虎の目のような鋭いキャッツアイ効果を見せるタイガーアイ。強く煌めく金褐色が、とても豪華な印象です。
古来から神の目として称えられてきたタイガーアイは、どのようにして生成したのでしょうか。
こちらでは、タイガーアイがキャッツアイ効果を見せる要因、色の種類や鉱物としての特徴など、様々な角度からお伝えしていきます。
目次
タイガーアイとは
タイガーアイは、シャトヤンシー(キャッツアイ効果)を見せる石です。黄色や金褐色の縞模様を見せ、虎の目に似ていることから『タイガーアイ(虎目)』と呼ばれるようになりました。
タイガーアイの性質
結晶系 | 三方晶系 |
化学組成 | 二酸化珪素 |
硬度 | 7 |
比重 | 2.65 |
屈折率 | 1.54-1.55 |
複屈折量 | 0.009 |
光沢 | ガラス状 |
タイガーアイの色の要因
タイガーアイは、クオーツ(石英、水晶)の一種。クロシドライト(青色アスベスト)にクオーツが溶け込み、固まってできたものです。
クロシドライト内にある鉄が酸化すると、黒くなります。酸化した鉄の錆びが原因となり、黄色や金褐色の縞模様を見せるのです。
クロシドライトの鉄が酸化しないままだと、灰青色をしたホークスアイ(鷹目石)になります。
キャッツアイ効果を見せる要因
タイガーアイがキャッツアイ効果を見せるのは、内包するクロシドライトが繊維状となり、平行に連なっているためです。
タイガーアイはクロシドライトにクオーツが染み込み、固まって生成したものです。
地中の奥深くで生成する長い歳月の間、クロシドライトが徐々に溶けていきました。次第に絹状に並んだ結晶構造がクオーツに変換されていき、キャッツアイ効果を見せるようになるのです。
タイガーアイの色と種類
タイガーアイが内包するクロシドライトの鉄が酸化すると、黄色になります。酸化していないものは、青や灰色を呈します。ゴールドや赤や緑なども出回っていますが、これらは脱色や着色処理が施されています。
こちらでは、タイガーアイの色の種類をそれぞれご紹介していきます。天然の色から人工処理が施されたものまで、バリエーションが大変豊富です。
イエロータイガーアイ
タイガーアイとして一般的に知られている、定番の色です。金褐色や黄色の縞模様を見せます。
ブルータイガーアイ
青い色をしたタイガーアイです。クロシドライトの鉄が酸化しないままのタイガーアイで、ホークスアイやファルコンアイとも呼ばれています。
グレータイガーアイ
グレーの地色をしたタイガーアイです。イーグルアイ(鷲目石)と呼ばれていますが、正式にはクォーツァイト・キャッツアイという名称がついています。
ゼブラタイガーアイ
イエローとブルーなど2色を呈する珍しいタイガーアイです。結晶内の鉄分の酸化が途中でストップするなどした結果、ブルーとイエローが縞模様になっています。
ピーターサイト
タイガーアイとホークスアイ(ブルータイガーアイ)が溶け合って出来たものです。濃い青色と金褐色が混ざり合った、マーブル模様をしています。
1962年にナミビアでシド・ピーターズという人物が発見したことから、こう名付けられました。
レッドタイガーアイ
赤褐色をしたタイガーアイです。天然産は非常に稀で、大抵はイエロータイガーアイに加熱処理を施したものです。
雄牛の目という意味の、ブルズアイやオックスアイとも呼ばれています。
ゴールデンタイガーアイ
明るいトーンの黄金色をしています。縞模様が淡く、黄色の色合いが強くなっています。一般のタイガーアイを脱色処理したものです。
オレンジタイガーアイ
金色のタイガーアイを加熱処理して、オレンジ色に変化させたものです。
脱色・着色処理を行ったタイガーアイ
ピンクタイガーアイ、パープルタイガーアイ、グリーンタイガーアイ、ブラックタイガーアイなどです。
イエローやブルーのタイガーアイなどにも、人工処理を施したものが出回っていると聞きます。
タイガーアイの産地
タイガーアイは、主に南アフリカで産出されています。南アフリカのグリーカランド地域では厚い板状の結晶が産出され、ホークスアイ(鷹目石)を伴っていることが稀にあります。
ほかにも、オーストラリア、ナミビア、インド、ミャンマー、北米、ブラジル、カナダ、スペイン、韓国、中国などで産出されています。
タイガーアイの意味
タイガーアイの宝石言葉は、知識、独立、洞察力、富などです。
鋭い目のような効果を見せるタイガーアイは、古来から洞察力を磨く宝石として、大切に扱われてきました。
古代エジプトでは神像の目に嵌められ、邪気や悪夢から身を守る石として護符にしていたといいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
黄金色で有名なタイガーアイですが、実はこんなにも色の種類があるのですね。
タイガーアイは硬度も比較的高く、扱いやすい宝石です。クールで力強い印象があるので、男性が着用するジュエリーとしても人気が高いのですよ。
カラッツ編集部 監修