ピンクオパールは上品な薄桃色が特徴的なオパールの一種です。
カボションカットに研磨されたものはつるんとした艶がとても魅力的。
まるでキャンディーのようなスイートな印象がある気がします。
今回はそんなピンクオパールについて、特徴や価値基準、偽物の存在、お手入れの方法など色々調べてみましたので早速ご紹介していきたいと思います!
目次
ピンクオパールとは?
ミルキーなピンク色ともいえる上品な薄桃色をしたピンクオパール。
遊色効果を見せないことから、遊色効果を見せる一般的なオパールとは異なる印象をもちますが、表面に艶があるような上品な姿には独特の魅力を感じます。
鉱物としての基本情報
英名 | Pink Opal(ピンクオパール) |
和名 | – |
分類 | 珪酸塩鉱物 |
結晶系 | 非晶質 |
化学組成 | SiO2・nH2O |
モース硬度 | 5.5 – 6.5 |
比重 | 1.98 – 2.55 |
屈折率 | 1.37 – 1.53 |
光沢 | ガラス光沢 |
特徴
ぷるんとした艶のあるカボションカットに施されることが多いピンクオパール。
透明感の高い原石はファセットカットにされることもありますね。
オパールは遊色効果を見せるプレシャスオパールと見せないコモンオパールの大きく2種類に分けられます。
ピンクオパールは遊色効果を見せないコモンオパールに属します。
ジュエリーとして楽しむこともできますが、他のオパールと同様に乾燥や日光、衝撃に弱いので、着用する際や保管、お手入れの際は注意が必要です。
一般的に淡いピンク色の地色に白やグレーの班が見られるものが多いといいます。
色
ピンクオパールは主にミルキーなピンク色をしています。
色幅があり、淡いピンク、ローズピンク、イエロー味を帯びたピンク、濃いピンクなど様々です。
半透明から不透明のものが多く、透明度によっても印象が異なりますね。
表面に白い条線が見られることが多くあります。
産地
ピンクオパールの主な産地は、オーストラリアとペルーです。
他に、メキシコ、ブラジルなどからも産出されるといわれています。
名前の意味
オパール(Opal)という名前の由来は諸説あり、サンスクリット語の「upala(最上の宝石、貴重な石)」、ギリシャ語の「Opalios(色が変化する)」ラテン語の「Opalus(貴重な石)」などが変化して、現在のオパール(Opal)になったといわれています。
ピンクオパールは、ピンク色のオパールという意味、そのままですね!
ピンクオパールは何月の誕生石?
オパールは10月の誕生石です。
ということで、ピンクオパールも10月の誕生石です。
オパールは、前述したとおり、遊色効果を見せるプレシャスオパールと見せないコモンオパールに大きく分かれますが、その中でそれぞれ細分化され、多くの種類があります。
更に遊色の出方は一つずつ異なり個性が強いため、色々集めたくなる宝石ではないかと思います。
中でもピンクオパールは、愛らしいピンク色が女性らしさを演出してくれる、そんな印象があります。
ご自身のためのお守りとして選んだり、大切な方への誕生日プレゼントに選ぶのもおススメですよ☆
オパールの石言葉と言い伝え
オパールの石言葉は、「希望」「無邪気」「克己」です。
「希望」は七色が揺らめく姿が希望というイメージにつながったことからだといわれているようですよ。
「無邪気」というのも遊色の動きから何となく想像できる気がしますね。
また、オパールは古くから様々な土地で神聖なパワーをもつ石だと信じられてきました。
例えばヨーロッパでは、純潔、真実、希望の象徴と考えられていたり、アラビアの伝説では、オパールは天から閃光と共に落ちたものだといわれていたりするそうです。
更に古代ギリシャでは、オパールの所有者は予言能力が与えられ、疫病から身を守ると信じられていたとか、古代ローマでは幸せと希望を象徴する神の石として崇められていたなど、数々の言い伝えが残されています。
ピンクオパールの偽物
ピンクオパールにも合成石など人工的に作られたものが存在します。
合成石や人造石自体が悪い訳ではありませんので、消費者が誤解しないようきちんと明示して販売されていれば問題ないのですが、事実を隠して悪意をもって販売している人も世の中には居るそうですので、注意は必要です。
天然のピンクオパールは淡い色のものが多いそうですが、人工的に作られたものはより鮮やかなものが多いといわれています。
そして、天然のピンクオパールは遊色効果を示さないコモンオパールです。
遊色を示すピンクオパールは人工的に作られたものという可能性があります。
見分ける一つのポイントとして覚えておくと良いかもしれません。
また、「パリゴルスカイト」という鉱物があるのですが、不透明でピンク色をしていることから、ピンクオパールとして売られていることがあると聞きます。
鉱物としては全く関係がないそうですので、ピンクオパールと間違えて買わないようご注意下さい。
しかしこのパリゴルスカイト、あまり聞かない名前ですがどんな鉱物なのか、ちょっと気になったので調べてみました!
簡単にご説明しましょう。
パリゴルスカイト
画像:パリゴルスカイトにクロライト・イン・クォーツが生成したもの
パリゴルスカイトの鉱物としての基本情報
英名 | Palygorskite(パリゴルスカイト) |
和名 | パリゴルスキー石 |
分類 | 珪酸塩鉱物 |
結晶系 | 単斜晶系 |
化学組成 | (Mg,Al)2Si4O10(OH) ·4H2O |
モース硬度 | 2.0 – 2.5 |
比重 | 1.00 – 2.60 |
屈折率 | 1.55 |
光沢 | 脂肪光沢、樹脂光沢 |
パリゴルスカイトの特徴
パリゴルスカイト(Palygorskite)は珪酸塩鉱物で、結晶は繊維状や皮革状をしています。
羊皮紙のようなマット状の繊維状結晶の集合体で見つかることが多いといいます。
まるで柔軟な革のように見えることからロックウッド(Rock Wood)、マウンテンウッド(mountain wood)、マウンテンレザー(Mountain Leather)などの愛称ももちます。
原石は不透明で、色はローズピンク、ライトピンク、イエロー、ホワイト、グレー、ブラウンなどです。
宝石品質ものは、ライトグレー、ピンク、イエローを呈するといわれ、エンジェルスキンオパールと呼ばれることもあるといいますが、先程もお伝えしたとおり、オパールと鉱物学的な関係はありません。
ちなみに、ライトピンクのパリゴルスカイトにシリカを含浸させたエンジェルストーンと呼ばれる宝石があります。
通常パリゴルスカイトはモース硬度2 – 2.5と人間の爪と同じ位の硬さしかありませんが、含浸処理を行うことによりモース硬度4.5程度と耐久性が高くなるそうです。
ピンクオパールに含まれるパリゴルスカイト
オパールとパリゴルスカイトは鉱物学的な関係はないとお伝えしましたが、一つだけ関係する部分があります。
それは、ピンクオパールの中には内包物としてパリゴルスカイトを含んでいるものがあるということ。
あるリサーチ結果によると、メキシコ産やペルー産のピンクオパールの中から、10%~40%のパリゴルスカイトの内包物を含むものが多く見つかったと報告されています。
そして、それらのピンクオパールはパリゴルスカイトによってピンク色に見えていると考えられているそうです。
つまり、ピンクオパールとパリゴルスカイトとの間に全く関係性がない訳ではないようです。
しかしながら、鉱物としてはこの2つが別物であることには変わりありません。
パリゴスカイトがピンクオパールとして販売されていたら注意して下さいね。
ピンクオパールの価値基準と市場価格
価値基準
ピンクオパールも他の色石と同様に色・透明度・カット・大きさなどを見て評価します。
評価する際の基準を、それぞれの項目別に見ていきましょう。
色
一般的なピンクオパールは淡いピンクの地色に、ホワイトやブラウン、グレー味を帯びたものが多いようです。
石全体に色むらがなく、色が均等に広がっているほど高く評価されます。
濃いピンク色は希少なため、価値も上がります。
透明度
半透明~不透明なものが多いピンクオパールですが、透明度が高い程価値は上がります。
また、表面が滑らかで、肉眼で見えるキズや欠けなどがないものほど高く評価されます。
ダークな色の斑点をもつものは、評価が下がります。
カット
ピンクオパールはカボションカットが施されることが多いです。
カボションの高さやバランスなどが良いもの程高く評価されるといいます。
透明度が高いものはファセットカットを施されることもあり、それらについてもカットバランス、プロポーション、見た目の美しさなどから総合的に評価されます。
大きさ
カラット数が増えるほど、価値も高くなります。
大きくて良質のピンクオパールは稀であることから、カラットに準じて価値も上昇します。
産地
最も高く評価されるのは、ペルーのアンデス山脈産で、この土地で産するピンクオパールは濃い色合いのものが多く、インクルージョンや斑点などがない最高品質であるといわれています。
次に高評価なのがオーストラリア産。波状の模様をもつものが多いようです。
メキシコ産は美しい乳白系のピンク色をしていますが、流通量が非常に少ないため希少な存在です。
しかしながらピンクオパールは産地特定ができない宝石です。
市場価格
ピンクオパールはクォリティによっては、一万円以下でも十分探せます。
透明度の高いトップクォリティものであれば、数万円するものもあります。
ジュエリーとして販売されているものも多く、ブランドによって価格は異なります。
有名ブランドのジュエリーになると、数十万円するものもあります。
カラッツSTOREで取り扱うこともありますので、良かったらチェックしてみてくださいね!
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ピンクオパールのお手入れ方法
ピンクオパールは通常、柔らかい布で簡単にふき取るだけで十分です。
ただし、超音波洗浄器に入れるとヒビ割れや欠けの原因になるので、使用は避けて下さい。
乾燥に弱いため、暖房器具の近くなど水分が蒸発しやすい場所に放置したり、長時間日光に晒さないように注意しましょう。
モース硬度が低いため、他の宝石やジュエリーとぶつかるとキズが付く場合があります。
保管する際には個別の箱や袋に入れることをおススメします。
着用する際には衝撃を与えたりしないように気を付けることも必要です。
家事や重い荷物を運ぶ際には外すなどして、キズや欠けから守るようにして下さいね。
オパールは全般的に、水分などを吸い込みやすい性質をもちます。
アルコールなどが掛かってそのまま放置してしまうと、中に成分などが残る可能性があるそうですので、アルコール消毒する際などはジュエリーは外すか掛からないよう注意して下さい。
最後に
ツヤツヤに研磨されたピンクオパールは、他のオパールとも異なる魅力に溢れている気がします。
半透明のものと不透明のものでもイメージが異なりますので、幾つか集めて比べても楽しいと思います。
取り扱いや保管には注意が必要ですが、大切にすることでより愛着もわくと思います。
素敵なピンクオパールと出会えますように!
カラッツ編集部 監修