アベンチュリンクォーツってどんな石?金粉が散りばめられたように煌めく理由とは

アベンチュリンクォーツ ルース

ビーズやアクセサリーに使用されることが多いアベンチュリンクォーツ

天然石のブレスレットがお好きな方には、特に馴染み深い宝石かもしれません。

キラキラとした煌めきの正体は?アベンチュリンクォーツとはどんな鉱物でしょうか。

アベンチュリンクォーツについて、探ってまいりましょう♪

アベンチュリンクォーツとは?

アベンチュリンクォーツ ルース

アベンチュリンは、ヘマタイトゲーサイトなどの細かな微粒子の結晶のインクルージョン(内包物)によりキラキラと煌めくアベンチュレッセンスを示す石英を指します。

インクルージョンに光が当たって金粉が散りばめられたようにキラキラと煌めくのです。

基本情報から見てみましょう。

鉱物としての基本情報

英名 aventurine quartz
和名 砂金水晶・砂金石英
結晶系 六方晶系(粒状集合体)
化学組成 SiO2
モース硬度 7
比重 2.65 – 2.70 ※インクルージョンにより多少変動あり
屈折率 1.54~1.55

特徴

前述したとおり、アベンチュリンクォーツはヘマタイト(赤鉄鉱)ゲーサイト(針鉄鉱)などの微細結晶のインクルージョンにより輝く、アベンチュレッセンスを示す石英のことです。

微細結晶反射された光が煌めくことによって独特の輝きが生まれると考えられています。

しかし、本来のアベンチュリンクォーツは産出量が少ないことから市場に出回るものも少ないそう。

現在一般的にアベンチュリンクォーツとして出回っているものは、インド翡翠とも呼ばれる、グリーンクォーツァイトのアベンチュリンストーンが多いようです。

これはフックサイト(含クロム白雲母)の細かな微粒結晶のインクルージョンによって緑色になったもので、フックサイトが一定方向に並ぶことでキラキラと煌めくのだとか。

ちなみに、「インド翡翠」というのはいわゆるフォルスネームと呼ばれるもので、翡翠とは全く別の鉱物ですので注意してくださいね。

緑色、金褐色、青色、黄色、ピンク色、茶色 など

なお、インクルージョンの輝きは、含まれる鉱物によって色が異なります。

ヘマタイトやゲーサイト赤やグレーに輝き、フックサイト緑色の光沢があるのが特徴だといわれています。

産地

インドブラジルジンバブエシベリアアフガニスタンチリロシア中国など。

アベンチュリンクォーツの原石の形

アベンチュリンクォーツ 原石

アベンチュリンクォーツの結晶構造六方晶系に分類されます。

主に塊状で産出されるといわれています。

前述したとおり、現在最も多く流通しているアベンチュリンクォーツは、クォーツァイト(珪岩)がベースになっているものです。

フックサイトを含んでいても、配列上ばらつきがあったりするとキラキラと輝かないこともあり、そういったものはただのグリーンクォーツァイトになるそうです。

レピドライトを含んでいるとピンク色ルチルの小片を含んでいるとヘマタイトを含んでいると濃い赤色になると考えられています。

アベンチュリンクォーツの名前がもつ意味

アベンチュリンクォーツ ルース

1700年頃のこと、イタリアのあるガラス工房でそれまで存在しなかったキラキラと輝くガラスが偶然に生まれました。

偶然に」を意味するイタリア語、「ア・ベンチュラ」から「アベンチュリノ(アベンチュリンのガラス)」と呼ばれるようになったそのガラスは後に、「ゴールド・アベンチュリンガラス(茶金石)」、現在は「ゴールドストーン」とも呼ばれています。

ゴールドストーン ルース

画像:ゴールドストーン

このゴールド・アベンチュリンガラスの誕生がきっかけで、自然界にも同じような石があると着目され、見つけられたアメジストなどのアベンチュリンストーンが宝石としてカットされるようになったといわれています。

そしてその後、それらのキラキラ輝くインクルージョンを含むクォーツをアベンチュリンクォーツと呼ぶようになったそうです。

ちなみに、光学用語でキラキラ輝く効果を指す「アベンチュレッセンス」という言葉もココから生まれたといわれています。

アベンチュリンクォーツはどこで買える?価値基準は?

アベンチュリンクォーツ ブレスレット

グリーンクォーツアイトのアベンチュリンは、産出量が多いこともあり、比較的リーズナブルな値段で手に入ります。

パワーストーンを扱っているお店でもよく見かけますので、探しやすい宝石の一つではないかと思います。

モース硬度7とジュエリーとして楽しむこともできる硬さがあり、取り扱いもしやすいため、初心者の方にもおススメです。

最後に

アベンチュリンクォーツ ルース
アベンチュリンクォーツの特徴などをお伝えしてまいりました。

個人的には「偶然できたゴールド・アベンチュリンガラスから、自然界にもよく似た石(アベンチュリン)があることに気づいた」というエピソードが面白く、とても興味深かったです。

そんなこともあるのですね。

古くは古代チベット時代に「洞察力を高める石」として崇められ、仏像の目にあたるところにアベンチュリンクォーツを飾ったと言われています。

もし機会があればアベンチュリンクォーツをお手に取って、キラキラ煌めくアベンチュラレッセンスを楽しんでみてくださいね♪

カラッツ編集部 監修