皆さまはコンクパールという宝石の名前を聞いたことはありますか?
市場で扱っている数が少ないため、もしかすると耳にしたこともないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は美しいピンク色をした稀少なコンクパールについて、お話していきたいと思います。
目次
コンクパールとは?
実は世界で最も希少な真珠と言われているのがこのコンクパールなのです。
コンクパールは「ピンク貝」という種類の天然の貝を母貝にしたいちごミルク色の天然真珠のことです。
ピンク貝は大型巻貝の一種で、棲息しているそもそもの数が大変少ないと言われています。
ではその珍しいコンクパールの詳細についてご紹介していきましょう。
産地
コンクパールはカリブ海周辺のバミューダ諸島、西インド諸島、メキシコ湾などで採取されています。この地域がピンク貝が棲息しているエリアになります。
元々少ない品種にも関わらず20世紀半ばに食用として過度な採取が行われたため、ピンク貝は一時は絶滅の危機に面したこともあるといわれています。
色
コンクパールの色はいちごミルク色のピンクがポピュラーですが、その他にも赤っぽいものや淡い黄~オレンジ系のものなど、色々カラーバリエーションが豊富です。
そしてコンクパールの中でもっとも希少性が高いと言われる色は濃いピンク色で、コンクパールの特徴である炎が燃え盛っているような「火焔模様(かえんもよう)」が出ているものだとされています。
ちなみにバハマ諸島にはピンク貝の殻などが積もってできたピンク色の砂浜(ピンクサンドビーチ)があります。それはそれは幻想的な美しさです!
コンクパールの希少性
もともと数の少ないピンク貝ですが、その上すべてのピンク貝からコンクパールが採取できるわけではありません。
実際にコンクパールが作られるのは1000~10000貝に1つとも言われているくらいとても希少性の高いものなのです。
コンクパールと一般的な真珠の違いは?
構造
一般的に言う真珠は、干渉色を呈する真珠層によって形成されています。
これに対しコンクパールは真珠層を持っていないので、いわゆる真珠のもつ虹色の光沢はありません。
同じ貝からできる宝石ではありながら、まったくの別物だと考えると良いでしょう。
コンクパールの形状
コンクパールはほとんどが球体ではなく、細長い楕円のような形状をしています。
したがって、通常真珠のサイズは球体の直径で表しますが、コンクパールは直径を測れないのでカラット(重量)表記で表すことになっています。
他の真珠のように養殖はできるのか?
何度も失敗を重ね、2009年にようやくコンクパールの養殖に成功したとGIAが発表しました。
しかし、通常のパールが2枚貝なのに対し、コンクパールは巻き貝。他の真珠のように簡単にはいかないようです。
流通ルートに乗るほどの数が用意できていないのが現状で、他の真珠のように養殖産業化するまでにはまだ時間がかかりそうです。
コンクパールの価値基準と市場価格
希少性が高いコンクパール、手に入れたいと思ったら何をポイントに買えば良いのでしょうか。どれくらいのお値段で買えるかも気になるところですよね。
簡単にご紹介しましょう
コンクパールの価値基準
コンクパールの価値は、色の濃さ、美しさ(色ムラがなく色が均一か)、そして火焔模様がはっきりと出ているもの程高く評価されるといいます。
次に大きさです。
コンクパールの市場価格
色味が薄かったり、サイズが小さいものは数千円~、色が濃く火焔模様がはっきりと出ているもので、大きいものになると100万円以上するものもある印象です。
何処で買える?
オンラインショップを中心に取り扱っているお店は探せます。
希少性が高いため数は少ないですが、中古ジュエリーを販売しているお店もあるようです。
ミキモトなどでも取り扱いがあるようですね。
ただ、オンラインショップの場合、実物を見ずに購入することになるため、購入者の口コミを見たりお店の情報を事前に調べるなど、信頼のおけるお店かどうかある程度見極めた上で購入されることをオススメします。
信頼のおける鑑別機関の鑑別書が付属していたり、オプションで付けられるとなお安心かもしれません。
最後に
宝石の中でもたいへん希少性の高いコンクパール、いかがでしたでしょうか。
コンクパールは火焔模様が入っているか否かで、価格がだいぶ変わってくるのですが、あとは色合いのお好みで選んでいただければと思います。
例えば、火焔模様のないいちごミルク色の淡いピンクはコンクパールとしての評価は低いかもしれませんが、品のある可愛らしさが漂います。ぜひご自分にピンとくるような色合いを見つけてみてくださいね。
カラッツ編集部 監修