磨いてしまうと、摩耗して剥がれてしまうということです。
そうすると、下にある本来の色が出てきて黄色く変色したように見えてしまうということ。
美しい銀色であったのが黄色っぽくなってしまいます。
もしコーティングが剥がれてしまった場合は、購入されたお店や修理店などに相談し、再度コーティング加工を施してもらうようお願いしましょう。
再びツヤのある美しい銀色を取り戻すことができるハズです。
但し、メーカーによってはロジウムコーティングを施さないところもあるようです。
ロジウムコーティングが施されているか否かで注意すべき点が異なる場合もありますので、気になる方は、購入の際、コーティングの有無を確かめると良いでしょう。
もし変色ししまったら元に戻せる?お手入れ方法は?
ホワイトゴールドも長く愛用していると経年劣化や化学反応などにより変色してしまうことがあるとお話しました。
一度変色してしまったら、元に戻せないのでしょうか。防ぐ方法はあるのでしょうか。
ご安心ください。
ある程度は日頃のお手入れなどで防ぐことができますし、強く変色した場合でも、美しい状態に戻せる可能性はあります。
では、その方法についてご紹介しましょう。
専用のクロスで磨く
ホワイトゴールドのジュエリーも直接肌に付けることにより、汗や皮脂で汚れる場合があります。
そのままにしてしまうと、変色の原因になりかねないため、使用した後はセーム革のような柔らかい布などで拭いてからしまう癖をつけると良いと思います。
少し汚れが目立ってきたら、専用のクリーニングクロスで磨いてあげるとより良いです。
ただし、ホワイトゴールドは、ロジウムコーティングがされている場合が多いため、間違った素材で磨いてしまうとコーティングが剥がれてしまう恐れがあります。
硬いブラシなどを使用したり、ゴシゴシ洗ったりしないようご注意下さいね。
購入時に付属されているクリーニングクロスなどがあればそれを使うのが安心かもしれません。
中性洗剤で洗う
専用クロスで磨くほかに、ご自宅でできるクリーニングとして、中性洗剤を使って洗う方法もオススメです。
ぬるま湯に中性洗剤を数滴入れ、よく溶かします。
その中にジュエリーを浸し、つけ置き洗いするか、もしくは振り洗いしましょう。
汚れが落ちたら、ジュエリーを取り出し、水でよくすすぎ、柔らかい布でしっかり水気を拭き取って下さい。
細かな部分は、化粧筆など柔らかいブラシで優しく洗うと、汚れ落ちが良くなりますよ。
但し、宝石がついたジュエリーの場合、石によっては水や中性洗剤もNGのものもありますので、その石の性質にあわせてクリーニングするようにしましょう。
ジュエリーショップで磨いてもらう
どんなに丁寧に使っていても、経年劣化によりロジウムコーティングが少しずつ剥がれ、キズや変色が目立ってきてしまうことがあります。
表面の汚れなどは、クロスで磨いたり中性洗剤で洗うなどご自宅で簡単に行えますが、キズ磨きやコーティング剥がれに関してはプロの力を借りる方が安心・確実でしょう。
多くのお店は、購入したジュエリーのアフターサービスを行っています。
まずは購入したお店でアフターサービスが利用できるか確認してみてくださいね。
ホワイトゴールドは金属アレルギーを起こしやすい?
ゴールド自体は基本的にアレルギーを起こしにくい金属といわれていますが、これについても、割金の種類によって起こす可能性があります。
ホワイトゴールドの割金として使われることの多いパラジウムは、一般的にアレルギーが出やすい金属の一つといわれています。
ロジウムコーティングが施されている場合は、ロジウムにアレルギーがなければ、反応が出ない場合もあるようですが、コーティングが剥がれてきた時に下地が肌に触れることになり、そこに含まれるパラジウムに反応するケースも見られるそうです。
先にお伝えしたように、ロジウムコーティングが施されないジュエリーもありますし、割金の種類もメーカーや職人によって異なります。
また、金属アレルギーは個人差があるため、ご自身がどの金属に弱いのか、どれ位の純度がないと起こしやすいかなどを専門医で予め調べておくことも大切です。
昔は大丈夫だったのに、突然反応が出てしまうようになったということも聞きます。心配な方はまずは調べてみてくださいね。
ホワイトゴールドをキレイに保つ保管方法は?
ホワイトゴールドに限らず、ジュエリーは保管の仕方によっては劣化やキズがついてしまう恐れがあります。
先にお伝えしたように、日々のちょっとしたケアだけでも美しさを保つことは可能です。
強い衝撃を与えればキズが付くこともありますので、重いものを運んだり運動する時は外した方が良いでしょう。
また、ジュエリー同士がぶつかることも傷の原因になります。
一点ずつ小袋に入れるか、仕切りのある箱に保管するなど、他のジュエリーと重ならないように気をつけることも大切です。
最後に
ホワイトゴールドについてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
ゴールドは、全般的に比較的安定した金属なので、神経質にならずに付けられるジュエリー素材の一つだと思います。
しかし、ずっと長く美しいまま、安全につけ続けるにはホワイトゴールドの特徴や取り扱い方法などを知っておくと良いでしょう。
お手持ちのジュエリーのお手入れやこれから購入する際の参考になれば幸いです。
カラッツ編集部 監修