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絵画のように美しいデンドリティッククォーツの世界とは?

デンドリティッククォーツ ルース

デンドリティッククォーツ(Dendrtic quartz)は、まるで森林の風景を石の中に閉じ込めたような、幻想的な美しさをもつ鉱物です。

上の画像のようにその模様は様々で、同じものは二つとないといわれます。

まるで美しい絵画を眺めているような気持ちにもさせてくれる、自然が生み出した芸術、デンドリティッククォーツの世界を探ってまいりましょう!

「デンドリティック」の意味とは?

デンドライト アップ
デンドリティッククォーツの「クォーツ」の部分は恐らく皆さんお分かりになると思いますが、「デンドリティック」の部分は何からきていると思いますか?

これは「デンドライトと呼ばれる鉱物から由来しています。

では、デンドライトとは何か?というと、

「デンドライト」とは、樹木の枝状のインクルージョンが入った鉱物のことを全般的に表す言葉だそうです。

ですので、「デンドリティッククォーツ」は「樹木の枝状のインクルージョンが入ったクォーツ」になる訳ですね。

ちなみに、記録によると、昔の人はデンドライト木の化石だと信じていたといわれているそうです。

確かに見えなくはないですよね。

しかし実際は化石でもなければ草や木の枝などが中に入り込んでいる訳でもありません

ではその正体とは何なのか?については後ほどご説明しますね。

まずはデンドライトの鉱物としての基本情報からいってみましょう!

鉱物としての基本情報(デンドライト)

結晶系 正方晶系
モース硬度 6-6.5(土状の場合1~2)
比重 4.5-7.9
屈折率

名前の意味

デンドライトの名前は、ギリシア語樹木を意味するデンドロン(dendron)から付けられたといわれています。

和名忍石(しのぶいし)、模樹石といいます。

デンドリティッククォーツの特徴

デンドリティッククォーツ ルース
それでは、デンドリティッククォーツの話に戻りましょう。

産出される形も色も、多種多様なデンドリティッククォーツ。特徴としていえることは、全て自然の偶然からできたものなので、「ひとつとして同じ模様の石はない」ということです。

勿論それは宝石全般にいえることではありますが、特に個性が分かりやすいということですね。

デンドリティッククォーツの外側はクォーツですので、モース硬度は7です。

中には、美しい絵や写真に見えることから「ランドスケープクォーツ」「ピクチャークォーツ」と呼ばれるものもあるそうです。

黒色、灰色、褐色など。

樹木のように見える模様は、ほとんどが暗い褐色をしています。

そして含まれる成分によって色の違いがあるそうで、黒色のものはマンガン褐色系の影響だと考えられているそうです。

産地

主な産地はブラジルです。

そのほか、インド、アメリカ、マダガスカルをはじめ、世界各地から産出されます。

デンドリティッククォーツはどうやってできるの?

デンドリティッククォーツ ルース

木の枝のように見えるインクルージョンの正体は、金属鉱物のコロイド粒子だそうです。

何だか難しい話になってきましたよ。

なんでも、水に溶け込んだ金属イオンが、石の割れ目から侵入し微細な粒、コロイド粒子となります

その粒が壁面に沈殿し連なると、樹木が茂ったように見えると考えられているそうです。

自然が生み出したアートのようなものですね!

デンドリティッククォーツにも種類がある?

クォーツにはいろいろな種類がありますので、デンドリッククォーツも自ずと色んな種類があります

あらゆるクォーツの中にできる可能性があるからですね。

ただ、アメジストシトリンの中にできるものは大変珍しいそうです。

またスモーキークォーツにできるものは、スモーキークォーツの色が濃いためあまり目立たないのだとか。

地の色とインクルージョンの色が同化しない方が美しさが際立つということでしょうか。

クォーツ以外にもあるデンドライト

デンドリティックオパール アップ
前述したとおり、デンドライトは、多種多様な鉱物の中に形成されます。

最も多いのは、クォーツアゲートジャスパーなどの石英の種類だといわれています。

地の部分がアゲートであれば、「デンドリティックアゲート」、ジャスパーであれば「デンドリティックジャスパー」と呼ばれます。

その他の鉱物に見られることもあり、ごく稀にオパールアクアマリンなどに見つかることもあるそうです。
ただ樹木のような美しい内包物が入った鉱物はとても珍しいようですね。

デンドリティッククォーツの歴史

デンドリティッククォーツ ルース
デンドリティッククォーツは古代より採掘されていたといわれています。

しかし前述したように、昔は木の化石と思われていたり、古代ギリシア時代の人々には「石の中に木の枝が封じ込められている」と考えられていたという言い伝えも残っているそうです。

また、植物の模様から、自然の流れに従い物事がうまく運ぶ「豊穣のお守り」とされていたこともあるそうです。

最後に

デンドリティッククォーツ ルース
自然の産物とは思えない神秘的な美しさがあり、見る人の想像をかき立てられるデンドリティッククォーツ。

ある石は夏空の入道雲のある景色、ある石は寒さ厳しい冬山。人によっても見え方が違うという魅力あふれる石です。

デンドリティッククォーツのような模様の美しい宝石はヨーロッパでも好まれる傾向にあるそうですね。

ぜひ、世界にたった一つのあなた好みのデンドリティッククォーツを見つけてくださいね。

カラッツ編集部 監修